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鍼治療・灸治療ってなに?

はり治療、きゅう治療、美容はり、スポーツ鍼灸

などTVやメディアの影響もあり、以前よりは耳にする事が増えた言葉なのではないかと思います。

以前よりも漢方や鍼灸は少しずつ見直されてきていますが、まだ日本ではメジャーとは言い切れない治療の一つです。

しかし歴史も長く、中国では紀元前2世紀から鍼灸にかかわる文献があったとされています!

そんな鍼灸治療を今回は

「鍼治療って何をするの?」

「何に対して効くの?」

「鍼を受けたことがないけど興味がある方に向けて」

この三点にフォーカスしてお話ししたいと思います。


1.「鍼治療って何をするの?」

インターネットの巨大情報サイトによると

『鍼もしくは鍼治療とは、身体の特定の点を刺激するために専用の鍼を生体に刺入または接触する治療法である。中国医学等の古典的な理論に基づいており、中国・日本・韓国でそれぞれ発達した。このうち韓国が特に鍼を重視し、「一鍼二灸三薬」と言われている。』

と定義されています。

身体の特定の点とはいわゆるツボを指します。

簡単にまとめると

『体のツボに鍼もしくは灸を行う』

治療です。

とは言っても、鍼治療にいける経穴(ツボ)は身体に300以上存在し、鍼の打ち方についても多数存在します。

また阿是穴と呼ばれる名前のない体の反応を診て打つツボも存在していたり、筋肉や関節、神経周囲を狙う場合は経穴(ツボ)とは違う打ち方をします。

そのためどんなところに何本鍼をするのか?については先生によって変わるため定義することは難しいでしょう。

しかしそれではイメージも湧かないかと思いますので、私が普段行うことの多い治療法を例に出したいと思います。

私が得意とする鍼は筋肉をや関節に痛みを訴える整形外科疾患です。

腰痛を例に出してお伝えします。

腰痛といっても反った時に痛いのか、屈んだ時に痛いのか、足に痺れがあるのか、などなど原因によって症状の出方が変わります。

痛む部位、痛みのある動きや痛めた姿勢、急性か慢性かなどから原因を推定し、筋肉、関節、神経付近に鍼をします。

椎間関節 鍼管比較

写真は腰の筋肉(左)と関節(右)に鍼を打った写真 鍼の長さは同じもの

私が行う鍼治療は原因まで鍼を届ける治療が多いです。

そのため場所によっては深くなったりすることもありますが、刺激感はコントロールできるため見た目ほど刺激的ではありません(もちろん刺激が欲しい方には対応します)。


結論

鍼治療は治療対象とするものによって施術の仕方が変わる!

深い筋や深い神経→深い鍼

浅い筋皮下組織→浅い鍼


2.何に対して効くの?

鍼灸治療は様々な疾患に対して行われることがあります。

WHO(世界保健機構)で定められている鍼の適応症は41疾患あります。

神経系疾患
神経痛・神経麻痺・痙攣・脳卒中後遺症・自律神経失調症・頭痛・めまい・不眠・神経症・ノイローゼ・ヒステリー

運動器系疾患
関節炎・リウマチ・頚肩腕症候群・頚椎捻挫後遺症・五十肩・腱鞘炎・腰痛・外傷の後遺症(骨折、打撲、むちうち、捻挫)

