マガジンのカバー画像

連載小説『廃坑』

3
都会の生活に疲れた主人公は、癒しを求めて気分転換で田舎に向かう。気付かぬうちに謎の廃坑に迷い込んだ。そこに待ち受けていたのは、現実から切り離された空間だった。この場所の真相を知…
運営しているクリエイター

#隠し部屋

連載小説『廃坑』 #3

連載小説『廃坑』 #3


⬜︎前回の物語は下のリンクから

⬜︎#3 開かれた部屋

4.

本棚の横の壁が開いた。
 新しい部屋に繋がった。
 大して驚かなかった。そうなるとわかっていたような気がした。この場所ならこんなことだってある。
 7畳ほどの書斎。
 灯りをつける。わずかに眩しい。
 電子時計は、12月11日13:17と表記。
 あ、間違ってる。ちょうど、4ヶ月ズレてる。たぶん時間はあってる。
 ここに誰かがい

もっとみる