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【制作チームのトップが解説】心情に沿った体験作りのポイント3選! 経験談を踏まえてご紹介

今回は、ハレガケの制作チームマネージャー(村岡 涼)が考える、心情に沿った体験作りのポイントやこれから謎解き/体験を作りたい人に伝えたいことを、思いや経験談を交えながらお届けします!ぜひご覧ください。

■その場所の空間や良い所を意識した体験作り

同人時代に制作した「ダークサイドからの救出」では、マジック要素を取り入れたり、触覚で文字を当てたり、音を聞いて解くなど、五感を意識した体験を制作しました。

実際にスタッフと対決する演出を入れ、スモークマシンやレーザーを使って部屋を演出し、攻撃が成功したら体から火花が散るなど、 主人公体験を演出しました。その"部屋の中から聞こえる歓声はいまでも忘れられません"その後も、「ナゾガク」というイベントでは、部屋の中に部屋を作り壁が迫ってきて水に満たされていくという演出をしました。

ハレガケに入ってからも、東洋水産のQTTAを宣伝するイベントで、渋谷のセンター街の至る所にキャストを配置し、渋谷を駆け巡り食材を集める物語体験を制作しました。
最初は渋谷にQTTAを降らしたかったんですが、叶いませんでしたね(笑)
他にも、ゲームセンターの構造を理解すると解ける謎や、敷地の形状を利用した謎など、その場所の空間や良い所を意識した体験作りを心がけています。

リアル謎解きゲーム「究極のQTTAと大切なエール」

■心情に沿った体験作りで大事な3つのポイント

1,期待を超える体験、意外性のある謎解き。

謎は物語体験を構成する一つの重要な要素です。
私たちは謎解き専門の制作会社なので、面白い「謎」を作ることは当たり前を求められます。 その上で満足して帰ってもらうためには、その期待を超えなくてはなりません。

そのためには、他の体験を多く取り入れる必要があると考えています。
それが例え謎で起こる体験だとしても、平面だけだと単なる謎解きになってしまうので、「立体」や「空間(三次元)」へと視野を広げて、 その場所の形状等を利用した、意外性のある謎解きを作ることを意識して制作しています。

地域を周遊する謎解きの場合でも、初めて行く場所や普段人が立ち入れない場所を巡らせたいと考えます。 例えば、水族館なら普段人が入らない水槽の裏側に行けるようにしたいとか、ホテルのゲームコーナーのゲーム機を使用できるようにできないかとか、目にとまったものが使えるかなどを、このイベントが面白くなればと、無理を承知で担当者に現地調査の際、その場でいくつも質問させていただいてます。

このように地道に繰り返して、1つの体験型ゲームを作っています。

物語体験を考える場合は、どのような体験がその物語にマッチするかを考えます。
学園青春ものであれば、夜に家を抜け出す。好きな人に告白する。といったあるある体験です。 実際にやることができたら楽しい体験ではないでしょうか。 まずはよくある体験から始め、それから見たこともない体験になるように、視野を広げていきます。

2,参加者が感じる感情を意識する。

プラスの要素だけでなく、マイナスに思う要素も重要です。
面白い体験でも、スタッフの態度が悪かった時や、混雑してゲームができなかったなどのマイナス要素があると、その体験は残念なものになってしまいます。

そしてマイナスの要素は生み出すプラスの要素と違い、見つけることができれば比較的容易に改善することができます。面白いものを作ろうと意識しすぎて、プラスを生み出すことばかりに時間をかけてしまいがちですが、ここに時間をかけるのもかなり大事といえます。

制作するときやデバッグするときも、参加者が感じる感情をとても意識します。

制作中には、頭の中でシュミレーションを何度も繰り返し、1つ1つの問題で感情の浮き沈みを意識します。 テンションが上がりすぎると、疲れてしまうし、クライマックスより前に上げすぎてしまうと、いいクライマックスをむかえられなかったり、逆に下がりすぎるとやる気をなくしてしまいます。 その浮き沈みを考えて作ることがとても重要と考えています。

3,課題に寄り添った体験制作

クライアントにヒアリングをする時は、何を実現したいのか、何が課題なのかをヒアリングして、できるだけその課題を解決することを意識しています。

こちらの面白いものを作りたいという目的と、クライアントの課題を結びつけて考えるようにしています。ファミリーに来てほしい謎解きを作るとしても、商業施設のレストラン街で休憩してお金を落としてほしい、という課題を持っているかもしれません。

そんな課題が吸い出せたなら、 そのレストラン街で解く謎は時間のかかる謎解きを仕込み、店舗に入りやすい設計にしたりします。

公式LINEを導入したばかりのクライアントは、きっとフォロワーを増やしたいという課題があると思うので、公式LINEを経由してもらってから導入をはかるなど、課題に沿った体験づくりを心がけています。

■これから謎解きや体験を作りたい人へ

経験が浅いと、体験を作る際に 1 人で考え込んでしまいがちです。しかし 1 人では思考の幅に限界があると思っています。 考えはじめると、どツボにハマって抜け出せなくなる時もあります。そんな時はいろんな人を交えて、その場所で体験を作るにはどうすれば良いのかを考えてみましょう。

若い頃は、限られた時間の中で、どうしてもその案件を面白くしたいと思って、ひたすら考えました。一度提出したものですらずっと考え続け、何度もシミュレーションし感情グラフを意識しながら、プラスの要素が足りなければそこに要素を足していきました。

今では経験が増えたため、考える時間を減らせますが、それでももっと時間をかけたいと思っています。その案件とどれだけ向き合えるかが面白さが変わってくる要因だと思います。

向き合える時間が取れた体験は面白くなった経験があるのではないでしょうか。やる気のある体験だけを面白くするだけでなく、携わった全ての体験を面白くすることを意識し、常に参加者目線を意識して、謎や中身だけではなく他に変な所がないか、一つ上の視点で見ると良い体験が作れると思います。

■最後に

企業で制作をやっている以上、収容人数、予算、要望など様々な成約があるのも事実です。しかし、いい提案をすればそれを行うことができるとおもいます。

目的が話題づくりであれば、もしかしたら収容人数は二の次かもしれません。 与えられた条件で作るのではなく、あくまで目的に寄り添った体験づくりをこれからも心がけて伝えていきたいです。

■株式会社ハレガケについて

ハレガケはリアル謎解きゲームをメインにイベントの企画制作を専門とするイベント会社です。(創業:2013年)270以上の企画実績を持ち、周遊型謎解きや公演型謎解きをはじめARやVRを使った最新のプロモーション、懇親会や研修などの社内イベントまで幅広いコンテンツを提供しています。

ライター:村岡 涼(制作チームマネージャー)
編集者:榮 健伸(マーケティング)

新型コロナウイルスによるイベント自粛が広がる中、ハレガケでは社会にエンタメを提供したいと考え「新しいイベントの開催方法」などを模索しています、期待としてサポートをお願いします!