見出し画像

パワハラを受けたのですが労災になりますか

人事、労務を担当している方にとってはあまり聞きたくない
言葉ですね…。

結論を言ってしまうと、基準に当てはまれば、
パワハラは労災の対象になります

下記は長いですが、是非お読みください。

2020年6月のパワハラ防止法施行の前に、こちらも改正がありました。
厚生労働省「精神障害の労災認定基準の改正について」
https://www.mhlw.go.jp/content/11601000/000635283.pdf

「労災」といえば業務中に重い荷物を運んで腰を痛めたり、
作業中に転倒して骨折したりという身体的なものを想像すると思います。

精神障害も、業務による心理的負荷によるもので認定基準を
満たせば「業務上の疾病(労災の対象)」となります。
その基準を示した「心理的負荷表」というものがあります。

業務上の心理的負荷を
弱・中・強 の3段階で評価します。

業務上の疾病として取り扱われるのは1~3を満たしているときです。

1.対象疾病(気分障害など)を発症している
2.発症の6か月前に業務による強い心理的負荷が認められる
 →特別な出来事(=強) or  特別な出来事以外は個別に検証し3段階のうち
 「強」と評価されるもの
3.2 以外の要因で 1 が発症したと認められないこと
   →家庭の不和で気分障害になった、などは当てはまらない

特別な出来事(=強)というのは

・生死にかかわる、極度の苦痛を伴う、又は永久労働不能となる後遺障害を 
 残す業務上の病気やケガをした(業務上の傷病により6か月を超え療養中
  に症状が急変し極度の苦痛を伴った場合を含む)
・業務に関連し他人を死亡させ、又は生死に関わる重大なケガを負わせた
 (故意によるものを除く)
・強姦や、本人の意思を抑圧して行われたわいせつ行為などのセクシュアル
  ハラスメントを受けた
・その他、上記に準ずる程度の心理的負荷が極度と認められるもの

です。どれも心理的にかなりキツい内容です。

 これらに当てはまらない「特別な出来事以外」は、
従来、下記6つの類型がありました。

1.事故や災害の体験
2.仕事の失敗、過重な責任の発生等
3.仕事の量・質
4.役割・地位の変化等
5.対人関係
6.セクシャルハラスメント

今回の改正で、上記に「パワーハラスメント」が加わりました
これまでは「対人関係」の類型の項目でパワハラについては検討されて
いましたが、1つの類型として独立しました。
「上司等から、身体的攻撃、精神的攻撃等のパワーハラスメントを受けた」を「具体的出来事」に追加し、
「強」と評価される例も明示されました。
・上司等から、治療を要する程度の暴行等の身体的攻撃を受けた場合
・上司等から、暴行等の身体的攻撃を執拗に受けた場合
・上司等による、人格や人間性を否定するような、業務上明らかに必要性が
  ない精神的攻撃が執拗に行われた場合
・心理的負荷としては「中」程度の精神的攻撃等を受け、会社に相談しても
  適切な対応がなく、改善されなかった場合

このように心理的負荷表をより明確化、具体化することで、請求の容易化・審査の迅速化を図る目的です。



諸外国比べると、日本のハラスメント意識は数十年遅れていると
言われています。
Yahoo!ニュース「セクハラ通報窓口にセクハラ体質の男性を置くメディアと霞ヶ関は、世界から40年遅れている」(2018/6/19)
https://news.yahoo.co.jp/byline/shirakawatoko/20180619-00086545/


今回のパワハラ防止法の施行にともない、様々な基準が見直されています。
これまで大切にしてきた価値観に建設的批判をするタイミングなのかも
しれません。


+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+

■公式HP
https://harassment-rma.jp/
■認定制度:ハラスメント対策企業認定(WHITE
sign)
https://whitesign.harassment-rma.jp/
■研修:パワーハラスメントリスク管理講座
https://course.harassment-rma.jp/
■ハラスメント相談窓口サービス
https://counseling.harassment-rma.jp/
■就業規則改訂
https://regulations.harassment-rma.jp/

★やってみて:職場のストレス対応力テスト

【facebook】※フォローお待ちしています
https://www.facebook.com/harassment.rma
【Twitter】※フォローお待ちしています
https://twitter.com/harassment_rma

職場におけるハラスメント対策を促進するために使わせていただきます。 サポートをお願いします。