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つゆとの話し

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令和3年11月16日に生涯を終えた飼い猫のつゆとの思い出を残します。
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2021年12月の記事一覧

つゆとの話し(9)

つゆとの話し(9)

前回のお話し

余命宣告 11月13日。起床してリビングへ。
 お気に入りの段ボールサークルに入っているつゆに「つゆちゃん、おはよう。」と声をかける。
 毎朝、つゆが息をしているか確認しては、ほっとする日が続く。

 少しだけエサをなめる。大好きだったちゅーるもほとんど食べられない。薬ももう与えられなかった。

 昨日まではまだそれなりに動いたり食べたりしていたが、この日は微動だにもしない。おしっ

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つゆとの話し(8)

つゆとの話し(8)

前回のお話し

通院が始まる 10月20日、つゆは少し足取りがよろけるようになった。朝からほとんどおしっこも出ない。食欲もなくなってから数日が経っていたので動物病院行くことにした。

 まずは血液、尿などの検査をする。少し炎症反応があるものの、いちばん懸念されていた腎臓への細菌感染はなかった。体重はやはり減少していて4.3キロになっていた。

 詳しく調べるために先生は血液を検査機関に送った。結果

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つゆとの話し(7)

つゆとの話し(7)

前回のお話し

僕の願い 「つゆ、しっぽが2本になってもいいから長生きしなよ。」

 僕はブラッシングをしながら、あるいはただ背中を撫でながら、よくこう言ってつゆに聞かせた。

 猫は長生きするとしっぽが2本になって妖怪猫又になると言う伝承があるのだが、もちろんつゆに本当に化けねこになってほしいわけではない。
 しっぽが2本になるくらいに、つゆには長生きしてほしいと思っていた。

 令和3年になっ

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つゆとの話し(6)

つゆとの話し(6)

前回のお話し

つゆが来て3年 令和2年の梅雨。
 つゆが我が家にきてから3年が経った。まつもいつの間にか1年半が過ぎていた。

 このころのつゆとまつとの関係はつかず離れず、という感じだった。つゆもずいぶん落ち着いて過ごせていたと思う。

 まつはつゆにちょっかいを出すことが少なくなっていた。成長して落ち着いてきたのだろう。自分は自分、つゆはつゆと言うことを理解したようだ。

 それでも、つゆの

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つゆとの話し(5)

つゆとの話し(5)

前回のお話し

つゆとブラッシング つゆはブラッシングが大嫌いだった。

 つゆはブラシを取り出すだけでキッチンに逃げていき、少しブラッシングすれば「うーー、うーー」と抗議の声を上げた。
 それでも続けると、ブラッシングしている僕の手に向かって猫パンチやかみつき攻撃を繰り出してきた。

 いつもおっとりしていた つゆがめずらしく反抗心をむき出しにする時だった。ブラッシングはつゆとのスキンシップであ

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