抹茶ができるまで
こんにちは、播磨屋茶舗の赤松です。
本日は、抹茶がどのようにして作られるか、のお話です。
そもそも「抹茶」と「煎茶(いわゆるお茶)」の違いをご存じでしょうか?
チャノキ、という植物の葉を使用する点では同じです。
栽培方法と製造方法の2つに注目してご説明します。
栽培方法
まず、栽培方法についてですが、抹茶の場合は「被覆栽培」という方法をとります。以前ご説明しましたが、「かぶせ茶」という煎茶を作る際も同じような方法をとります。
ここで、簡単に被覆栽培についてご説明すると、茶畑に覆いを被せて日光を遮る方法のことを指します。被覆栽培の反対は露地栽培といい、覆いをするかの違いです。
では、かぶせ茶と抹茶は同じかと思われるかもしれません。しかし、被覆栽培でも抹茶のほうは、もう少し特殊な覆いをすることが多いです。
それは、「棚がけ」とも言われる方法です。実際に棚を組んで、そのうえに覆いをします。そうすることで、茶葉を傷つけず、また空気の通り道ができます。
その方が、より良いお茶(苦みが少なくうま味の豊富なお茶)ができます。
また、覆いをする期間も違います。かぶせ茶は、だいたい2週間くらい被覆をしますが、抹茶の場合は20日ほど覆いをします。
そうして日光を遮ることで、「緑色が濃くなる」「葉が薄くなる」「うま味が多くなる」という効果を狙っています。ただ、日光を遮る、ということはお茶の木に負担をかけることになります。ですので、毎年良いお茶を作ろうと思うと、お茶の木の手入れが大切になります。
製造方法
次に製造方法の違いです。
煎茶(いわゆるお茶)の場合は、「蒸して」「揉んで」「乾燥させる」という工程が基本になります。抹茶の場合は、「蒸して」「冷やして」「乾燥させて」「茎をとり」「粉々にする」という工程です。
大きく違うところは、「揉まない」「冷やす」「粉々にする」という点です。ひとつずつ見ていきます。
まずは、「蒸す」工程です。煎茶同様に酸化を止めるために、すぐに蒸します。
ただ、蒸し時間は煎茶より短いです。
そして、煎茶は次に「揉む」工程が来ますが、抹茶は揉まずに「冷却」します。蒸してそのまま置いておくと痛んでしまうからです。
そのために、下のような「散茶機」と言われる機械で冷却します。
下から風が送られて、お茶が舞っています。
冷却が終わると、乾燥に入ります。抹茶は次の工程で粉々にするため、パリパリになるまで乾燥させます。
100℃から200℃で乾燥させるため、レンガ作りの乾燥機になります。
こうして乾燥されたものが茎とより分けられて、葉の部分だけになったものが作られます。この状態を「碾茶」といいます。
最後に、碾茶を粉々にします。
機械で行うところもありますが、昔ながらの方法、かつ、最も良いとされる方法が石臼引きです。
こうして、抹茶ができあがります。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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