エイプリルフール
「やあ、一年ぶりだね!」
ハイテンションな彼に僕はそっけなく返す。
「僕は君があまり好きじゃない」
「まあ、そういわずに」
彼は僕の腕を引き、速足に歩き出す。
目の前に現れる文字列に、画像。
どれも嘘。
「見て見なよ。この世にはこんなに面白い噓が溢れてる!」
楽しく笑う彼を見て僕は言う。
「君のいない日にも、嘘は溢れてる。醜い嘘がね」
彼はきょとんとした後、けらけら笑った。
「なかなか面白い嘘じゃないか」
そうして、僕のついた嘘を空に書きだした。
僕の吐いた真実が、ありふれた嘘に変わった。
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