haribote

せっかく考えたから、まとめて、記録しよう。可能なら誰かに読んでもらおう。そんな気持ちで…

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せっかく考えたから、まとめて、記録しよう。可能なら誰かに読んでもらおう。そんな気持ちで書いています。 20代前半。

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  • 小説『明日、円周率が割り切れる。』

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ソラニンと軽音楽と

映画「ソラニン」の予告を見た。 忙しない毎日で、貴重なはずの自由な時間なのに、YouTubeをダラダラ見てしまう。「ダラダラできるのも幸せだ。」なんて、自分を誤魔化して、ずっとしたかったはずの、溜めている録画を観たり、本を読むことをしない。 ふと頭に浮かんだとある映画の主題歌、それをYouTubeで調べていた時に、映画「ソラニン」を思い出して、検索をした。当然本編は出てこない訳だが、予告を見た。また観ようかな、と思った。 初めてソラニンを見たのは、高1の時。音楽なんてY

    • 咲いてみろや。

      職場の雰囲気というのは、こんなにあっさり変わってしまうのか。 昨年の4月に実感したことだ。 私の働く職場では、3月から4月にかけての人事異動で一定数の社員が勤務先や部署を入れ替わる。 入社してから、隣のデスクで一から仕事を教えてくれたベテランの上司も、同じ部署でまず第一の目標としていた2年歳上の先輩も、昨年の4月に違う職場に異動になってしまった。 3月に入る頃にはなんとなくわかっていたので、1ヶ月くらい、「あーあ4月からいやだなー」とただただ思い続けていた。 そして

      • 趣味を大切にできない

        「消しゴムを忘れた友達に消しゴムを貸すのは、本当の優しさではありません。」 いやいや、優しさでしょ。 なぜか時々思い出す、小学校の先生の言葉。 当時は納得していたが、今思うとおかしな話だなと思う。 もちろん小学生にとっては、忘れものをしたら(いけないことをしたら)素直に報告してごめんなさいをする。という心を育てないといけないわけで、その心の成長を阻害すると考えてのことだということはわかる。それにしても、ね。 物の貸し借りというと、もう1つ。 中学生の時、午後に身だ

        • 口内炎と他人の痛み

          痛い、ただただ痛い。 3日前から、ひどい口内炎ができている。 最初は右頬の裏に違和感がある程度だった。どうせすぐ治るだろうな、と放っておいたのだが、ちょうど噛み合わせのところにあったのが良くなかった。咀嚼を繰り返す度に、口内炎は悪化していった。 次の日には、食事もままならない程痛くなった。美味しいものを美味しく食べられなくなることがこんなに苦痛なんて。年老いたら、身体の不調で好きなものが食べられなくなったりするんだよな、と悲観的になる。 症状は悪化するばかりで、周りの

        • 固定された記事

        ソラニンと軽音楽と

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        • 小説『明日、円周率が割り切れる。』
          4本

        記事

          計算する余白を大切に。

          最近、休みの日には、よく散歩をしている。 散歩といっても、目的もなく知らない街をブラブラ、整えられたヒゲを生やしたマスターが1人で切り盛りする喫茶店に入り、街ゆく人を眺めながらコーヒを啜る。 なんていう、オシャレなものではない。 私の場合、当てもなくブラブラ歩くと、途中で帰り道が不安になったり、今は楽しいけど復路で飽きたら面倒だな、と思ってしまう。 そのため、散歩と言っても、例えば本来最寄り駅から電車に乗りA駅で乗り換えをして、B駅まで行く。という時に、家からA駅まで

          計算する余白を大切に。

          "ない"の証明は難しい。

          「ネットニュース」という単語がこんなに頻繁に使われるようになったのは、いつからだっただろうか。 極力見ないようにしているが、それでも毎日いくつものネットニュースが脳内に入り込んでくる。 先日、いつもと変わらずSNSを開くと、一件のネットニュースが目に留まった。いわゆる、週刊誌によるアイドルの熱愛報道に関するものであった。 しかし、記事は熱愛報道そのものではなく、アイドル事務所側が、証拠写真はねつ造である、と週刊誌の出版社に対して反論した、というニュースであった。 あま

          "ない"の証明は難しい。

          美容師AI

          靴下も履いたし、後は歯を磨いて、カバンを背負うだけ。 お天気キャスターの左上、現在の時刻を確認する。 7:32。想定より、2分ズレがある。 「テキパキ」と音が出るように動き、歯ブラシを握る。昨日より速く、歯ブラシを動かす。昨日はまだ、1分だったんだけどな。そろそろ限界か。 幼稚園児が、お母さんに確認してもらうみたいに、鏡に向かって「いー」の顔をする。 視界を遮る黒い斜線をどかすために、左右に首を強く振る。 歯に汚れが残っていないことを確認する。 そのまま、今さっ

          美容師AI

          逃げて生きて

          思い返すと、昔から、人の顔色ばかり伺って生きてきた。親の顔色に始まり、兄弟の顔色、教師、部活の顧問、そして友達。 何度も、「人の顔色を伺うのを辞めよう!」 と決心をしても、"顔色"というフィルターを通さずに行動しようとすると、ざわざわと胸が鳴り、心拍数があがり、フィルターが閉じる。 そんな生活をしてきたからか、他人の雰囲気を感じ取ることに異常に長けているような気がする。 コロナ禍が始まり、マスク着用が広まり始めた頃、マスクは、特に日本人のコミュニケーションに影響を与える

