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なんで短歌の結社入ったか思い出してみたんだけど【23年10月追記】

最近「結社入会について」の話題をちょいちょいツイッターのタイムラインで観測していて、層的にも短歌連作サークル『あみもの』さんが終了するのもあるだろうなあと思っています。(私も大変お世話になりました)
実際に短歌を作っていると、活動の場の選択肢として「短歌結社」が挙げられると思います。「短歌結社」は、平たく言えば短歌を作っている人たちのグループで、規模は様々です。全国いたるところにあります。どんな結社があるかは、短歌の総合誌を見るとよくわかりますが、ウィキペディアにもざっくり載っています。

「結社入会」っていうとなんとなくガチなイメージがあったりするのかもしれないけど、ただなんていうか、結社に入って活動するのって結構人によって幅があるよなって感じ(モチベーションも生活パターンも違うわけだから、そりゃ異なると思うんだけど)。
私は結社に入会してもうすぐ5年目(5月で丸4年)の日の浅い人間で、かつそレほど結社の活動にコミットできてないタイプです。だから結社に入会したらいいよとか、逆に入会しないほうがいいとか、そういうことは特に思っていません。「入りたかったら入ったらいいよ」ぐらいです。そんな自分から見た結社との関わり方をちょっと振り返ろうかなと思います。あくまでも一個人の活動についての話をします。(長い前置き)


短歌結社に入会しようと思ったわけ

結社に入ろうと思ったのは、短歌を始めて2年目の終わりぐらいです。毎月のように参加していた超結社の歌会(超結社っていうのは所属結社関係なく参加できるってことです)に結社の人も結構いたので、入会へのハードルは低めでした。だから「そろそろ入るか〜」って感じだった。強いて言えば、「このまま自分の路線を突き詰めるより表現の幅を広げたいな」という気持ちがあって、そのためには、属性問わずいろんな人の歌をたくさん読むのが近道だろうと考えました。

「かりん」(歌林の会)に入会したわけ

どこに入会するかは少し悩みました。周りの方の所属結社で多かったのは「塔短歌会」と「未来短歌会」です。歌会の二次会などで結社誌も読ませてもらうこともあり、せっかくならいろんな結社誌が読めた方が面白いなと思って自分の選択肢から外しました。
当時名前を知ってた結社は「コスモス」「心の花」「かりん」「まひる野」「やまなみ」「短歌人」「りとむ」「玲瓏」「ポトナム」だったかな。「かばん」は(歌人集団で)選がないので外しました。
「やまなみ」を除くと上記の結社の方とはあまりつながりがなく、でもそこは長らくひとりで活動してきた自分にはあんまり気にならない点でした。月詠をちゃんと出すことを一番の目的にしており、関わりを持つことの優先順位は低めでした(そして今でも比較的低いです)。

それでこのころの不思議な話ですが、応募して二席をいただいた短歌コンクールの選者が「かりん」の方(「荒城の月短歌大会」の川野里子さん)だったり、この時期に聞いていた短歌ユニット「もつとやれ」のキャスの紹介でいいなと思った作品が「かりん」の方(大井学さん・遠藤由季さん)だったり、なんとなく「かりん」に縁付いていたので、「これは『かりん』だな!」と思ってこの時点で9割くらい入会を決めていました。

結社誌取り寄せ

入会前に一応結社誌を取り寄せました。結社は会員の作品や評などを掲載している結社誌を発行しています。発行ペースは結社によって異なるようです。
もし取り寄せて、やっぱり合わないと思ったらやめようと思いました。会にメールしたらすぐ返事をくださって、冊子が届きました。『かりん』を読んだのはこの時が初めて。改めてたくさん作品が載ってることにやっぱり圧倒されました。自分がこの中に載るイメージもあまりなかったです。読んでると生活の歌たくさんだなーという印象でした。自分は修辞(レトリック)に走った歌を好んでいたので、自分から進んで読まない歌もたくさん読めて、「表現の幅を広げる」目的には良さそうな気がしました。

