(今更ながら)ソニーのWH-1000XM3は「スマート・ヘッドホン」である。
皆さん、音楽好き〜?
私は自分で作るぐらい好き!
そんな自分と相方で作った曲達はこちらから↓
そんな私、「線がないヘッドホンなんて! 電池が切れて聴けないヘッドホンなんて!」
とBluetooth接続ヘッドホン・イヤホンに対してマイナスの印象があった。
そんな中で2017年に見たブログが以下のもの。
これを見て気になって家電量販店でMDR-1000Xを試すものの……。
機能はいいなと思ったワケだが、この自分の曲を聴いてみると、音がバラバラになっている様に聴こえたワケで……。
そして、MDR-1000Xの後継であるWH-1000XM2も試したが、これも音がイマイチな感じがして購入を見送り……。
そして、去年の10月に発売したWH-1000XM3を試してみると……。
「あれ!? これは音もいいんじゃない!?」
と思っていたが、なかなか値段が下がらない……。
しかし、思いのほか夏のボーナスが出たので2019年7月に購入!
(そして、発売から1年以上経つのに、なかなか値段が下がらないのがこの製品……。これも人気ゆえ……?)
ここまでが購入までの流れである。
そして、WH-1000XM3を毎日のように使用して「これはnoteを書いて他の人も勧めたい!」と思うように。はっきり言ってそれぐらい素晴らしい。
では、ここからWH-1000XM3の具体的に何が素晴らしいのかを、いくつか事例も踏まえて紹介をしたいと思う。
ノイズキャンセリングをオンにすると、そこは再生される音のみの世界
ちょっと言い過ぎか。いや。個人的には言い過ぎではないと思う。
このWH-1000XM3のノイズキャンセリングをONにすると、家の中ではほぼ無音となり、電車の中でもアナウンスや電車の走行に関する高音系の音、鉄橋を走るときの音、あとは車掌の笛の音ぐらいしか聴こえない。
それらもだいぶ遠くにあるような感じに聴え、音声の再生中には、ほぼ聴えないレベルである。
さらに、ノイズキャンセリングの凄さを感じられるのは交通量の多い幹線道路の歩道を歩いている時である。
大型トラックやマフラーを変えている車・バイクが自分のすぐ近くを通るようなシチュエーション。そんな場所でも、通り過ぎる車のタイヤから出る高い音以外が聴こえなくなって、「嘘だろ」と思わず笑ってしまうぐらいノイズキャンセリングをしてくれる。これはノイズキャンセリングの強さを変えて是非、体験して頂きたい。
↑この動画が誇大広告じゃないぐらい、実際にノイズキャンセリングされる。
新幹線の車内でアコースティックのライヴアルバムを再生したが、新幹線車内のアナウンスや子供の声が遠くに聴こえるぐらいである!
(そして、アコースティックギターの弦の生々しさに驚く!)
新幹線での使用では、トンネルに突入する際の気圧の変化にノイズキャンセリングが対応出来ていない瞬間があった。
それ以外は、新幹線の車内が音楽しか聴こえない空間となり、恐ろしく快適な空間となった。
そしてヘッドホンを外したり、ノイズキャンセリングをオフにしたり弱めたりすると分かる「世の中はこんなに音で溢れているんだ」感がもの凄い!
さらに感動した点は、ノイズキャンセリングを弱めたときの周りの音の入り具合である。
このヘッドホンはノイズキャンセリング機能がついているため、ノイズキャンセリングを弱くして聴こえる周囲の音は、ヘッドホンのマイクを通した音なのだが、音楽と周りの音が自然になおかつ、キレイにバランスして聞こえる。それはまるで、ノイズキャンセリングヘッドホンではなく、開放式のヘッドホンを装着しているような感覚である。
(ただ、さすがに遠くの音はマイクなので人間の耳のようには聞こえない。速いスピードの原付の音が聞こえなくて、轢かれそうになったことがある)
この前、細い道を歩いていて、後ろから介護老人ホームの送迎車が来ていることに気づかずに道の真ん中寄りを歩いてしまい、送迎車のドライバーとがっつり目が合ってしまった。
ノイズキャンセリングを強くして外を歩くのは、はっきり言って危険なぐらい様々なノイズを無くしてくれる。
そのぐらいこのヘッドホンのノイズキャンセリングは強力だ。
この教訓から、この道を歩く時は3m歩いたら後ろを振り返るようにした。そして後述のアプリの機能を使うようにした。
単純にヘッドホンとして音が良い
このWH-1000XM3は、ヘッドホンという製品としての一番大切なポイント──「音が良い」という点、これをしっかり外していないのが素晴らしい。
個人的に、いくら付加機能が優れていても、一番大切なポイントを外していたら、製品としてダメだと思う。
低音は必要にして十分。
低音がこれ以上強くなってしまうと、全体的な音のバランスが崩れてしまうように感じる。
なによりも驚いたのは、音の出方──位置の素晴らしさである。
普通のヘッドホンなら、右と左で聴こえる音がこのヘッドホンでは右端・右中央寄り・左中央寄り・左端のように音が立体的に聴こえる。
クラシックや映画のサウンドトラックなどのオーケストラ楽曲を聴くとあらゆるところから音が出ているのが分かる。
ギターがメインの曲ならば、何本ギターを使っているかも分かってしまいそうなぐらいである。
また、再生に関する機能として、MP3等のオーディオデータはハイレゾ並みにアップコンバートし、再生も可能となっている。
自分の使用環境として、iTunesにオーディオファイルを入れiPhoneで音楽を聴いている。
そしてオーディオデータのほとんどは、MP3の192kbpsなのだけれど、WH-1000XM3で聴くとかなりキレイに聴こえる!
