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実技2【過去問私的解説&ヒント】第53回気象予報士試験

※全文を公開している「投げ銭」スタイルのnoteです。

ここでは、令和2年1月の「第53回気象予報士試験の実技2」を、独学で実技試験を突破した私・晴野(はれの)だったらこう解くよ!という過去問解説をお伝えします。

令和2年1月の第53回気象予報士試験の実技2の問題と解答を持っている人向けの内容です。

もし第53回気象予報士試験の学科一般の問題と解答を持っていなければ、まずこちらでダウンロードしてください。

↓ ↓ ↓

気象予報士試験・問題と解答のダウンロード


模範解答に関しては「気象予報士試験・問題と解答のダウンロード」で手に入りますから、手元において、この記事をご覧ください。

このnoteは出版社が出してる「過去問解説」ではなく、晴野(はれの)的過去問解説…要するに「個人的な模範解答にたどり着くまでの情報」を共有していきます。

※気象業務センターには問題の使用など確認済みです。


問1(1)日本付近の気象概況について 

問題によると

・③と⑤は16方位で答える。
・⑥は図2の等値線の値を答える。
・⑧,⑨,⑩は10種雲形で答える。
・④,⑧,⑨,⑩は漢字で答える。

ってことなんで、頭に入れて問題を読みます。


①の答えは「1006」hPa。
佐渡付近の低気圧の中心気圧は、デベソマークの近くに書かれています。

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②の答えは「10」ノット。

天気図に書いてありますね。

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③の答え「南東」へ進んでいる。

これも天気図に書いてありますね。

画像3



④の答え「停滞」前線。

これも天気図のまんま。

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⑤の答え「西(西北西)」の風は、朝鮮半島上空850hPa面のこと。

トレーシングペーパーで前線を描いて、850hPa面の天気図に重ねるとわかります。

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朝鮮半島を拡大すると・・・

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うん、私なら「西」の風と書きますね。



⑥の答え「345」K以上は、天気図の等相当温位線を数えればわかりますね。

等相当温位線は3Kごとです。↓

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だから答えは「345K以上の〜」ですね!



⑦の答え、全雲量「6」は、全雲量の記号を知っていれば即答できます。

スクリーンショット 2020-07-16 17.42.00

松江の雲量の記号は、10分量だと「7~8」ですが、8分量だと「6」です。

全雲量の記号は、こちらでまとめています。↓

▶︎全雲量の記号(10分量・8分量)



⑧,⑨,⑩の答えは、次の3つ。順番はなんでも良いです。

・積雲
・高積雲
・巻雲

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他の雲記号については、こちらでまとめています。↓

▶︎雲の記号



⑪の答え「雷電」です。

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⑫の答え「晴れ」は、雲量と天気の表現からわかります。

雲量8分量だと、下↓のようになります。

・0~1:快晴
・2~6:晴れ
・7~8:曇り



⑬の答え「温度」が低い、は衛星画像の見方を知っていれば解けますね。

・赤外画像で真っ白→温度が低い→雲頂高度が高い
・可視画像で真っ白→厚みがある→発達した対流雲



⑭の答えは「凹凸」です。

凹凸、ありますよね? 対流雲がボコボコ成長した感じです。

画像13



問1(2)補助等圧線を記入せよ!

手順としては

1.与えられた気圧を、天気図に記入していく。
2.等圧線の間にある「1010hPaの場所」を当てはめていく。(点を描くと多と思う。)
3.自分が描いた点をつなげていく。

で、できたのがこれ↓

画像15

うん、ガタガタだ。

ここからもっと滑らかに線を描き直せばOKになりますよ。

で、地上天気図に描かれている等圧線については、あらかじめ覚えておきましょう。

・実線:4hPaごと
・太実線:20hPaごと
・点線:2hPaごと



問1(3)強風軸を記入せよ!

図4の300hPa天気図に基づき、図3の気象衛星画像の水蒸気画像を参考に、強風軸を探します。

図4の強風軸がありそうなところを50ノット以上の矢羽で拾うと、強風軸はだいたいこの辺りよねってのが見えてきます。↓

スクリーンショット 2020-07-17 12.27.51

問題文によると「衛生画像を参考に」ってことですが、この位置が写っているのは水蒸気画像だけなんで、水蒸気画像を参考にします。

水蒸気画像を見ると、ジェット気流に関連するバウンダリー(明域と暗域の境界)がありますね。

バウンダリーと300hPa天気図を重ねると・・・

スクリーンショット 2020-07-17 12.27.51

もうガタガタの線ですみません!

