【考察】再生不良性貧血の鍼灸治療
こんばんは。
とある鍼灸師です。
以前、再生不良性貧血の患者さまに対しておこなった鍼灸治療について症例を上げました。
今日は、治療の具体的な内容となぜ良い方向へ向かったか東洋医学的に解説していきます。
1.治療の具体的な方法
わたしは、ツボに鍼を接触させる方法で鍼灸治療をしています。
治療の流れとして
①ツボを探すために、お腹の状態を確認します。
②ツボの並びの状態を確認します。
③手の脈を診ます。
④ツボに鍼をします。
こんな感じです。
お腹とツボと脈の状態を確認することで、使うツボの組み合わせを決めることができます。
ここで、実際に使ったツボを紹介します。
それは、腎臓のツボです。
脈までみた段階で腎臓の働きが弱いことがわかりました。
そこで、腎臓のツボに鍼を刺します。
ツボの名前でいうと復溜(ふくりゅう)です。
鍼を刺すときには、弱い部分を補うように鍼をします。
補うことで、本来の正常な働きに近づけるようにしていきます。
正常に近づけることで他の臓器ともより強調して働くようになります。
2.なぜ良い方向へ向かったか?
再生不良性貧血は、自分で血液を作りだせない病気です。
血液を作ろうとしても、自分の細胞に破壊されてしまうからです。
血液は骨髄で作られます。
骨髄にある血液を作り出すための細胞があります。
では、ここで東洋医学的に考えていきます。
東洋医学で腎臓には様々な働きがあります。
・カラダに備わっている生命(生き抜く)エネルギーを貯めておくところ
・水分代謝
・骨や骨髄の成長に関わっている
これらの生理活動をまとめて腎臓と呼んでいます。
先ほど、血液は骨髄で作られるといいました。
再生不良性貧血になると骨髄にある細胞が破壊されます。
東洋医学でも、腎臓の働きのなかに骨髄の成長という働きがあります。
つまり、再生不良性貧血では、東洋医学的に腎臓の働きが弱まることが考えられます。
腎臓のツボに鍼をしたことで、骨髄の成長に影響をだせたと思います。
そうすることで、血液が若干かもしれませんが、作れるようになってきたのかなと思います。
また、弱ってた臓器の働きが、正常に近づいたので、他の臓器にも影響が出ます。
すると、いままで血液を攻撃していた自分の細胞もその異常な働きをやめる状況も作れるようになると考えられます。
3.まとめ
まだ、この患者さまは完全に治ったわけではありません。
ただ、血液の成分は基準を下回っていても、安定はしています。
まずは、現状維持で経過をみて、血液の成分の絶対量も増やしていければと考えています。
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