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技術と技能の違いはどこにあるのか.技能検定制度,技能五輪国際大会,日本代表選手の選考方法について

 技術とは生産の方法・手段のことである.その方法・手段の適用範囲や背景にある理論なども理解する必要がある.技能は生産の具体的な活動,実践,行為のことを指しており,技術を使い,役に立てるための能力である.経験的に身につく物が多く,勘やコツといったものが含まれる.技術と技能は伝達継承という点で大きく異なる.技術は客観的に記述されるが,技能は人間を通してのみ継承される.
 技能検定制度は「働くうえで身につける、または必要とされる技能の習得レベルを評価する国家検定制度」である.実技試験と学科試験に合格することで合格証書が交付され,技能士を名乗ることができる.働く人々の技能と地位の向上を図ることを目的として、職業能力開発促進法に基づき実施されている。試験の難易度によって1級、2級、3級に分かれる.職種によっては難易度を分けないで行う単一等級や特級なども存在する.仕事の実務経験年数によって受検できる等級が異なる.他資格の受験資格などの免除が受けられるメリットがあり,特に,1級と単一技能等級の合格者は、当該職種の職業訓練指導員免許を取得することができる。2級の技能検定合格者は、職業訓練指導員試験の実技試験が免除される。
 技能五輪国際大会の目的は参加各国における職業訓練の振興と青年技術者の国際交流,親善を図ることにある.技能五輪国際大会は、正式には、国際技能競技大会(World Skills Competition)と呼ばれています。日本では中央職業能力開発協会が国際大会を主宰するワールドスキルズインターナショナルのメンバーとなっており,国際大会に選手を派遣している.日本代表選手は、国際大会が開催される前の年の技能五輪全国大会での優勝者から選ばれる.ただし,一部の職種を除き22歳以下という条件がある.

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