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【ハゲ杯】ハゲについて語ると見せかけて嫁自慢

私は幼いころから人よりおでこが広く、髪の量は多いタイプのハゲだ。
いや、薄毛だ。
ハゲって全然悪い意味に聞こえなくて、むしろ不惑の境地に達した人に与えられる称号のような気がするのは私だけでしょうか。
薄毛って言われた方が傷つきません?

いわゆるM字薄毛という頭をしていて、耳のあたりの髪は雑草の如くたくましく生えてくるんですけど、Mという字の上のさきっちょの部分が生えてこないタイプのあれです。
無駄に生えてくる頭の横の部分の髪をむしりとって足りてない部分にセルフ植毛してやろうかと何度思ったか数えきれません。

そんな頭をしているので、外出時に帽子は欠かせません。

頭が隠れていると不思議と心が軽くなります。明るくなります。
「いつもの私じゃないみたい!」
まるで初めて化粧を憶えた少女のような軽やかな気持ちになります。

いつも帽子をかぶっていられるそんなハゲに優しい世界ではないので、時には帽子をせず外出する時もあります。

頭が開放されていると不思議と鬱屈した気持ちになります。
恥ずかしい。穴があったら入りたい。
「帽子さえあれば。本当の私をみないで!」
まるで中二病丸出しの30代前半職業不詳ハゲの気持ちになります。

人と話していると、その人の目が私の頭に吸い寄せられる瞬間があります。
その瞬間、
「男性が女性と会話している時に、女性の胸に視線がいくことがあるけど、あれ100%女性は気付いてるよ」と言われた時のことを思い出しました。
「なるほど、確かにこれは気づくわ」と得心いたしました。

そんな情けない私の頭を見て、「丸坊主にしたらいいやん」とか「前髪めっちゃ短くして風通し良くしたらいいやん」とか髪ふっさふさの「ハゲ?なにそれ」って思ってそうな薄毛の世界における圧倒的勝者が言ってきます。

「貴様に何がわかる。
勝者の立場で弱者の気持ちなどわかるはずもない。
同情するなら薄毛治療のための費用全額俺にくれ!」
とは言えず、痛いところを突かれてへらへらするしかない能無し人間です。いや、髪無し人間です。

そんな私にも奇跡的に、愛する妻がいます。
妻は私の薄毛をまったく気にしておらず、むしろ自虐的に自分の髪をいじる私を見て腹を抱えて笑ってくれるような女神的存在です。

妻:「今日は晴れたねー!」
私:「いつもハゲてるよ」

妻:「今日は暑いからハーゲンダッツ食べたい」
私:「二度と私の前でそのワードを使うな」

というようなやりとりをしています。

薄毛を気にしているのは私だけで、妻は私に、
「将来的に全部髪が無くなってもそれはそれでいいじゃん。可愛いじゃん」と言ってくれます。
ハゲに厳しい国は日本だけのように思います。
海外の俳優さんってハゲの人多いよね?

ハゲに悩み苦しみ、前髪の分け目がモーセの海割りのようになっていても、大切な人がハゲに寛容でいてくれている事実に感謝の五体投地をしたいと思います。

人の目をまだまだ気にしてしまう私ですが、なんとか強く、毛根は弱く、生きていられるのは妻の存在があるからだと思います。

☀️素敵な企画ありがとうございます。
☀️この世のハゲに栄光あれ!!

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