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パラノマサイト初見書き殴り感想


街〜運命の交差点〜っぽいゲームと言われてるのを見かけて、爆速でsteamでポチった。
ホラー要素そんなに多くないという口コミも後押しになった。
買ってよかったと思える良いゲームだった。

クリアまでに要した時間…8時間くらい
トロコンまでに要した時間…10時間

ストーリー

事前情報でホラー要素薄めって聞いてたけど、確かにホラー要素薄かったね。
オカルトミステリー群像劇って感じ。
ホラー苦手なのでその辺ありがたかった。

終始物語に牽引力があるというか、飽きずに8時間ぶっ通しでプレイできた。
情報の出し方とかストーリーのインパクトとかも絶妙。中だるみがない。

中盤以降のザッピング群像劇が本作の中核だろうけど、序盤の興家くんの呪殺バトルロイヤル編も好きだった。
後の群像劇の布石になりつつも、純粋にそこだけやっても楽しいからつくりが上手い。

とりあえず目についた人全員殺すプレイングをしてたから、街~運命の交差点~のイメージで、絶対後々他の主人公ルートで大変なことになるって気がかりだったけど、他の主人公のストーリーは興家くん公園死亡ルートだから問題ないのもよくできてる。

興家くんと葉子さんは絶対後々活きてくるって期待してたら、それに応えてくれて最高。
プレイヤーの期待に応えてくれるゲームはいいゲーム。

要素の回収の仕方が綺麗で、理不尽さを感じさせないのに意外性も大きくて、とにかくまとまってる。

本所七不思議の怨みの記憶が全部つながってるのエモ~~~確かに単体では読み解きづらい話だったけど、ああもつながってることに気づいた瞬間の感動。
ところどころ呪主とリンクしてるし、題材の扱い方が抜群に良かった。

葉子ちゃん側の話ももっと見たかったな。
インパクト出すには現状の形がベストだろうけど。

ADVには必ずしもメタ要素は入れなくてもいいと思ってるものの、睛曼周りの収束のさせ方面白かった。

きっと葉子ちゃんにも、興家くん等におけるプレイヤーみたいな存在がいたんだろうな~。
そう思うとちょっと不憫だけど、興家くんがプレイヤーの操作なしでもナチュラルボーン呪殺者であるのと同じように、葉子ちゃんも蘆乃関係なく大抵ろくでもないんだろうな。

葉子ちゃんの悪役ムーブ、本編ではあまり見られなかったけど、救いようのないナチュラル外道であればあるほど萌える。

ヒハク製薬が結局ミスリード的立ち位置なの好き。
ゲームに出てくる製薬会社はみんなろくでもないって風潮を逆手に取ってる。

結局興家くんが序盤で振り返って弓岡さんに呪殺されたのなんだったの?って思って見返したら、これ呪殺の演出じゃないな。
普通に後頭部殴られたか何かで死んだのか…。
呪殺の演出見慣れてない初見では、この辺もヒハク製薬を怪しませる要素として機能してるんだろうな~。

呪詛珠強さランキング(個人の感想)

根島が強キャラオーラ出してたから、片葉の芦相当チートなのかと思ってたけど、条件きつくてびっくりした。
デスノートのルナティックモードじゃん。
確かに大量虐殺には向いてるけど、呪主同士の戦いでは絶望的。
なんだったら、群衆の中で馬鹿囃子流すとかの方が下準備少なく大量虐殺できそうだし…。

葉子ちゃんが置いてけ堀選んだのも理解できるくらい、置いてけ堀の条件緩い。
私だったら落葉なき椎選ぶけど。
特に呪主同士だったら無類の強さの印象だし、プレイしてても嘘チェッカーがあると楽しい。


1位
足洗い屋敷
理由:紛れもなく強いんだろうけど、睛曼の精神との相性が悪すぎてね…。最強を決める舞台設定にもよるけど、ガチで呪主バトルロイヤルやるなら後塵を拝するはず。

2位
送り提灯
理由:呪主トップメタ。呪主バトルロイヤル方式だったら最強じゃない?
足洗い屋敷と送り提灯の関係性は、蘆乃と睛曼の関係を表してるって考察を見て感動した。

3位
落葉なき椎
理由:嘘発見器だと思ってるのでこの位置。対個人・呪主戦では相当の強さを誇る。だけど相手が対話無視して殺しにかかってくるときつい。
まぁこのゲーム、興家くん以外の主人公はわりと対話してくれるからね…。

4位
置いてけ堀
理由:チュートリアル呪詛珠とは思えないくらい強い。いやチュートリアルだから強いのか…? あと作中での興家くんのキル数が順位上げてる。

5位
片葉の芦
理由:大量虐殺向きだけど対呪主としては弱い。

6位
津軽の太鼓
理由:落葉なき椎の下位互換じゃない?

