【超短小説】年雄の最適な室温

この季節に最適な室温を求める年雄。

28℃くらいか。

28℃くらいで、扇風機を回すくらいか。

いや、時間にもよる。

暑くても、寒くてもダメ。

最適な室温。

贅沢な話だ。

植物を育てているわけじゃない。

年雄だ。

人間だ。

エアコンあるだけでいいじゃない。

本当にそう。

でも一度覚えた便利な事は、やめられない。

贅沢な話だ。

窓を開けて、風任せでいいじゃない。

本当は。

もう本当の事は不便になっている。

いつの間にか。

情けない話。

最適な室温?

何を言ってるんだ年雄!

季節に体を合わせろ!

それが正解だろ!

目を覚ませ!年雄!

・・・エアコンの電源を入れる。

24℃に設定。

寒くなったら消すのさ。

浜本年雄40歳。

コンビニの無い、田舎出身。

エアコンに振り回される。

そんなもんだ。

多分。

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