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育児におけるケアレスミス。だけど起こしちゃいけないミスもある。

まずこちらの記事を読んで欲しい。とても痛ましい事件だと思うし、男の子の冥福を祈りたい。読んでいて本当に辛い。

責任問題として保育園側の過失も問われている。
最後の砦として電話確認があってもいいかもしれないが、送迎で受け渡しまでは保護者の責任だと私は思っているし、2才の時車で送迎していた時もそう思っていた。

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私は当時車で片道1時間かかる職場に勤めていて、その途中にある企業型の保育園の一般枠でなんとか入所できた。一番家から近い保育園に転園出来たのは身体を壊してからだった。今は自転車で送迎している。

2才代の時は常に睡眠不足、慣れない通勤路に仕事でくたくたになり、迎えに行く。そして家に帰って食事を作るためにスーパーに寄らなければならない、夕方の買い物中くらいは車内に置いておいてもいいかな…と魔がさしたこともある。

もしも、チャイルドロックをしている後ろのドアが開かないと分かり、前に乗り出してきて鍵を開けて前ドアから出てしまったら…?薄暗い駐車場に2才児がひょこひょこ歩いていて気づかれず轢かれてしまったら…?そう思うと置いていくことは出来なかった。注意一瞬、後悔一生という言葉が何度も頭をよぎった。危険回避は想像力だと思う。

苦肉の策として、保育園に間に合う時間までに買い物を最速で済ませて、外から見えないトランクに買い物袋を押し込んだ。この頃、夫は育児に協力的ではなく、育児と仕事、家事を担っていた。精神的にかなり追い詰められていた時期でもある。
あと、保育園によっては買い物に寄ってからの迎えは禁止されていることもある。

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そしてこの時期の子どもは頻繁に病気をする。
信じられないくらい風邪をひくし、下痢をするし、車の中でスプラッシュマウンテンの如く嘔吐されたこともある。
あまりにぐったりしているので路肩に停めて救急車を呼ぼうか真剣に考えたが、しばらくすると笑ったのでとりあえず自宅に帰った。そして2日後に夫と私に感染しノロわれた年末年始を送った。

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当時の車内環境は後部座席にチャイルドシートを設置していた。
2才になりたての頃座っているが、顔色が気になるのでバックミラーに補助的につける子どもミラーを付けていた。寝てるなとか外見ているなとかただただ気になるのが親の性ではないのでは。

あといつも気になるのが、保育園に寄るのを忘れて、職場に出勤したとして車を停める時、「バックするときに後ろを見ないのか?」ということだ。バックモニターを付けているが、私は後ろを必ず目視するし、平行になっているかは運転席のドアを開けて調整する。運転があまり上手な方ではから余計に慎重になる。もしくは、前向き駐車で、助手席に置いてある荷物を急いで持って出ない程急がなければいけないのか。

警察官だった父がいつもバック時はキョロキョロしていたし、平行調整はドアを開けながら車を停めていた。
父は現役時代運転がとても苦手で雑巾訓練でガチ泣きしたと酔った時に言っていた。雑巾訓練とは教官が指定する車輪で雑巾を轢くのだ。もちろん前向き運転だけではなくバック走行でもパトカーは手足のように動かさなければならない。緊急走行でサイレンを鳴らして車の間を縫うように高速で走行するにはそれくらいの正確さが求められる。

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あと必ず指差し確認をしていた。
それは私にも兄にもうつった。
サイドブレーキよし!ライトよし!エンジン切った!ロックヨシ!!と言ってもう一度確認する。ちょっと強迫神経症気味なくらいでちょうどいい。家の鍵も閉めたヨシ!と言っている。

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さて2才の頃に話を戻そう。
2才児はイヤイヤ期と呼ばれる。すべてのことを拒否する。食事もおもちゃも親もアンパンマンでさえ拒否することがある。この頃の記憶はおぼろげだ。常に否定してくる我が子に対して腹も立つ。子どもの脳の発達過程だと理解していても感情が追い付かないのだ。

一緒に出掛けても一目散に走り出す。そこがたとえ赤信号の交差点だとしても。手を繋ぐのも嫌がるのでいつもフード付きの服を着せていた。何かあったらフードをつかむのだ。夏場は抱っこをした。
命を守るためのリードを購入しようかと思ったが、批判的な意見があまりに多いため、世間の目を気にしてやめてしまった。

公園の草むらで遊んでいると思ったらいつの間にか道路に飛び出して行こうとする。2才児はとにかくすぐに死にに行く。それを理解出来ないのが2才児だ。もちろん個人差はある。
私の息子は危険を察知する能力が低かった。その分、親や保育者がかなり気をつけてくれていた。とても感謝している。

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丸椅子に上り、絨毯の上に頭を打ち付けたことがある。
運悪く、木の車が落ちてあった。それが原因となり、擦って後頭部から大出血をした。
あろうことか私はその時ソファーでスマホをいじりながら横目で見ていたのだ。火が付いたように大声で泣く息子を抱き、すぐにタオルで押さえたが血が止まらなかった。

スマホで救急車を呼んで病院で診てもらった。大丈夫だった。
だけどあの時程、後悔したことはない。
目を話してしまったこと、登れる位置に椅子を置いたこと、床を玩具で散らかしたこと。2才児の育児に休憩は取れないことを知った。
帰宅して丸椅子は手の届かない場所へ移動し、玩具はひとつ遊ぶ事に片付けた。少しでも危険だと思うものは排除した。

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そしてとにかく小児科に通った。常連だった。保育園で熱が出たら必ず受診し、診断書を貰わなければ通園出来なかったのだ。このルールにも苦しめられた。

小児科の床に寝そべる我が子を抱き上げることもせずボーっとソファーに座っていたことがある。何度ソファーに座るように言っても床にべったりだった。

限界の親は疲れていると大声が出る。
汚いからやめなさい!!!と大声で怒鳴りほぼ無意識で小児科の壁を殴っていた。
看護師がスッ飛んできて息子を抱き上げてくれて、順番まで育児のどんなことが大変かを聞いてくれた。「もう全部が嫌です」力なく言った。
それでも、多くの人に支えられて魔の2才児を乗り越えた。

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我が家の場合は、実家も義実家の祖父母はほとんど育児にはノータッチだ。
特に姑には嫌な思いしかさせられていない。正直、今でも恨んでいる。
形式上の謝罪は受け入れたが、今でも心の奥底では怒りが燻っている。
きっと介護が必要になったとして私は消極的だと思う。

今回の事件は、不幸になる人ばかりだ。
育児におけるケアレスミスはおこる。小さなものから大きなものまで。
でも命に関わることは絶対に起こしてはいけないと思う。

夏の車内の取り残し。毎年のように起こる悲しい事故でもある。
大人が少し気を付けるだけで防げる事故だと思う。

子どもがいない人もいる人も、他人事と思わず、職場やスーパーの駐車場で、もしも車の中に子どもがいたら、迷わず会社や店員に報告して救出してあげて欲しい、命を守る行動をとってもらいたい。そう思う。


無印良品のポチ菓子で書く気力を養っています。 お気に入りはブールドネージュです。