循環器系疾患
心臓神経症・動脈硬化症・高血圧低血圧症・動悸・息切れ

呼吸器系疾患
気管支炎・喘息・風邪および予防

消化器系疾患
胃腸病(胃炎、消化不良、胃下垂、胃酸過多、下痢、便秘)・胆嚢炎・肝機能障害・肝炎・胃十二指腸潰瘍・痔疾

代謝内分泌系疾患
バセドウ氏病・糖尿病・痛風・脚気・貧血

生殖、泌尿器系疾患
膀胱炎・尿道炎・性機能障害・尿閉・腎炎・前立腺肥大・陰萎

婦人科系疾患
更年期障害・乳腺炎・白帯下・生理痛・月経不順・冷え性・血の道・不妊

耳鼻咽喉科系疾患
中耳炎・耳鳴・難聴・メニエル氏病・鼻出血・鼻炎・ちくのう・咽喉頭炎・へんとう炎

眼科系疾患
眼精疲労・仮性近視・結膜炎・疲れ目・かすみ目・ものもらい

小児科疾患
小児神経症(夜泣き、かんむし、夜驚、消化不良、偏食、食欲不振、不眠)・小児喘息・アレルギー性湿疹・耳下腺炎・夜尿症・虚弱体質の改善

参考 セイリン株式会社HP https://www.seirin.jp/sinkyuu_tekiousyou/

この中でも健康保険の適応になっている疾患もいくつかあります。

鍼灸の適応はとても広いものであるといってもいいでしょう。

その中でも僕の得意とするのは整形外科疾患です。

肩こり・腰痛・膝痛などは日常生活に直接影響を与えるため、これらの症状や疾患でお困りの方も多くいらっしゃるかと思います。

日本時は肩こりや腰痛を感じる方がとても多いとされています。

肩こりは筋肉が原因の疾患ですが、増悪因子は多数存在します。

デスクワーク、ストレス、冷え、姿勢など様々なものから悪影響を受けます。

肩こりの原因となるのは僧帽筋と肩甲挙筋と言われています。

僧帽筋 肩甲挙筋_LI

肩甲骨は骨による固定が少ないため、筋肉が支えています。

頭から大きくついている僧帽筋や首からついている肩甲挙筋にぶら下がっているようなイメージです。

そのため何もしていなくても筋肉には負担がかかります。なで肩の人はより肩こりを感じやすいでしょう。

私が鍼治療をする上ではこれらの筋かどうかを触察(触って確認)し、対象となる筋の深さまで刺入します。

筋の硬さや体の大きさなど場合によっては鍼を通じて電気を流すこともあり、低周波鍼通電療法といいます。パルス治療や鍼通電などと呼ばれることもありますが、詳しくはまた別の記事で書きます。

鍼を刺すことで筋肉の緊張やコリがとれ、すっきりすると感じられる方がとても多いです。

鍼は血流を増やしたり、鎮痛物質を発現させるなどの効果があり痛みや緊張を取ることを得意としています。

腰痛の場合も原因となる筋や関節に鍼を打つことで循環を改善し痛みを下げるように働きかけます。


また、便秘や下痢などの胃や腸などの不調、不眠などの治療は肩こりや腰痛などとは異なります。筋肉や関節が原因であれば直接鍼をすることができますが、内臓の不調だからと言って直接鍼をすることはしません。

そこで使用されるのが経穴(ツボ)です。

よく使用される経穴(ツボ)は腕や足にあります。

なぜ腕や足に鍼をして効果が出るのかについては完全には解明できていません!

しかし体性ー自律反射といって体表面への刺激が自律神経を介して内臓の動きに変化を与える反射が関与しているとされています。

鍼灸は伝統医学や経験医学と呼ばれ過去の経験から効果があったものが積み重なってできた治療法です。現代医学では解明できないこともありますがそれこそが鍼灸の醍醐味であると私は考えています。

結論

鍼灸は内臓疾患や整形外科疾患など幅広く対応できる!

※すべての疾患に効くわけではありません。


3「鍼を受けたことがないけど興味がある方に向けて」

今回はここまでで

鍼が何に効いて、どこにさすのか

について触れてきました。

この記事を読んでくださる方はもともと鍼灸に興味がある方が多いかと思います。

その中でも体の不調はあるが鍼灸治療を体験したことがない方々は一度鍼灸師に相談してみるのも一つの選択肢にしてみてはいかがでしょうか?

鍼灸接骨院やはり灸あんまマッサージ指圧院などお近くで探してみると意外と多いことに気づきと思います。

病院などでは原因不明の痛みや不調も鍼灸では別の観点から治療することができます。

体の不調は本人しかわからずなかなか理解されないものですが、親身になって聞いてくれる鍼灸師は多くいると思います。

もしこの記事を読んで鍼灸治療を受けてみようと思ってくださる方が増えると幸いです。


最後まで読んでいただきありがとうございました。

もしよろしければ次回以降の記事も覗いてみてください!

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