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衛生学・公衆衛生学(歴史・活動)

こんにちは。

本日も記事をご覧いただきありがとうございます。


さて今回は、衛生学・公衆衛生学の歴史や意義、活動についてをまとめていきたいと思います。


まず初めに、なぜ公衆衛生学を勉強するのかといったところから考えて行きましょう。

1)なぜ、公衆衛生学を勉強するのか

公衆衛生学を勉強する医療職には
医師・歯科医師・助産師・保健師・看護師・歯科衛生士・管理栄養士・社会福祉士・介護福祉士・理学療法士・作業療法士・はり師・きゅう師・柔道整復師・あんまマッサージ師、、、などがあり
医療系の仕事に携わる者には、公衆衛生学における共通した「知識」と「考え方」が必要になってきます。
医療現場に関わる立場の医療従事者として、患者を診る医療従事者として欠かせない学問であると思っています。

公衆衛生的な視点で、患者やその家族を捉えることで病気や障害についてより根本的な解決策や医療機関外での支援を見つける気っかけが得られる可能性がある。
それが、患者・家族の生活の質(QOL)や満足度を高め、より良い医療の提供に繋がっていくに違いない。

2)公衆衛生の歴史

○世界的な歴史
・古代〜中世

公衆衛生的な考えの存在があり、ヒポクラテスは疾病の発生要因を気候、土、水、生活様式、栄養などとして挙げている。またマラリアの流行と沼の関係を指摘している。
・近世〜近代
公衆衛生の基盤が作られる。人口集中による衛生環境の悪化、過重労働、栄養不足、貧困などの深刻な環境衛生上の問題が生じる。これをきっかけに、世界初の公衆衛生法が成立した。
チャドウィックは近代公衆衛生の父と言われている。

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・近代〜現代
医学の飛躍的な進歩により伝染病は激減し、環境衛生が中心であった公衆衛生は結核対策・母子保健・学校保健・精神保健・栄養改善などの幅広いものになってきた。
しかし、20世記後半には衛星向上による人口の高齢化や生活習慣病の増加、工業科学技術による環境問題、薬剤耐性菌や新興・再興感染症などの出現といった新たな健康問題が出現している。

○日本の歴史
貝原益軒の『養生訓』
;健康を維持するための個人生活の指導書

戦後の日本は、人口の高齢化、生活習慣病の増加(以前の成人病;脳卒中・心疾患・悪性新生物)、環境問題(公害病)、新興(O157、重症急性呼吸器症候群、SARS、新型インフルエンザ)、再興感染症(コレラ、マラリア、結核)、メンタルヘルス(自殺対策)などが起きていた。
こういったことに対して、国や自治体、地域の組織的な取り組みによって人々の健康を維持・増進させ望ましい社会を築こうとしてきた。

この様に、国民の健康水準を向上させた大きな力が、予防接種や環境整備、生活習慣の改善などによって病気の発生や進行を予防する『公衆衛生活動』であった。


3)衛生学・公衆衛生学の意義と活動

○意義・定義

衛生学・公衆衛生学の意義は
『人間の生存に影響を及ぼす様々な関連要因をふまえ、健康の保持(維持)・増進を目的とする学問』である

また、定義としては
『組織された共同体の努力を通じて疾病を予防し、寿命を延長し、身体的・精神的健康と能率を増進させる技術および科学』である

◆衛生学  ;実験的基礎的である
◆公衆衛生学;実践的応用的であり、集団を強く念頭に置いている
※どちらの目的も健康の保持増進と疾病予防である。

○活動

✔︎世界的活動

・WHO憲章(1946年);健康の定義(精神的・社会的側面を含む健康感の定義)
『健康とは単に疾病がないとか、虚弱でないだけでなく、身体的・精神的・社会的に完全に良好な状態である』
健康を単に「病気でない」状態と消極的に捉えず、「完全に良好な状態」と積極的に捉えていること

・ヘルシンキ宣言(1964年);ヒトを対象とする医学研究の倫理的原則
医師の知識と良心は人々の健康を向上させ守ることに捧げられる。
医学研究の第一の目的は、疾病の理解とその予防・診断・治療の改善あり、医学研究においては被験者の福祉が全ての利益に優先する

・アルマ・アタ宣言(1978年);プライマリヘルスケアの提唱
『2000年までに世界のすべての人を健康に』と言う基本戦略のもとプライマリヘルスケアの理念が打ち出された。
※プライマリヘルスケア
→「すべての人に健康を」を基本理念とした総合的な保健医療活動。専門家による一方的な保険医療サービスの提供では無く、地域住民が主体となって自らのサービスを自主的に運営し、社会的・経済的に生産的な生活を実現することを目的としている。

・オタワ憲章(1986年);第1回ヘルスプロモーションで採択
健康は『生きる目的では無く、毎日の生活のための資源』であり、『単なる身体的な能力以上の積極的な概念』という健康観が初めて提唱された。
※ヘルスプロモーション
→『人々が自らの健康とその決定要因をコントロールし、改善することができるようにするプロセス』と定義される。
すべての人々があらゆる生活の場で健康を享受することのできる公正な社会の創造を目標としている。

・国際生活機能分類「ICF」 (2001年);あらゆる人の健康を包括的に記述できる分類の提唱
従来の障害者のみを対象とした分類とは異なり、すべての人を対象として障害「マイナス面」と健康な状態「プラス面」の両面からその人の「健康状態の構成要素」を評価する分類として策定された。
・バンコク憲章(2005年);第6回ヘルスプロモーションで採択
「国際化した世界における」健康の決定要因を管理するために必要な活動と債務、制約を確認した。


以上、今回は衛生学・公衆衛生学の歴史や意義、活動についてまとめました。

間違っている点や、気になる点があれば気軽にコメントしてください。

本日もご覧いただきありがとうございました。

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