でも強風軸が見えてきましたよね。

ここから、300hPaの等高度線も加味して滑らかに線を描くと、だいたい模範解答のようになります。


問1(4)水蒸気画像を見て答える問題

水蒸気画像に見られる「バウンダリー」についての問題です。


①の答え「暗域Pは300hPa面の強風軸のすぐ東側を南北にのびている。」について。

模範解答のそのまんまです!

Pの部分は、強風軸が北から南に走っているので、「暗域は強風軸のすぐ東」という表現になってます。

もし強風軸が西から東に走っていたら、「暗域は強風軸のすぐ北」ということになります。



②の答え「暗域 Q は 500hPa 面の細長い正渦度域のすぐ北側を西北西から東南東にのびている。」は、天気図と重ねて見るとよくわかりますね。

これが水蒸気画像↓

衛星

こっちが500hPaの天気図↓

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暗域の南側に正渦度が伸びてます。

・ 500hPa 面の細長い正渦度域のすぐ北側にあること。
・西北西から東南東にのびていること。

が書ければOKですね。


問1(5)水蒸気画像の暗域との位置関係

可視画像で見える

・佐渡付近から福島にかけての積乱雲域
・黄海の積乱雲域

と、水蒸気画像の暗域の位置関係を説明する問題です。

可視画像と水蒸気画像で見ると・・・↓

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佐渡から福島にかけてと、黄海の方も、どちらも水蒸気画像の暗域と一致します。

なので、模範解答のように「どちらの雲域も暗域に接している。」のように答えられればOK。


問2(1)SSIを求めよ!

ショワルター安定指数(SSI)を求める問題です。

知っていれば簡単なので、サービス問題かな?


ショワルター安定指数(SSI)の求め方は

1. 850hPaの気温から、乾燥断熱線を上に伸ばす。
2. 850hPaの露点温度から、等飽和混合比線を上に伸ばす。
3. 1と2の交わる点が「持ち上げ凝結高度」。
4. 持ち上げ凝結高度から湿潤断熱線に沿って、500hPaまで線を引く。(T850)
5. 500hPaの気温(T500)から、4で求めた気温(T850)を引く。

これだけ。

で、私がやってみたのがこれ。↓

画像21

SSIを整数で答えるってことなので、T850は-7℃、T500は-9℃くらいでしょう。

引き算すると

-9-(-7)=-2

SSIは「−2」ですね。



問2(2)持ち上げ凝結高度,自由対流高度,平衡高度

 18 日 9 時の館野における地上の空気塊の持ち上げ

・凝結高度
・自由対流高度
・平衡高度 (浮力がなくなる高度)を

10hPa 刻みの気圧値で答えよ。

という問題です。

答えは

・持ち上げ凝結高度:940 hPa 
・自由対流高度:770(760) hPa
・平衡高度: 220(230) hPa

持ち上げ凝結高度は、エマグラムからすぐにわかります。

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自由対流高度は、持ち上げ凝結高度から湿潤断熱線に沿って上昇させた空気と周囲の空気の気温グラフが交差するところですね。

私は770 hPaかなって思いました。

画像22


平衡高度は、自由対流高度から湿潤断熱線に沿って上昇させた空気の気温と、周囲の空気の気温が一致する高度のことですね。

220~230hPa。

模範解答と同じくらいになるはず。↓

スクリーンショット 2020-07-18 10.29.30



問2(3)持ち上げ凝結高度,自由対流高度,平衡高度の変 化および対流雲の成⻑について

答えは全てエマグラムでわかりますね。

①持ち上げ凝結高度は「高く」なり
②自由対流高度は「低く」なり
③平衡高度は「高く」なり
④対流は「起きやすく」なり
⑤雲底高度は「高く」なり
⑥雲頂高度は「高く」なる。

