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【衝撃の結末】創作童話 星を見た人と 【フリー台本】

こんにちは、はれのそらです。先週vtuberのまつりぴさんとコラボ用に書き下ろした童話です。

・まつりぴさんのオーダーでシチュボ以外にした
・まつりぴさんと話して変に悲劇性はいれないストーリーにした
・即興朗読なのに最後に語り手がわかるというような、ちょっといじわるな構成にした
・童話っぽく代名詞をそのままにしたら、えらくアレになったのでこちらでは修正した

な点に気を付けて書き上げました。こういうのがいいらしいです。次回作に活かせますので、よかったら感想お願いします!

規約


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本編

昔、夜空の星を見つめる男がいた。幾多の輝いた星ではなく、じっと注意深く見ていないとわからない、小さな小さな薄暗い星を。
彼は数多の輝く存在よりも小さな小さな…見えないような存在を追い求める人だった。
その星を眺めて、何かを願っているようだった。
そんな彼を見守る女性がいた。
はじめは単なる好奇心で。でも、毎日熱心に同じ場所で星を見つめるその姿を見て。
いつしか、彼女はその者の願いが叶うよう、彼を見守り続け始めた。
彼は季節を跨いでもじっと見つめていた。
一年で夜が一番短い日でも。夜が一番長い日でも。
ずーっと一心に祈っていた。
その様子を伺っていた彼女は、何度何度も数えきれないくらい、その者の願いが叶うようにと願った。
が。
ある日、彼が消えてしまった。
彼女は、大変嬉しい気持ちになったのと同じく。
大変悲しくて涙を流してしまった。
自分の願いは、あの者の念願が叶う事ではあったけれど、いつまでもあの者が星を見る姿を見ていたかった。
そして、いつか話しかけて願いを聞いてみたかった。
そう嘆く者の下に、声をかける者がいた。
あの、星を見つめていた者。その彼であった。願いを叶えたはずの者だった。
慌てて顔を隠して、彼から何か贈り物をもらった。
それはレストランのディナー券だった。
そう、彼は彼女と仲良くなりたくて、星を見つめていたのだった。
しかし、早々に願いが叶ってしまった。自分に興味をもってもらえるという小さな願いが。
それから、ずっと話しかけよう。仲良くなろうと、思っていたが勇気が出なくて、星を見つめる・見守る関係で居続けた。
でも、今回勇気を出して誘ったそうだ。

さて、この物語の結末についてだが。
もう星に願いをする彼はいなくなった。見守る彼女もいなくなった。
ただ、料理店の窓から、共に仲良く星を眺める者達が現れたとの事だ。
え、どうして2人が星を見つめていた事を知っていたかって?
それはね。
あの素敵な2人は、ずっと私に釘付けだったからだ。
薄暗い星たる私に。
私も私で、星空の中で寂しげに1人輝いていた中で願ったんだ。
私に注目して欲しい存在が欲しいって。
つまりね。
ことごとく願いは叶って、めでたしめでたしってわけさ。

(了)

朗読した方々

グラノーラさん

大市さなきさん

まつりぴさん(コラボ記念)

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