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長期収載品の選定療養に関する処方箋の見方

本日は先日お話しました、長期収載品の選定療養に関して院外処方箋の様式等のポイントをお話させていただきます。現行、院外処方箋には後発医薬品に対して変更不可欄があります。今回の改定に伴い変更がいくつかありますので、チェックしていきましょう。
 
変更箇所は以下の部分となります。

左側の変更不可欄に「医療上必要」の旨が追記され、その右隣に「患者希望」欄が追加されました。これらの変更点により、処方欄右上にある文言も変更になっています。
したがって、今後は
 
・「変更不可」欄に「レ」又は「×」を記載する場合・・・保険給付の対象
・「患者希望」欄に「レ」又は「×」を記載する場合・・・選定療養の対象
 
となります。

また、処方医は選定療養に係る処方を行うにあたり、患者に対して「後発医薬品が選択可能」「長期収載品希望の場合は選定療養として料金が発生する」等、十分な説明を行う必要があります。また、医療上の必要性の観点から後発医薬品を使用することに差し支えがないと判断し、長期収載品について患者の希望がない場合は一般名処方を行うことが望ましい。とされています。
 

◇院外処方箋の記載について

《先発医薬品を処方する場合》 
・医療上の必要性があるため、後発医薬品に変更することに差し支えがあると判断した場合は「変更不可(医療上必要)」欄に「レ」又は「×」を医薬品ごとに記載する。
かつ「保険医署名」欄に署名または記名・押印する。
・患者の希望を踏まえて、長期収載品を銘柄処方する場合には「患者希望」欄に「レ」又は「×」を医薬品ごとに記載する。
 
《一般名処方する場合》
・一般名処方の場合は「変更不可(医療上必要)」欄及び「患者希望」欄のいずれにも、「レ」又は「×」を記載しない。
 
※一般名処方の処方箋を保険薬局に持参した患者が長期収載品を希望した場合は、選定療養の対象となる。
 
《従前の処方箋を使用する場合》
本改定により、処方箋様式が変更されることとなりましたが、当分の場合は経過措置が設けられ手書き等による修正でも可能です。その場合は次のような対応となります
 
・医療上の必要性があり後発医薬品不可の場合・・・従前の処方箋にある「変更不可」欄に「レ」又は「×」を医薬品ごとに記載し、「医療上必要」と記載。「保険医署名」欄に署名または記名・押印する。
・患者希望で長期収載品を銘柄処方する場合・・・処方薬の近くに「患者希望」と記載する。医薬品ごとに、保険薬局へ明確に伝わるようにする。
 
以上が、院外処方箋における取り決めになります。
また、銘柄処方された長期収載品であって、「変更不可」欄に「レ」又は「×」が記載されておらず、また、「患者希望」の記載がない長期収載品の取り扱いについては、保険薬局において長期収載品を調剤した場合に選定療養の対象となるか否か判断する。と記載されていますのでお気を付けください。

◇その他の注意点 

《レセプト記載要項》 
 長期収載品について、医療上の必要性があるため「変更不可」欄に「レ」又は「×」を記載して処方箋を交付する場合は理由について、今後、別表Ⅰに示す項目を参照して記載すること。とありますのでレセプト電算処理システム用コード及びレセプト表示文言は追って示される予定となっています。また院内処方についても同様とされています。
 
なお、院内処方におけるレセプトには当該医薬品名の後に(選)を記載し、選定療養に係る額を除いた薬価による点数を記載することとなります。これは注射も同様です。
 
〔記載例〕
●●●錠(選) 1錠
○○○錠 1錠 17×5
 
 
《領収書について》 
患者から長期収載品の処方等又は調剤に係る特別の料金の費用徴収を行った保険医療機関または保険薬局は、患者に対し保険外併用療養費の一部負担に係る徴収額と特別の料金に相当する自費負担に係る徴収額を明確に区分した当該費用徴収に係る領収書を交付する。

 
以上が長期収載品の選定療養に係る処方を行う際の注意点となります。
先日の記事でお伝えしたとおり、院内掲示も必要になります。またウェブサイトがある場合は、ウェブサイトへの掲載も必要になりますのでご注意ください。



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