でもやっぱりすぐには踏ん切りがつかず、2ヶ月後ぐらいに再度入会連絡をした覚えがあります。

結社に入ってみて

結社に入ってみての感想ですが、ちょっと書くの疲れてきたので箇条書きにします。

・基本的なサイクルは、月詠出す→届いた結社誌を読む→そろそろ月詠作らないかんな〜→やばいもう月詠締め切りや...できるかな→(必死)→月詠出す

・月詠の数や締め切り、掲載時期は結社によって異なる。あと選歌の仕方も異なる。

・結社誌まじでたくさん歌が載ってるから、なかなか読みきれない。自分が好きな人の作品や時評など、気になったものをかいつまんで読んでる。

・入会後は、まず「一首で意味がきちんと通る歌」を作ることを目標にした。口語体はいろいろ言われがちだったので、文語体も一年くらい挑戦したけど自分には韻律がしっくりこなくて、口語体で作ることを決めた。

・かりんには「若月集」(若手の会員の選抜掲載欄みたいなところ)があり、そこへの掲載を目指していたけど1年近く載らなくてずっと悔しかった。(入会してすぐ載る方もいるので、歴は関係ない)

・入会2年目は「若月集」に結構載せてもらったけど、3年目はほんと載らなくて(掲載数自己最低記録が出た)だいぶ拗ねてた。前号評や先月の一首紹介に載ってないか真剣に探した(載ってるとほっとした)。

・結社の新人賞は3年目から応募。かりんはちょっと変わった形式(結社誌掲載の月詠から30首を一作品にまとめる)だったので苦戦した。4年目で作った月詠で受賞を狙っていたら、自信のなかった3年目の月詠で賞をいただくことになりとてもびっくりした。

・コロナ以前の話だと「かりん」は東京がメインの場所になるので、九州からはあんまり参加できていなかった。全国大会でお会いして「〇〇さんだ〜」って感じ。

・コロナ以降「かりん」はSlackが活用されているので、以前よりは活動に参加してる感じ。(でもかなり少ないと思います。すみません)

・たまに結社から原稿依頼をいただいたりする。

・結社の支部もありますが、自分は活動ペースなどの関係で今のところ積極的に歌会に参加などはしていません。時々お手紙などをいただいたりする。(歌会に出たときは、「いつも結社誌で読んでるけどのつさんは歌がとても上手ねえ」と言われ、読んでもらってるんだ!と知ってめっちゃうれしかった)

そのほか思うことなど

・結社誌は作品発表の場だけど、月詠を送らないと掲載されない。
・結社誌上でしょっちゅう評がもらえるわけじゃない。
・でも自分の作品が注目されるかどうかは、続けてみないとわからない。
・歌が上達したかはよくわかりません。むしろ上手になることを目指さなくなった。
・生活の歌も作るようになったし、それが面白いと思えたことは意外だった。
・今は自分の表現をどう更新していくかとか、どうしたら表現に気持ちが込められるのかを考えています。
・自分の場合「読みの幅」が広がった。昔の自分だったらおそらく読んでなかったような歌集や歌書も手にするようになった。
・(地理的な距離の関係で)結社入会後も短歌の話をよくするのは、地元の短歌の友人たちや同人のメンバーたち。

思ったよりかなり長くなりました。ざっとこんな感じです。今後も毎月の月詠を作っていくぞ〜という気持ちであり目標です。自分のペースでやってけたらと思います。ということで終わります!

追記(2023.10月末)

この記事をアップしてからあっという間に2年半ちょっとが経ちました。今でもかなり多くの方に見ていただいているようで、少しでもお役に立てていれば幸いです。
実は生活の変化にともない、結社を退会することとなりました。6年半在籍し、何度か原稿依頼やコーナーを担当させていただいたこともあって、退会希望の旨を伝えた際はお気遣いのご連絡もいただいたのですが、現状をお話し退会の運びとなりました(なおやりとりはメールでさせていただきました)。
今後また復帰する時があれば、かりんに戻ってきたいなあと考えています。

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