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酒谷の湯

以前の記事で、出雲湯村温泉の野湯は
入るのを諦めたことを書きましたが
島根でもう一つ入ってみたい野湯があり
それが酒谷の湯(さけだにのゆ)。
ちなみに私は野湯って入ったことありません。

酒谷の湯、誰が作ったのか分かりませんが
林?森?の中にある天然の温泉らしくて
一応、誰でも無料で自由に入れるそうなのです。

私は車で行ったのですが
もちろんナビで検索しても出てこないので
「酒谷集会所(光会館)」を登録して
そこを目指しました。

酒谷集会所(光会館)
酒谷集会所の前の道。
山奥というわけではないですがなんとも長閑な田舎道

酒谷集会所からてくてく歩くと
ほんの数分で看板が出てきます。

看板があるくらいなので一応観光地?なのか...?

こ...これがかの噂の...!と嬉しさ半分
ドキドキ半分。
もし誰か既に入浴してたらお互い気まずいなぁ
でも歩いてる人も自分くらいしかいないし
誰もいないよねぇ...
と色々考えながら看板に従い
山道のような下り坂を降りて行きます。

久しぶりの人間の侵入に興味津々なのか
色んな小さい虫がまとわりついてきます

山道のようなと言っても急勾配ではないですし
なんとなく歩けるようになっています。
すぐ横には畑と車道。
川の流れる音と
たまに車が走る音が聞こえます。

するとものの数分で...

ばーん!

現れました!酒谷の湯!
ネットで見たまんまで嬉しくなります。
そして誰もいない!(ここ重要)

木製の、手作り感のある浴槽に
チョロチョロと絶え間なく
温泉が注がれています。

いったいどこから来た温泉なのか
温泉は濁った色をしていて浴槽の底は見えません
オーバーフローした温泉は自然にできたような溝を通って
下にある川の方へ流れていくようになっています

さあ、たどり着いたのはいいが
入るか入らないかやっぱり悩みます。
屋外で裸になるのは
誰もいないので構わないのですが
とにかく温泉の衛生面が気になります...
温泉が濁ってて浴槽の底が見えないし
何が沈んでいるか分からない。
もし浴槽の底に蛇が潜んでいたら...
もしびっくりするくらい底が深かったら...
色々考えが頭をよぎります。

でも!せっかくここまで来たんだ!
ええいままよ!

肩まで浸かるか迷っているところ(笑)
何かが水面に浮かんでいます...

ということで、衣服を脱ぎ捨て入りました!
あ、浴槽の周りは
湿りっ気のある土と落ち葉だらけなので
脱いだ服をどこにどう置くか
すっごく迷います。
どう気をつけても泥がつきます。

入る前に手で温度を確認していたのですが
ネットで言われている通り
これは本当に冷たい!
足を浸けると余計に冷たく感じます。
この日は車の温度計で34度くらいあったのですが
それでも冷たくて気持ちいいレベルではなく
苦行みたいな冷たさでした。
入ったはいいが、今度は肩まで浸かるかどうか
全裸の状態で数分悩みました。
(誰にも見られたくない状況)

いや、でもこれも経験だ!と思い
冷たすぎて心臓止まりそうと思いながら...

改めて見ると肩まで浸かってないな(笑)

ゆーっくり体を下ろしていきます。
スタンプの下ではひどい表情をしています。
本当にこのスタンプのような。
水は冷たいし、足裏で踏む
落ち葉の感触が気持ち悪くて気持ち悪くて。
多分、浴槽の底には
たくさん落ち葉が溜まっているようです。
ってか落ち葉だったらいいんですけど。
虫とかの死骸の可能性もありますもんね。

本当に足裏の不快感がたまらなく
温泉がどうだったか
匂いがどうだったかとか忘れてしまいました。
とにかく冷たい!
夏場でも冷たいので冬はまず無理でしょうね。

浴槽からの眺め。
分かりにくいですが下の方を川が流れていて
景色はなかなかよいです。
見上げると鬱蒼とした木々。
橋から丸見えですが通る人も車も皆無でした

そんなこんなで、ものの数分で上がり
土の上でバランスを取りながら
服を着るのに難儀したあと
早々に車に戻りました。
(結局バランスを崩し靴下とスニーカーは
案の定泥だらけになりました)

私は冷たい水が苦手で
銭湯に行っても水風呂は入らないのですが
お好きな人からしたら
私が言うほど苦にはならないと思います。
ただ冬は本当に厳しいと思います。
あとサンダルで行けばよかったなあと
泥だらけになったスニーカーを見ながら
思いました。

でもこれも貴重な体験。
山道のような道を歩いていき
急に浴槽が現れるのは
なかなかワクワクしましたよ!
私のXに酒谷の湯までの道のりを
動画にしてアップしていますので
よければご覧ください。

はじめての野湯を体験し
なんとなく経験値が上がったような気分で
意気揚々と次の温泉に向かう筆者なのでした。

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