あの頃に戻った@TOKYO CALLING 9/18 Shiba
東京のサーキットフェスと言えばTOKYO CALLING。三連休に新宿、下北沢と来て最終日に開催された渋谷に行ってきた。
9月も終盤に差し掛かろうというのにまだまだ暑い晴れた日、正午ごろの渋谷。久しぶりに会う友人の印象が変わっていて、自分も会わない間に少し外見的に変わったので「ハチ公前待ち合わせ」で相当手こずった。多分何度か横を通り過ぎ合ったはずなのに、お互い全く気が付かなかった。
「久しぶりに会う時の待ち合わせは自分の外見的特徴も伝えないとね」というような他愛も無さすぎる会話をしていたらリストバンド交換所のあるduoの前に着いていた。
Makiを観ようと思ったが、開演2分前でO-WESTから伸びる待機列がとても長かったので諦めた。
Czecho No Republic
汗が止まらない気温の屋外からduoに入るとスーッと涼しさで快適になる。ドリンクチケットで早速ジントニックを頼み乾杯。空きっ腹に酒。程なくして始まったCzecho No Republicのステージ。明るく爽やかな楽曲たちに聴いて、フェスが幕を開けたという雰囲気を全身で浴びる。暑い日のフェス、涼しいライブハウスに入って、1組目として観たい聴きたいアーティストの正解がチェコだと思った。
セットリストが中学、高校時代に聴いていたチェコど真ん中で、バンドの魅力に惹かれ、いろんな音にひとつひとつ衝撃を受けていたあの頃を思い出した。チェコの心の底から楽しくなる、踊り出したくなる音もあの頃受けた衝撃のひとつだった。一緒に居た人が子供の頃から知っている友人だったこともあったのか、ライブが終わると、少しだけあの頃に戻った気がした。
ネクライトーキー
あの頃、衝撃を受けた音楽のひとつ。コンテンポラリーな生活『死なない声を探す』。ゲスの極み乙女目当てに買ったロキノンの付録CDに入っていた。このCDは自分の知らない新しいバンドを知りたがっていた当時の自分にとってはとてもありがたいもので、めちゃくちゃ聴いていた。中でも1番聴いていたのが『死なない声を探す
』だった。今思えばこのCDにはCzecho No Republicも、忘れらんねえよも、SAKANAMONも入っていて、この日の出演バンドが多かった。
そこからコンテンポラリーな生活を聴くようになったが、だからこそネクライトーキーは衝撃だった。どちらも良いので、どっちがいいとかでは全くなく。ストレートなロックにストレートな歌詞を乗せていて、ド真ん中に突き刺さるのがコンテンポラリーな生活。ネクライトーキーは可愛い声とPOPな音にテンション上がる〜と近づいていくと、気づいたら尖った言葉に突き刺されているような感覚。ついこの前も『オシャレ大作戦』に、大人になった自分は刺されてしまった。痛かった。
ポップな音の中にあっと驚くようなカッコイイ音がある。ただ楽しいだけでなく心をグッと掴まれるようなフレーズがある。ネクライトーキーは30分のライブの中に喜怒哀楽がたくさん詰まっていた。5分巻いたらしいので本当は25分だったらしいが。とてもとても濃い時間に感じた。
忘れらんねえよ
忘れらんねえよには俺のことを歌った歌が多すぎる。おそらくそう思う男性は多いだろう。自分ももれなくその1人だ。高校時代に教室で言葉を発さずに1日を終えるような学生生活を送っていたから、帰り道に爆音で聴く忘れらんねえよに助けられていた。
多分、忘れらんねえよを聴いてもなんにも感じない人生の方が良い。腹が立っているから、足りてないから共感してしまう。忘れらんねえよとは関係のない人生、あっち側の人に憧れてしまう。
でも、『ばかばっか』で拳を突き上げられるのも、『この高鳴りをなんと呼ぶ』で熱くなれるのも、忘れらんねえよが沁みるヤツら、こっち側の特権だ。ライブを観てそう思った。この時間だけはあっち側よりこっち側の方が楽しい。熱い。強い。
恐らくこれからあっち側の人間になれることもないだろう。だからこれからも忘れらんねえよに助けてもらうんだ。
終活クラブ
リハーサルから『テレキャスター・テレキャスター・テレキャスター』で盛り上げる。勢いのままに始まった本番、DESEO miniは入場規制がかかっていたらしい。とにかく熱気溢れる楽しい空間だった。
ここまで楽しく明るいライブをするのに、バンド名と歌詞から漂う暗い部分のギャップに引き込まれてしまう。知れば知るほど追いたくなるバンドだ。
板歯目
最近、周りの音楽が好きそうな人達にゴリ推ししまくっているバンド、板歯目。たぶん過去の記事でも何度か書いている。どんどん洗練されて、かっこよくなっていく。みんなに観て聴いてほしい。
ニューアルバムを発売して曲の幅が広がったからか、ライブの表現の幅がより広まったように思える。
そしてバンドとしての立ち姿がめっちゃカッコイイ。MCの時のふわーっとした緩い雰囲気と演奏してる時の凛々しい雄々しい雰囲気の温度差。好き。
THE 2
友人が観たいと言っていたので初見。これが初見なのがもったいないと思うくらいに良かった。The SALOVERの人のバンドくらいに思っていたことを恥じるくらいに良かった。
まず曲が良い。こういうの聴きたかったというサウンド、メロディ。爽やかで力強いロックを日常生活にぶち込むだけでQOLが上がる。
なによりライブがいい。手拍子が入るタイミングが気持ちよすぎる。楽しい。個人的にduoの音響が好みなのもあるが、本当に音が良かった。MCも面白い。
初見でなかなか派手に食らった。知った状態で観たい!と思った。いいバンドをみつけてしまった。
アルカラ
このバンドこそあの頃の原点。色々なバンドにハマる中でハマった、人格を形成してくれた音。このフェスの最後に置いてくれたタイムテーブルが俺の為だと思った。
そしてもちろん楽しいライブに決まってる。約束された勝利。
あの頃、何度も聞いたイントロが流れ出す。あの頃ヘッドフォンの向こうで鳴っていた音楽が目の前で鳴らされている。こういう感動もいいと思った。こういう感動でいいと思った。
学生の頃に聴いた音楽を多く聴けた1日だった。田舎に住んでいた学生だったあの頃はもちろんたくさんライブに行けることも無かった。ライブに憧れながらイヤホンで聴くしか無かった。
拝啓十五の君へ。お前、いい音楽聴いてる。ろくな大人にはなってないけど、このメンツのライブを観に来れてるよ。良かったな。
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