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心の中のヤンキー


私は4人兄妹



一つ上に兄がいて、私は2番目である



私は幼い頃、
「一人っ子が良かった」なんて思っていた



下には2人の妹がいて、
両親は妹2人にゾッコンだったからだ



ただ、兄妹の中で男は兄だけなので、
兄も可愛がられている



私は....?



私は、家族の中でも
“1番”と言ってもいいほど問題児だった



話を聞かない(というか聞けない)
集中力0
ただただやかましい
褒められたい
同じ失敗を繰り返す


特に手がかかったと言われた



こうやってみると、
そらそうやわな😅って納得できる



だから私は、
幼い頃から兄妹の中でも特に厳しく育てられた



食事の際の作法やお箸の持ち方や食べ方



食べ物の好き嫌いなんてもっての他
家の外に投げ出されたことだってある



とにかく厳しかった
おかげで好き嫌いはほとんど無くなったが(汗)



母の口癖は
「お姉ちゃんなんだから」だった



でもやっぱり寂しくなる時だってある




だって、たった1人のママとパパなんだから



もっと優しくしてくれたっていいじゃない



私だって、頑張ってるんだもん



私だってぎゅってして欲しいもん




7歳の頃、ほぼ毎日泣きながら寝た



「ママって私のこと嫌いなのかな?」




「パパも私のこと嫌い?」


なんて思いながら...。



年が変わり小学2年生(当時8歳)になった



ちょぴっと大人になった気分



でもそんなある日、私の兄が友達ととある公園で遊んでいた話を聞いた



その場所はいわゆる校区外


私の小学校は、校区外に子どもだけで行くことは禁止されていた



「怖い人がいるから行ってはいけない」

そう先生に教えられていた



兄は帰ってきてからこっぴどく叱られたのだが、かなりあっさりしていた。



そんな兄を見て、私はかっこいいと思った



うちの家はこんなにも厳しいのに、
怒られることなんて分かってるのに



堂々としている兄が誇らしく見えた



私はとにかく真面目だった



駄目と言われたら駄目。分かっていた



しかし、私は兄に憧れを持った


私は次の日、1人で自転車にのり
たった1人で校区外へ自転車を走らせた



ドキドキと胸を膨らませながら



怒られるかもしれないと、ビクビクしながら



自転車を走らせると、沢山の車が行き来していた




見たことのない坂道があったり



曲がり角があったり




お店があったりして、面白かった




でも、誰かに見つかるかもしれない




見つかったらどうしよう




ドキドキ...





だけど、なんだか嬉しかった




私の背中に羽がついたように
身体がとても軽く感じた



家に帰ると「遅かったね」と両親から一言


だけど怒られなかった



「バレてない....」
心の中でガッツポーズをした



生まれて初めて、自分から駄目だと分かっていながら悪いことをした日だった



幼い頃のたった1人の冒険



少しだけ、心に「不良」を育てる


「一度でいいから好きにやらせてくれ」って。




「正直」でいること



そしてあえて、
自由になってみることも大事だと学んだ





心をヤンキーにして。



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