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『ニードフル・シングス』        (Needful Things)

スティーブン・キング読み返したり、観返したり。

1991年 発表。
1993年 映画化。


メイン州の田舎町キャッスルロック。
ある日、骨董屋「ニードフル・シングス」が開店する。
町の住人は
引き寄せられる様に
店に足を踏み入れる。
店主ーリーランド・ゴーントは笑顔で出迎えた。

店内には 訪れた住人が強く思い入れる品物(ニードフル・シングス)が。
「1つ頼みを聞いてくれたら、この品を貴方に差し上げましょう」
一人また一人。
町の住人たちは、リーランド・ゴーントとの取引に応じていく。

そして その取引は
キャッスル・ロックの町を破滅へと導いていく。


「スタンド・バイ・ミー」でも登場したキャッスルロックの町。
あの町の その後が舞台となった作品。
「スタンド・バイ・ミー」で
不良グループのリーダーだったメリル。
立派な中年となった姿が作中の町でみることが出来る。



1999年に放送されたTVミニシリーズ
スティーブン・キングの悪魔の嵐(Stephen King's Storm of the Century)
とも共通した部分がある。
そして 悪魔の嵐は「呪われた町」「呪われた村」の根幹に繋がり。
「ミスト」とも縁遠からず。


1989年ー
メイン州の沖にあるリトル・トール島に大嵐が来た。
島に住む老婆マーサの家を訪ねてくる何者か。
「欲ある者よ土に還れ、
 罪ある者よ来るがいい。」
訪ねてきた者は 言い放つ。
マーサは撲殺される。
保安官のは、殺人現場へと向かい、
そこにはリノージュと名乗る男。
人とは思えぬ気配と姿。
逮捕、投獄する。
リノージュは人智を超えた力で天候を操り、
次々と島の住人を死へと誘う。

「望む物を差し出せば、嵐と共に島から去る」
嵐と共に訪れたリノージュは そう言った。



両作品に共通している話として

表向きは平穏な町(島)の生活
住人同士は穏やかな関係
町を訪れた超自然な存在は
 住人達のなにもかもを知っている



嵐を引き連れて島に来たリノージュ。
骨董屋を開いたリーランド・ゴーント。
どちらもお願い事自体は簡単なもので、
水面下の住人同士の
小さなわだかまりを表面化させていく。
実際、物語の中で怖いのは
そこに住む住人たちー人間だ。
これは単なるキッカケに過ぎない。



リーランド・ゴーントは
人間の時間の流れを超越し、
未来の出来事を昨日の事のように話してくれる。
店は夜間営業なのだが、
頼み事は「小さなイタズラ」
これをみていると、リーランド・ゴーントは
「ナイトゴーント」なのだろう。

リノージュは白い肌と闇の様なローブ姿で
立派な牙が生えていた。

スティーブン・キングの世界観的地図をみると
島はキャッスルロックから遠くなく。

「呪われた村」「呪われた町」のジェルサレムズ・ロットは
後にキャッスルロックとなる。

「呪われた村」「呪われた町」に「招かれた」吸血鬼は
異形の神(邪神)を信仰し司祭の役割を担っていた。

「ナイトゴーント」は異形の神の眷属であり、
その主は「イタズラ」好きだった。

「ミスト」の霧は、異形の神(邪神)とその眷属の世界から
眷属と共に こちらの世界から やってきた。


スティーブン・キングは作中で特に言及しない。
この異形の神たちと その眷属が何なのか、
読者は「気配」を感じ取るだけだ。


「お願いをきいてもらう」
ハンターハンターのナニカを思い出すのだが
「暗黒大陸」と災厄は
まるで異形の神(邪神)の世界のようだ。
ヒソカは「ナイトゴーントの主」と
色々な点で よく似ている。

















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