
実技2【過去問私的解説&ヒント】第53回気象予報士試験
この記事では、独学で気象予報士試験の実技試験を突破した晴野(はれの)が、令和2年1月の「第53回気象予報士試験の実技2」の問題を解いてみた「解答までの考え方&解答例」をお伝えしています。
問1(3)まで無料で公開しております。
出版社が出してる「過去問解説」とは違い、「晴野的過去問解答までの道のり」を私一人で書いており、誰かの監修は受けておりません。
私の考え方が必ずしも正解とは限らないことをご了承の上、ご利用ください。
※令和2年1月の第53回気象予報士試験の実技2の問題と解答を持っている人向けの内容です。
もし第53回気象予報士試験の学科一般の問題と解答を持っていなければ、まずこちらでダウンロードしてください。
↓ ↓ ↓
模範解答も「気象予報士試験・問題と解答のダウンロード」で手に入ります。
問1(1)日本付近の気象概況について
【問題文】
XX年7月18日の日本付近における気象の解析と予想に関する以下の問いに答えよ。予想図の初期時刻は、図2は7月17日21時(12UTC)、図 7 は7月18日9時(00UTC)である。
(1)18日9時の日本付近の気象概況について述べた次の文章の空欄( ① )〜( ⑭ )に入る的せるな整数値または語句を答えよ。ただし、③⑤は16方位、⑥は図2の等値線の値、⑧⑨⑩は十種雲形を答え、④⑧⑨⑩は漢字で答えよ。
地上天気図によると、佐渡付近に中心気圧が( ① )hPaの低気圧があり、( ② )ノットの速さで( ③ )へ進んでいる。中国大陸から山陰にかけては、( ④ )前線の記号で表示された梅雨前線がのびている。850hPa相当温位・風12時間予想図によると、この前線付近の朝鮮半島上空では、850hPa面でおおむね( ⑤ )の風が吹き、( ⑥ )K以上の高相当温位域になっている。
梅雨前線に近い松江では、全天を8とした全雲量が( ⑦ )であり、( ⑧ ),( ⑨ ),( ⑩ )が観測されている。過去天気として( ⑪ )が報じられているが、前1時間内に( ⑪ )はない。9時の天気は( ⑫ )である。
気象衛星画像で佐渡付近から福島県にかけてと黄海にみられる雲域は、赤外画像で白いことから、雲頂の( ⑬ )が低いことがわかる。また、可視画像でも白く、( ⑭ )がみられる。よって、これらの雲域は積乱雲と判断される。
問題文によると
・③と⑤は16方位で答える。
・⑥は図2の等値線の値を答える。
・⑧,⑨,⑩は10種雲形で答える。
・④,⑧,⑨,⑩は漢字で答える。
ってことなんで、頭に入れて問題を読みます。
①の答えは「1006」hPa。
佐渡付近の低気圧の中心気圧は、デベソマークの近くに書かれています。
②の答えは「10」ノット。
天気図に書いてありますね。
③の答え「南東」へ進んでいる。
これも天気図に書いてありますね。
④の答え「停滞」前線。
これも天気図のまんま。
⑤の答え「西(西北西)」の風は、朝鮮半島上空850hPa面のこと。
トレーシングペーパーで前線を描いて、850hPa面の天気図に重ねるとわかります。
朝鮮半島を拡大すると・・・
うん、私なら「西」の風と書きますね。
⑥の答え「345」K以上は、天気図の等相当温位線を数えればわかりますね。
等相当温位線は3Kごとです。↓
だから答えは「345K以上の〜」ですね!
⑦の答え、全雲量「6」は、全雲量の記号を知っていれば即答できます。
松江の雲量の記号は、10分量だと「7~8」ですが、8分量だと「6」です。
全雲量の記号は、こちらでまとめています。↓
⑧,⑨,⑩の答えは、次の3つ。順番はなんでも良いです。
・積雲
・高積雲
・巻雲
他の雲記号については、こちらでまとめています。↓
⑪の答え「雷電」です。
⑫の答え「晴れ」は、雲量と天気の表現からわかります。
雲量8分量だと、下↓のようになります。
・0~1:快晴
・2~6:晴れ
・7~8:曇り
⑬の答え「温度」が低い、は衛星画像の見方を知っていれば解けますね。
・赤外画像で真っ白→温度が低い→雲頂高度が高い
・可視画像で真っ白→厚みがある→発達した対流雲
⑭の答えは「凹凸」です。
凹凸、ありますよね? 対流雲がボコボコ成長した感じです。
問1(2)補助等圧線を記入せよ!
【問題文】
(2)図1において、A(松江),B,Cの3つの地点の海面気圧はいずれも1010.0hPaである。
18日9時の気圧分布の特徴がわかりやすくなるように、下表に示す地点または船舶の海面気圧値に留意し、A,B,Cの3地点を通る1010hPaの補助等圧線1本を解答図に破線で記入せよ。
ただし補助等圧線の始点と終点は、いずれも解答図の枠線上にあるものとする。なお、解答図では、A〜Hの各地点については海面気圧値(0.1hPa単位)の下3桁を表示している。
手順としては
1.与えられた気圧を、天気図に記入していく。
2.等圧線の間にある「1010hPaの場所」を当てはめていく。(点を描くと多と思う。)
3.自分が描いた点をつなげていく。
で、できたのがこれ↓
うん、ガタガタだ。
ここからもっと滑らかに線を描き直せばOKになりますよ。
で、地上天気図に描かれている等圧線については、あらかじめ覚えておきましょう。
・実線:4hPaごと
・太実線:20hPaごと
・点線:2hPaごと
問1(3)強風軸を記入せよ!
【問題文】
(3)図4に基づき、図3を参考にして、18日9時の300hPa面の東経140°より西における主要な強風軸1本を、流れの向きを示す矢印付きの実線で解答図に記入せよ。なお、記入する実線の始点と終点はいずれも解答図の枠線上にあるものとする。
図4の300hPa天気図に基づき、図3の気象衛星画像の水蒸気画像を参考に、強風軸を探します。
図4の強風軸がありそうなところを50ノット以上の矢羽で拾うと、強風軸はだいたいこの辺りよねってのが見えてきます。↓
問題文によると「衛生画像を参考に」ってことですが、この位置が写っているのは水蒸気画像だけなんで、水蒸気画像を参考にします。
水蒸気画像を見ると、ジェット気流に関連するバウンダリー(明域と暗域の境界)がありますね。
バウンダリーと300hPa天気図を重ねると・・・
もうガタガタの線ですみません!
でも強風軸が見えてきましたよね。
ここから、300hPaの等高度線も加味して滑らかに線を描くと、だいたい模範解答のようになります。
この続きをみるには
記事を購入
100円
気軽にクリエイターの支援と、記事のオススメができます!