揉み返しと好転反応について理解しよう
治療を受けた次の日動けないほど体が痛くなった経験がある方はいますでしょうか?
いわゆる揉み返しってやつですね。あれほんと辛いですよね。(経験済)
それでも先生によっては「好転反応だから体にとって必要な刺激ですよ。」
と患者さんに伝えてしまうケースもチラホラ。
ではなぜ僕ら鍼灸師は揉み返しと好転反応をゴチャ混ぜにしてしまうのでしょうか?
そこを解明できる内容となっております。
揉み返しってなんだろう。
結論、「適刺激でない刺激が加わり続けたことによる組織の挫滅」
・・・。組織破壊を起こしてしまっているんですよ。最悪の場合
横紋筋融解症
を引き起こします。手足の脱量感や大量のミオグロビンが血中に流れ込むことによる急性腎不全を引き起こすケースもあるようです。
まだこれを好転反応といいますか??
じゃあ、好転反応ってなんだろう?
はっきり言って僕もわかりません。笑(僕の勉強不足かもしれませんが)
というのも、好転反応と呼ばれる言葉自体、薬機法に該当してその言葉を使うこと自体禁止されているからです。
つまり科学的根拠がないんですね。
じゃあ、患者さんが鍼灸治療を受けたあとにだるくなって数日後にスッキリする”良い意味での”反応はなんなのか。それは
神経原性炎症
が関わっているのではないかと考えています。
神経原性炎症とは感覚神経が刺激を受けることによって引き起こされる炎症反応のことで、血管拡張や血管透過性の増加を引き起こします。
サブスタンスPやSGRPが放出されるからですね。
そうすると一時的に浮腫や発赤を生じます。
(美容鍼で鍼を打った直後の変化が打つ前よりもむくんで見える且つ肌表面が赤く見えるのは↑のホルモンが放出されている最中だから。)
鍼灸治療を受けたあと1〜2日だるさが起きるのは浮腫や炎症を落ち着かせる修復段階で起こるだろうと考えられます。
といいつつ好転反応と呼ばれるものは、鍼の作用機序である内因性オピオイドやDNIC、ゲートコントロール理論、交感神経抑制や過剰刺激、リラックスした跳ね返りなどなど様々な要因が考えられるため、一概にこれが好転反応と言えないんです。
ただ一つ言えるのは、強刺激後に患者さんを動けないくらいの体にして数日後楽になった状態にしたことを好転反応と言うのだけはとても危険です。
強刺激でも良くなる人いるじゃん。
この考えは非常に危険かと。(以前勤めていた治療院がそうだった。)
おそらく
ブリューゲル、アルントシュルツの法則がはたらいているからだと考えられます。
この法則は、
弱い刺激は神経機能を喚起する
中程度の刺激は神経機能を興奮させる
強い刺激は神経機能を抑制する
最強度の刺激は神経を静止させる
これらのことを指します。
ゴリゴリ悲鳴をあげるほどの施術は、note中盤に触れたゲートコントロールなどがはたらいていたり、感覚神経を鈍らせているだけの可能性のほうが高いため注意が必要です。
あらかじめ施術する前に必要な痛みだと伝えたうえでの声かけと圧や刺激の加減を伝えているのであれば良いと思います。
それではっ。
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