          逃げて生きて

          今日もネガティブとともに。

          もし、今がギリシャ神話の時代なら、神は、私を星座として空に描いただろうか。「ネガティブ」という名を付けて。 終業時間が近づく頃、上司に「この前の資料、1回貸してもらえる?」と声をかけられた。 「はい!、、、。すみません、出してすぐ持っていきます。」 以前見せて、今度使う時にまたお願いするね、と言われていたのだが、デスクの上にいくつかの資料を重ねていたため、すぐに見つけることが出来なかった。 「追いついてないかな〜?それじゃあ、次の企画は任せられないね〜。」 と、上

          今日もネガティブとともに。

          納豆。

          時刻は午前7時37分。 テレビでは、お天気キャスターが、今週の天気予報を伝えている。 今、僕は、納豆を食べている。 キムチ風味のタレが付いた、一味変わった納豆だ。 腸内環境を整え、免疫力は上がり、美容効果まである。こんな素晴らしい食べ物、他にない。そもそも味が好きだし。 時刻は午前7時41分。天気予報が終わり、ニュースとバラエティの狭間のような情報番組が、若者の流行を伝える。 画面の真ん中には、メインキャスターの女性アナウンサー。 時刻は午前7時43分。目の前に

          小説『明日、円周率が割り切れる。』 第四話(全4話)

           扉を開けて外に出ると、生ぬるい空気が陸斗を包み込んだ。9月の夜の空気は、ひと夏の暑さが粒子となって、丸ごと漂っているようだ。 「先輩、アイス奢ってくださいよ」  両手で自分の顔を仰ぎながら、梨沙が言う。 「嫌だよ、お金ないし、ていうか、同い年じゃん。」 「ずるい、こんな時だけ同い年扱いして。」  アルバイト先と最寄り駅までの間にある、唯一のコンビニを通り過ぎる。  梨沙は、一度4年制の大学に入学したが、2年生の途中で、退学した。  そして、今年の4月から美術系の専門学校

          小説『明日、円周率が割り切れる。』 第四話(全4話)

          小説『明日、円周率が割り切れる。』 第三話(全4話)

          「受験番号、なかった。」  陸斗は、なるべく感情を込めないように言った。言葉に感情を込めたら、抑え込んでいるものが、たちまち身体中から溢れ出してしまいそうだった。  18歳にもなって、親の前で涙なんて流したくない。だけど、1年以上の努力が無駄になったことを受け止めるには、まだ、若かった。 「あら、そう、まあ、しょうがないわね。」  陸斗の母は、少し明るく、でも自然に言った。だけど、悲しんでいる。感情を隠すことなんて、出来ないのだな、と、陸斗はほんの少し前の自分を思った。  

          小説『明日、円周率が割り切れる。』 第三話(全4話)

          小説『明日、円周率が割り切れる。』 第二話(全4話)

          「陸斗さん、バイトの休憩時間にまで勉強して、そんなに数学って楽しいんですか?」  休憩室に入ってきた梨沙は、陸斗の向かいの椅子に手をかけながら言った。 「楽しかったり、楽しくなかったり。ただ、これは明日までの宿題だから。やりたくてこんな所でやってるわけではないよ。」  陸斗は、ノートから目を離さずに答える。思考が途切れないように、計算を続ける。 「ふーん。私、数学嫌いなんですよね、算数の時から、全然出来なくて。」 「あっ、違う。」  今の計算では、解答にたどり着けないことに気

          小説『明日、円周率が割り切れる。』 第二話(全4話)

          小説『明日、円周率が割り切れる。』 第一話(全4話)

          『明日、円周率が割り切れる。』 「お疲れ様でした。競技が終了した、今の心境をお聞かせください。」 「いやー、本当に楽しかったです!メダルは獲れませんでしたけど、自分の力を出し切れたので良かったです。夢の舞台を、楽しむことができました。」  スマートフォンの画面の中のマラソン選手は、額の汗を輝かせながら、笑顔で語った。  まるで、金メダルを獲ったみたいだな、と、陸斗は思った。  近年、大舞台の試合に敗れた後のインタビューで、悔しさを語る選手は、少なくなっているように感じ

          小説『明日、円周率が割り切れる。』 第一話(全4話)

          闘い

          今日もまた、闘いが始まる。 平然とした顔で、いつもと同じ会話を交わしながらも、そこにはたしかに、火花が散っている。 電車内、信号待ち、そして、仕事場。 接触頻度が高い相手であればあるほど、その闘いは、長く、しつこく続く。 そしていつも、決着はつかない。 今日もその時が来たようだ。 「すみません、Aさん、今度の会議の資料について、ご相談があるのですが。」 Aさんは、パソコンから、顔をこちらに向ける。 「うん、わかった。どこの部分?」 Aさんのマスクに目を向ける

          生き方改革

          人生には、無駄な時間なんてない、って言うけど、でも、やっぱりある気はする。 ぼーっと、SNSを眺めちゃう時間とか、YouTubeのおすすめ動画をただスクロールする時間とか。 この辺りは、本当に意味のない時間だと思うし、それがなくならないのは単なる自分の弱さだな、と思う。 それよりも、無駄だよなー、と思うのは、考えてもしょうがない事を考えている時間だ。 さっきの会話の自分の発言は、相手にどう思われてるか、とか、相手が一瞬目の色が変わったのは、自分の言動に問題があったのか

          生き方改革