7位
送り拍子木
理由:条件が厳しい。相手に火つけてもOKだからまだ狙い所はあるけど、それもう呪殺じゃなくていいじゃん…。消えずの行灯とコンボ性がある。

8位
馬鹿囃子
理由:30秒はきつい。現代だったら電子機器悪用してもっと色々悪いことできそう。足洗い屋敷でいいけど…。

9位
消えずの行灯
理由:暗闇を用意するのも自分で引きずり込まないのもきつい。現代だったらスマホで即終了。

キャラクター

一番の推しキャラは志岐間春恵さん。
興家くん視点で出てきたときから、美人すぎて衝撃を受けた。
なんとか色々会話をしたくて、何度も燃やされた。

終盤まで虎視眈々と滓魂集める機会を狙ってるのも好き。
息子さんに起きた顛末が悲しすぎて…。

謎の女子大生にいきなり火つけても仕方ないっていうか、そっちの方が納得する。
リヒタの言葉に胸打たれたんだろうけどね。

興家くんがさくさく呪殺していくから何も感じてなかったけど、普通こんなに重い動機でもなきゃ蘇りを望まないし、みんなもっと殺しを躊躇うよね。

人を殺すテンポの良さがインパクト強くて、興家くんも好き。
序盤は「葉子ちゃんのために人を殺すぞ!」と意気込んでて、プレイヤーからすると「あんまり付き合い長くなさそうなのにそこまで振り切れるのか…」と、呪影の効果を知りつつも困惑してたけど、ラストに至っては葉子ちゃん殺して特に葛藤もなさそうだったの草生えた。
いくら黒幕相手とはいえ、人を殺したいだけでは?
土御門の血ですかね…。

サブキャラで好きだったのは、ミヲちゃん。
パラノマサイトで結婚したいキャラランキング1位。
かわいくて頼もしくて最強。

基本的に犯人はヤスだと思ってるので、襟尾くんのこともヤスポジじゃないかと疑ってたけど、結構序盤で人物リストに「呪影なし」と書かれて安心した。

人物リストの「呪影」欄結構なヒントだったな〜あれで興家くんと葉子ちゃんにはまだ何かあるって感じたし。

灯野あやめ、間違いなくやばいキャラなのに妙なリアリティもあってキャラ造形がすごい。
親のこと嫌ってるのに、親に大学の金出してもらうのを当然だと思ってるところとかね…。

津詰さん、娘に一切頭が上がらなくて微笑ましいと同時に泣けた。
死を厭わずに実の娘だって言い切るところとかね…。
トゥルーエンドだと、あやめはそんな津詰さんの姿を知ることはないんだろうと思うと、それだけは少し残念だけど、いずれ時間をかけて分かり合っていくんだろうな。

白石さんかわいそうすぎない?
家ではイカれた男に殺人の手伝いさせられて、学校では悪徳教師に脅されてって…。
トゥルーエンドでも、白石さん自体は救われないし…。
白石さんのセーブデータは上書きできない…。

並垣くんが話してる間、ほぼずっと落葉なき椎が反応してたの、口先だけの男っていう演出?
最強格の呪詛珠を持ちつつもいまいちふるわない感じが、良いキャラしてる。

ゲームシステム

最近ADVは昔のゲームかインディーズゲーばかりやってたから、全体的にクオリティ高すぎて感嘆した。

UI行き届いてて不便さを感じさせないし、ただ立ち絵を表示させるだけの従来のADVと違ってパノラマ視点を活用したダイナミックな見せ方で飽きなかった。

画面の色収差演出がちょっと目にきつかったけど、設定で消せたし。

なめどりが出てくるところ、チャプター開始地点なのがほとんどなのも、配慮なんだろうな。
テンポがいいつくりだから、スキップ機能がないこともあまり気にならなかった。

この作品伏線が丁寧っていうか、フェア。
謎を解く段階で、必要な情報は充分すぎるくらい揃ってる。
おかげで謎解きはそんなに苦労しなかった。白石ちゃんの居場所とか、めちゃくちゃ丁寧に仄めかしてたし。

メモ取りながら進めてたけど、資料やキャラ一覧が行き届いててあんまりいらなかった。
呪主と呪影の対応とか条件とかは理解の助けになったけど。

全クリしたらプレイヤーへのご褒美として、キャラ一覧の興家くんや葉子ちゃんの呪影欄埋めてほしかったかもしれない。

情報を出し惜しみしたりやたら煩雑にして推理の難易度を上げるんじゃなくて、ちゃんとプレイヤーに解かせる後押しをしてる感じが好感持てる。
節々で案内人が出題してくるところもミステリーゲーやってていいね。

詰まったのは、大捕物がどうやっても出なくて、しばらくしらみつぶししてたときくらい。
各話のクリア条件に、他キャラのルートが関わってたりするから、純粋に見逃しがあるのか、他ルート進めれば行けるのか分かりづらかったのはちょっと難点かも。
特に中断できる探索系の話が連続した箇所は進め方を見失った。

あとこのゲーム、イラストが特に良い。
リアル調でありつつもほどよく今風の絵柄で絶妙な塩梅。
ADVって立ち絵眺める時間がゲームのほとんどを占めるから、絵柄が好みに合うかどうかは大事。
寡聞にして、小林元さんを初めて知ったけど、今後グラフィッカー買いしそうなぐらいファンになった。

並垣専用オプションのボイス音量設定好き。
ずっとオフにしてても支障なさそうだけど実績埋めたいし、オフにした後はオンに戻してた。
このゲーム、今後ボイスがつくことはないんだろうな。各登場人物の声を聞いてみたい気持ちはあるものの。

おわりに

手放しで絶賛できる素晴らしいゲームだった。
ADVにおけるストーリーとユーザビリティの重要性を再認識した。
再プレイで張り巡らされたギミックを色々発見できそうなので、二周目も近日中にやりたい。

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