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甲斐田晴の名配信「ぼくのなつやすみ2」について


まず初めに。

この記事を書いている私は言わずもがなVTuber甲斐田晴(以下:甲斐田)のファンである。彼の人柄や価値観に惹かれ、かれこれ2年程追っている。
そんなこんなだったので、今は自身の事情で配信を見るのを控えているが、つい最近までは毎配信をリアタイし感想や解釈を呟く日々を送っていた。

そうして日々を重ねていく中で特に印象に残った配信シリーズ、甲斐田晴の「ぼくのなつやすみ2」(通称ぼくなつ)について、今年の初夏の内に書き記しておこうと思う。


※この文章には筆者独自の感想・解釈・思い出が含まれます
※理路整然とした文章ではなく、思ったことを書き付けたメモだと思って読んでもらえたら幸いです。



〇そもそも「ぼくなつ」ってどんなゲーム?

「ぼくのなつやすみ2」はプレイヤーが「ぼくくん」という名の少年になって、様々な人に出会い、様々なものに触れ、様々な体験を通じて、30日間の夏休みを過ごしていくというゲームだ。

ゲームながらところどころに幼少時代を思い起こすようなリアルさとノスタルジックさがあって、何処か一抹の寂しさを憶えてしまうこともある。
私はまだ高校生だが、それでも小学生時代の夏休みを思い出してしまい涙ぐんでしまった。大人になると感じることはきっともっと増えるのだろう。不思議でとても凄まじいゲームだと思う。



〇甲斐田とぼくなつの相性について


まず、甲斐田がぼくなつをやる!と告知した時、私の感情は単純に「楽しみ!」だった。
ぼくなつというゲームの存在はふんわりと知っていたが、自分がプレイしたことはおろか、誰かの配信を通じて観たこともなかった為、立ち位置としては「完全初見」というやつだった。

ちょうどぼくなつの配信が始まった日が7月4日。夏の気配が忍び寄ってくるまだ涼しい初夏といったところか。さすがに去年の気温の記憶までは残っていないが、少なくとも私の記憶の中では甲斐田のぼくなつ配信は涼しい思い出だった。

「夏の思い出、作ろうよ」という文言で始まった甲斐田のぼくなつ配信。

タイトルからわかるように、まずもってこの甲斐田晴という男、リスナー共に夏の思い出を作ろうと呼びかけている。
甲斐田はリスナーも引き連れて、この夏を満喫しようという心持ちで居てくれていた。

大袈裟な褒め方だな!と感じるかもしれないが、私は甲斐田のこういうところがとっても好きだ。
コメント欄と会話してくれる所とか、リスナーと一緒にという意識をよく話しているところとか。


このぼくなつ配信が晴れ男・晴れ女間でも特に人気があるのは、この辛く厳しい現実を生きているリスナーの手を取って、一緒に懐かしい夏を駆け抜けてくれた甲斐田の優しさも起因していると私は思うのだ。

そして甲斐田の配信スタイルも全体的にこのゲームに合っていたように感じる。
これは私の印象なのだが、甲斐田はよくゲームの登場人物に感情移入していたり、或いは登場人物に向かって隣で語りかける役割をしているように感じる。
このぼくなつ配信では後者が割と見受けられた。
時にはぼくくんに忠言し、時にはぼくくんの横で色々アドバイスし、時にはぼくくんの行動(自分で操作しているものの)を褒めたり。

ぼくなつはまだ年齢の小さいぼくくんの目を通して、様々な感情の掛け合いが起こる。
それは親子の問題であったり、恋の悩みであったり、逢いたい人に逢いたいという思慕であったり。たまに背伸びしないと見えないものもあり、ぼくくんの年齢では理解できないようなものも存在する。

甲斐田のいい所は、ぼくくんに隣で語りかける役割をしながらも、それらの事象は大切に心の中にしまって噛み締めていた所のように、私は思う。
あくまでも大人の視点を通じた子供として、ぼくくんの隣で全力で夏を楽しんでいた。

甲斐田の優しさだとか価値観だとかそういうものにたくさん触れられる配信だった、だからこそ名配信だったなぁ、と強く思う。


〇印象に残っているシーン(微ネタバレ注意)

12回に分けられて行われた甲斐田のぼくなつ配信。
子供たちの隣で本気になって虫相撲をしている瞬間だとか、海に潜って必死にびんの蓋を集めているときだとか、色んな人に語りかけている時だとか、配信を通じての全ての瞬間が輝かしがったと思ってはいるが、この中から幾つか印象に残ったシーンを紹介したい。
割とゲームの内容に触れるので、「初見で見たい!」という方がいれば、この項目は飛ばしてください!