MP3の192kbpsで入れた曲が「こんなに低音が! こんなに高音が! ハイハットやシンバルもシャリシャリ言わない!」といった感じに本当にキレイに聴こえる!
そして、曲にワザと入っているノイズがよく分かる!
また、有線接続も可能である。
有線接続でも、WH-1000XM3の電源をオンにするとノイズキャンセリング状態となる。そして有線接続用のケーブルも付属している。
(ちなみに、この状態でDTMをするとかなり集中出来るのはここだけのヒミツな!)
有線接続時は、電源オフでも音は聴けるがその状態での音は、はっきり言ってイマイチ!
この「イマイチ」の音は、聴いた人にしか分からない! とにかく「イマイチ」と表現したくなる音! こんなに音の良さが変わるのか! と驚くぐらいである。
このヘッドホンで音質に満足出来ない人は買うヘッドホンが無いのではないかと心配になるぐらい、このヘッドホンの音質は素晴らしい。
単純に機能が素晴らしい
一番好きな機能として、ワンタッチでノイズキャンセリングをオフにする機能がある。「クイックアテンションモード」と呼ばれる機能である。
操作方法は、ヘッドホン右側に手のひらを当てるだけで「クイックアテンションモード」が機能する。
本体の右側に手のひらを当てると「ピッ」と短い操作音がして、ノイズキャンセリングがオフになり、再生している音も下がる。
この機能は、時間が決まっているわけではなく、手のひらを当てている間は、この機能が続く。
使用シチュエーションとしては、電車や駅構内のアナウンスを聞く際、さらにはバスに乗っていてブザーを押す際などには音を止めたり、ヘッドホンを外さずに外の音を聞けるため、とにかく便利!
また、専用のアプリを使うとでノイズキャンセリングの強さを調整出来る。
※ノイズキャンセリング(外音コントロール)は、ノイズキャンセリング、風ノイズ低減、外音取り込み中1〜20のとなっている。
「ノイズキャンセリング」が一番ノイズキャンセリングが強い状態。「音取り込み中20」がノイズキャンセリングが一番弱い状態。
さらにこのアプリには「アダプティブサウンドコントロール」の機能がある。
この機能は、行動をアプリが検知しノイズキャンセリング(外音コントロール)を自動で変更するという機能である。
行動の検知として「止まっています」「歩いています」「走っています」「乗り物に乗っています」の4つ検知があり、それぞれでノイズキャンセリングの強さを設定出来る。
この曲の頭のような音がして、行動を検知してノイズキャンセリングの強さが切替る。
この音がしてから、再生されている音声が2秒程、音量が0になってからノイズキャンセリングの強さが変更される。
これにより、いちいちスマホ等でノイズキャンセリングの強さを変えずにアプリを入れた機器が「歩いています」などと加速度センサーから判断すると自動的に設定したノイズキャンセリングの強さに変わるワケである。
しかし、ノイズキャンセリングが切り替わるのがもう少し早くなれば、再生している音声が途切れなくなるのに……と残念に思う点の一つである。
たかが2秒、されど2秒と思うが意外に使っているとその切り替えの時間は長く感じる。
ちなみに、上で書いた送迎車の一件で「歩いています」の設定は「音取り込み中16」とした。
単純に基本スペックが高い(値段も少し高いが……)
ソニー製品らしく、バッテリーの持ちは素晴らしい。
「ノイズキャンセリングをONにして30時間連続使用可能」との触れ込みだが、あながち嘘ではない印象。
実際に3日間、片道1時間の電車通勤に往復で使用して100%だった充電が70〜80%に減るぐらいの印象である。そのため、充電の頻度は3日に一度ほどである。
値段については、「ヘッドホンに3万円以上も出すの!?」と言う人にとっては間違いなく高いと思うだろう。
しかし、
「この機能と音質で3万円台で買えるの!?」
と思う人は買ってしまう可能性があると思う。
自分がそうであったように。
この製品で驚くというか意外だったのが、全体の手触りや処理、見た目が高級感に溢れている点。
新しく出たソニーのWH-XB900Nを触ったが、あまりにもチープな見た目、ボタン等処理の甘さに驚いた。写真等で見ると、そこまでチープに見えないが実際に見るとハッキリ言ってひどい。