まず持ち上げ凝結高度(雲底)です。↓

スクリーンショット 2020-07-18 11.23.29

持ち上げ凝結高度から湿潤断熱線の沿って上昇すると・・・

スクリーンショット 2020-07-18 11.23.29

緑の右側のラインが日中の空気です。

9時の空気より低い高度で周囲の気温と同じになって→自由対流高度は「低く」なる。

そのまま湿潤断熱線の沿って上昇〜

再び周囲の気温と同じ気温になるのは、200hPaより上・・・つまり9時の気温より「高く」なります。=雲頂高度

スクリーンショット 2020-07-18 11.43.24



問3(1)佐渡付近の低気圧について

①の答え「正渦度極大値:129×10^-6/s」は、図5を見ればそのまんま書いてあるので答えられますよね。

トラフとの位置関係は、「真上」ですね。

スクリーンショット 2020-07-18 12.07.29


②21時の正渦度の極大値は

・緯度37度
・統計143度

です。

スクリーンショット 2020-07-18 12.19.28

9時から21時までの正渦度の極大域が移動したのは、模範解答だと22ノット。

12時間で進んだ距離が、「600海里×0.44」なので

600海里×0.44×1/12=22ノット。

東経140度線を通過するのは6時間後より早いですから、5時間後ということで「9時+5時間=14時」ですね。

スクリーンショット 2020-07-18 12.24.04

③図1にある佐渡付近の低気圧は、10ノットで南東に進んでいるから12時間後関東の東に移動してるのはオカシイよ!と問題文は言ってます。

9時にあった低気圧が21時にどうなったか、天気図を比べてみましょう。

スクリーンショット 2020-07-18 13.50.56

問題では「等圧線の値」と「低気圧の発生状況」に言及して答えるように書いてあります。

・等圧線の値→1008hPa
・低気圧の発生状況→1008hPa等圧線に囲まれた部分が南東に広がって、関東に東側に低気圧の中心が発生しつつある。

ということがわかっていればOK。

1008hPaで囲まれた領域が、アメーバのように南東に広がってるように見えますね。
で、低気圧の核が代替わりしているような印象です。

スクリーンショット 2020-07-18 13.50.56

模範解答は、「1008hPaの等圧線で囲まれた領域が低気圧中心の南東側に広がり、関東の沿岸付近に新たな低気圧が発生しかけている。」でした。



問3(2)衛生画像(水蒸気画像)の暗域について

図3の水蒸気画像の暗域ってここですね。↓

スクリーンショット 2020-07-18 14.51.38

この暗域は、図5(9時)だとここ↓

スクリーンショット 2020-07-18 14.51.382

21時(12時間後)の天気図と比べると・・・↓

スクリーンショット 2020-07-18 14.51.3823

①九州の方で「南下」してますね!→だから答えは「ウ」!!!

②①の根拠は・・・「暗域Qの南側にある細長く伸びた正渦度の北辺が九州付近南下しているから。」ですね!



問4(1)降水エコーについて

アメダスとレーダーエコー、地形を考慮しながら考えます。

①13時のエコーXは

・風の場
・地形

のどんな場に現れているのか。風向に言及しながら答えます。

風の場→北東の風の場

スクリーンショット 2020-07-18 15.16.42

地形→山の東向きの斜面

スクリーンショット 2020-07-18 15.16.422

だから答えは、「北東の風が山地にぶつかって上昇する場所。」ですね。


②降水域Yがどんな風の場になってるかを答えます。

13時はこれ↓

スクリーンショット 2020-07-18 15.38.04

北東の風と南南西の風で収束してますね。

14時にみられる降水を作ったのは、この収束なんでしょうね。

だから答えは「北東の風と南寄りの風が収束する場所。」



問4(2)海老名の気象経過について

図10を見たまま答えていくサービス問題ですね。

①②海老名では、朝から「北または北東」の風。

③日最高気温を記録したのは、「12時50分」

④最高気温は「35℃」

⑤10分間降水量の最大値は「11.5mm」

⑥13時30分の気温は32℃で、14時の気温は22℃なので、「10℃」降下した。


問4(3)海老名の気温急変について!

(2)で答えた気温の急変の要因を答えます。

13時から14時にかけて、海老名では急に発達した降水エコーが観測されています。

前線でもなく、風の収束で雨雲が発達したことも、ここまでの資料でわかっています。

ということは、急に積乱雲が発達したと考えられるので

答えは「発達した積乱雲からの冷気が降りてきたため」

模範解答は「発達した積乱雲からの冷気外出流のため。」でした。



これで第53回気象予報士試験の実技2の晴野(はれの)的解説を終わります!

お疲れ様でしたー!!!!!


第54回試験の【実技1】の解き方・解説はこちら

第53回試験の【実技1】の解き方・解説はこちら

第53回試験の【学科】一般知識&専門知識の解き方・解説はこちら

第52回試験の【実技1】の解き方・解説はこちら

また第52回や、次の試験の解説もやってみるので、あなたの勉強の参考になると嬉しいです。(о´∀`о)


またこのnoteは、私一人で書いており、誰かの監修は受けておりません。
「ここオカシイよ!」というところがありましたら、遠慮なくメッセージをいただけると嬉しいです。m(*_ _)m

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実技2【過去問私的解説&ヒント】第53回気象予報士試験

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気象予報士の「はれの」です。 現在兼業主婦。 子育てしながら、ほぼ独学で気象予報士試験に合格。 現在ブログ(https://harenote.com/)にて、試験勉強にオススメのテキスト・問題集などを経験談も交えて紹介しています。(о´∀`о)

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