・おじいちゃんと女の子

私が配信を通じて一番好きなシーンと言っても過言では無いのは、ある日から島のおじいちゃんが営んでいる医院の病室にある日からいる不思議な女の子とおじいちゃんが邂逅したシーンだ。

ここで甲斐田はふたりが出逢って話をしているところを目撃してから会話が終わるまで、ほとんど喋らずにいた。

そのシーンを目撃した瞬間をよく見ると息を飲む音と明らかに見開かれている目。その後は穏やかな表情で黙り込んでいた。
画面越しに見ている身としても、本当に印象的な瞬間だったと思う

彼は配信者だ。だから何かのリアクションをとることは不自然なことではないし、むしろ自然な行為のように思える。
だけれどもそれをしなかった、むしろ自然とそうなった甲斐田を、わたしは凄いと思った。

・靖子ちゃんに語りかけた言葉

ぼくくんの面倒をよく見てくれる靖子お姉ちゃん。靖子お姉ちゃんは夜にジムノペディ1番を流しながらゆるやかな時を過ごしている。

そんな面倒見のいいお姉ちゃんがふと疑問を零すシーンがある。

「(昔好きだった小説に対して)なんだか少しだけ色褪せて感じるんだよね」
「私、少しだけ大人になったのかな。でもこれって嬉しい事なのかなぁ…?」

甲斐田はその問いを聞いて、「ああ…」と声を漏らししばらく堪えたような素振りを見せたあと、「それはとっても悲しいことなんだよ、それは」とハッキリと言い切るのだ。

靖子ちゃんはちょうど中学生。大人と子供の狭間。ちょうど変化の最中にいる時期である。
そんな靖子ちゃんに、大人である甲斐田が「悲しいことだ」とはっきり言い切ったところがとても印象的。

・サイモンとの相性

宿に泊まっているカメラマン、サイモン。
サイモンは抽象的だったり、哲学的な話だったりをよくする。ぼくくんにも、下手したら大人にもその話の本質的理解は難しいであろう。
彼との会話の後はどこか感覚的な感情が残ることが多い印象だ。

甲斐田はサイモンの話を気に入っていた様に感じる。興味津々に聞き、それぞれの話に自身の意見や感覚を述べていた。

ここの掛け合いがとても素敵。
この会話を聞いていた時、端末から響き渡る夜の虫の音をBGMに、とてもノスタルジックな時間を過ごせたと思う。
普段考えないようなこと、昔は考えていたようなことに思考をゆっくりと巡らせられる時間というのは貴重であり尊いことである。


〇夏の匂いと甲斐田晴と


常に登場人物に寄り添い、多くのものに触れている感受性豊かな甲斐田とぼくのなつやすみ2というゲームは最高の同調を繰り広げていると思う。

去年の夏の夜、マグカップに麦茶を入れて、涼しい格好をし、飾った風鈴の音を聴きながら甲斐田のぼくなつ配信を見ている瞬間がたまらなく幸せだったと間違いなく言える。

上記で紹介した場面以外にも甲斐田のぼくなつにはたくさんの見所がある。思わず涙が出てしまう場面、昔を思い返してしまう場面、甲斐田の言動にクスリと笑ってしまう場面、切なさを感じてしまう場面。

日常の辛いことや苦しいことに加え、酷暑が続く今年の夏。

この夏、是非甲斐田晴の「ぼくのなつやすみ2」を見たり、また見返してみてはいかがだろうか?
きっと各々の夏がちょっぴり素敵なものになると、私は思う。


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