WH-XB900NはWH-1000XM3の利益率が悪いからゴリゴリにコストダウンしたんじゃないかと疑うレベルである。
自分がWH-XB900Nを買うなら1万円を追加してWH-1000XM3を買う。ただただ素直に。
また、競合他社のノイズキャンセリングヘッドホンとも比べても高級感というか、ボタン等の処理は一歩進んだクオリティとなっているように思える。
見た目についても、MDR-1000Xから基本は変わっていないが、飽きが来ずミニマルで美しい見た目だと思う。
全体的に製品のレベルが高いので、悪い点が「気になる点」になるレベル
ここまでは、ほぼ良い点を書き連ねてきたが、いくつか悪い点というか、「気になる点」を。
(本当に製品のレベルが高いので、悪い点が「気になる点」レベルになってしまう……)
気になるのは、Bluetooth接続が一瞬切れて音が途切れてしまうこと。
家の中では起きたことはないが、繁華街を歩いていると稀に音が一瞬切れるときがある。
一瞬なので再接続は必要ないが、これはやはりBluetoothヘッドホンの宿命だと思う。
Bluetoothヘッドホンの宿命といえば、もう一つ。ゲームの反応音はやはり音ズレが生じる点。
これについては「ゲームをする際には、素直に有線接続を!」の一言!
ちなみにNetflix、Amazon プライムビデオ、DAZN、YouTubeをiPhoneとWH-1000XM3を接続して観ているが、これらの動画を観る際には、音の遅延は全く気になっていない。
あと、装着していると気にならないが、このヘッドホンを装着した自分の姿を鏡で見ると「ごっついヘッドホンしてるな〜」と思う。仕事場で装着していたら「F1のメカニックみたい」と言われたほどである。
そのため、もう少し本体が薄くなればと思う。
(その点に関してはBOSEのノイズキャンセリングヘッドホンのデザインは巧みだと思う)
ただ、30時間使用出来るバッテリー、各種基盤、ノイズキャンセリング用マイクとセンサー、タッチパッドを装備して、さらにハウジングも耳の大きな人でも入るように設計すると、このサイズになるのだろうとは思うが、BOSEのノイズキャンセリングヘッドホンのデザイン並の薄さになる───────それについては次期モデルに期待といったところ。
本体には物理ボタンが付いているが、少し分かりにくいというか、触りにくい位置に付いているのが悪い点。そして、ボタンの機能も分かりにくい……。
PDF形式でダウンロード出来る本体取扱説明書は必読である!
そして、夏場に使っていて気になったのは本体というかイヤーパッドから自分の耳の裏のオイニーが!
少々、このヘッドホンは蒸れやすいようだ!
総評
このWH-1000XM3にキャッチフレーズを付けるなら「スマート・ヘッドホン」となるだろう。
スマートフォンやアプリをダウンロード出来るオーディオデバイスと接続することを前提に開発された新しい思想のヘッドホンになっている。
そしてノイズキャンセリングの具合や機能も「スマート」と呼ぶに相応しい。
マーケティング的な検知から気になるのは製品の名前。
はっきりいって「WH-1000XM3」なんて覚えられないし、他のソニーの商品名とごっちゃになってしまう。
もう少しキャッチフレーズ的な、目指す方向として「AirPods」の様な名前が欲しいところ。
他の人に説明するときも
「ソニーのヘッドホンでノイズキャンセリングが凄くて、良い音で2色しか色がなくて、4万円でお釣りがくるヘッドホン! 名前は忘れた!」
としか説明出来ない。
機能・音質とヘッドホンに求められるモノはかなり高いレベルで実現している製品のため、Bluetoothヘッドホンで音楽を高音質で楽しみたい! と思っている方は是非、実際に装着して音を聴いてみるべきだと強く思う。
使用するたびに、心の底から「いいなぁ」と思え、買ってから毎日のように使っても不満は無く、むしろ愛着が湧いてくる。そんな、使っていて本当に満足する製品がWH-1000XM3であることは間違いない。
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