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褒めたら伸びるのか②

褒めたら伸びるのか①で紹介した「ピグマリオン効果」とは逆の効果「ゴーレム効果」についてもローゼンタールは提唱しています。

「ゴーレム」とは作った人の言うことを聞く人形のことだそうです。

コトバンク(2021年5月6日検索)
https://kotobank.jp/word/%E3%82%B4%E3%83%BC%E3%83%AC%E3%83%A0-1167546

前回のnote、ピグマリオン効果の実験では褒められた方のチームが良い成績を残しました。プラスの成果が出た、ということになります。
褒められなかったチームは、基準値(ゼロ)であった、と言えます。
先述の実験では行っていませんが、褒めるどころか貶す(けなす)と、成績は下がる、というのが「ゴーレム効果」です。

ゴーレム効果には2つの種類があります。

絶対的ゴーレム効果
否定的な評価をされると、本人の成績が下がってしまうこと。
相対的ゴーレム効果
優秀な従業員でも評価の低い集団に所属すると、自分の業績を下げてしまうこと。
リカレント「ゴーレム効果」
https://www.recurrent.jp/glossaries/golem-effect(2021年5月6日検索)

絶対的ゴーレム効果(否定的な評価をされると本人の成績が下がる)は、
ビジネスの例で言うと、営業成績が振るわないAさんに対して上司の営業課長のBさんが
「前職の成果を見込んで採用したのに全然ダメじゃないか」と声掛けをしたり、「今月は目標達成したんだな、それでも達成率は一番低いけどな」と
ネガティブな言葉をかけ続けられたとします。

Aさんは、だんだんと自信を無くし、本当の力が発揮できなくなります。

相対的ゴーレム効果(優秀な従業員でも評価の低い集団に所属すると、自分の業績を下げてしまう)は、80年代のマンガやドラマでよくあった、不良仲間とつるんでいると自分も不良になるというシチュエーションを思い浮かべると分かりやすいかもしれません。
ビジネスにおいてはドラマ「ショムニ」でしょうか。

実際、似たような話はよくあります。
ミッションはきちんと与えられていますが、社内では「お荷物」と見られている部署。そこに花形部署から異動となれば、やる気がでなくなる。
自暴自棄になり、家庭や会社に迷惑をかけてしまったという例も聞きます。

無意識のうちに周囲の「(ダメなやつだろうという)期待」に応えてしまっているのですね。「ゴーレム」とは作った人の言うことを聞く人形のこと。
ゴーレムのように相手の思うままになっているというのは恐ろしいですね。

ネガティブな声掛けをしている上司は、ゴーレム効果を意図していないことがほとんどではないでしょうか。
上司は発破をかけているつもりが、どんどん部下や後輩を追い込んでいく。部下や後輩の成績が下がる、もっと追い込む、退職という流れです。
相対的ゴーレム効果の場合は意図して行われている場合も多いでしょうが、いずれにしてもゴーレム効果を使ってマネジメントを行うことは非常に不健康であり認容しづらいことです。

これはどこかで断ち切らないといけません。
パワハラ防止法による企業の対策義務を果たすことで、和らぐと良いですが、時間がかかることだと思います。

まずは、ネガティブな評価をされている本人が、自覚すること。
「このままネガティブな評価を受け続けたら、本当にダメになる」と気づいて異動を試みる、聞き流す術を身に付ける、上司の上司など話の分かる人に相談する、パワハラ相談窓口に駆け込む、ダメになる前に辞めるなど対策を打つことが自分を守る意味でも重要です。

ピグマリオン効果・ゴーレム効果は1960年代の理論です。
それから様々な検証や実験も行われています。
日本のマネジメントも根性論だけではなく、理論をもっと取り入れたものにすれば、ムダな我慢をせず、成長へのムダな時間を割かずより良い組織になると私は思います。

というわけで、貶す(けなす)のはもってのほか、
褒めないよりも褒めて伸ばしましょう!


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