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減数分裂とは。染色体異常とは。「卵子の質の低下」の更なる解説。

こんばんは。はらメディカルクリニック、院長の宮﨑です。

先日記載しました、卵子の質の低下 多くの方にお読みいただきありがとうございます。

「減数分裂」と「染色体異常」の部分がわかりにくいようなので今日はその部分について解説をします。

中3理科のおさらいです。

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細胞には「体細胞」と「生殖細胞」の2種類があります。そしてそれぞれの細胞が分裂する際の方法が、①体細胞分裂 と ②減数分裂 です。

この説明はインターネット上にたくさんありますが、たいてい「n」で説明しています。今回はnではなく染⾊体本数で説明してみます。(厳密には正しい説明ではありませんがわかりやすさを重視します)

ー体細胞ー
体細胞とは、体を構成する細胞のことです。ヒトの体細胞は、その核の中に22対(44本)の常染色体と、1対(2本)の性染色体、合計46本の染色体を持ちます。染色体とは体の設計図の役割を果たしている遺伝子を含んだ本のようなものです。この体細胞が分裂・増殖する際の分裂方法のことを①体細胞分裂といいます。①体細胞分裂では、46本の染色体が一度倍に複製され、それが新しい2つの細胞に分配されます。その結果、46本の染⾊体を持った1つの細胞から、46本の染⾊体をもった2つの細胞ができます。

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ー生殖細胞ー
一方、生殖細胞とは、遺伝情報を次世代に伝えるための細胞で、精子や卵子のことです。もし、精⼦と卵⼦が①体細胞分裂で分裂・増殖をし、受精してしまうと、合計92本の染色体をもつ異常な細胞となってしまいます。

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そこで生殖細胞(精子・卵子)が行う分裂方法が②減数分裂です。②減数分裂では、一回の染色体の複製の後、二回の細胞分裂・染色体の分配を行い、染⾊体本数が元の半分になるように分裂します。この二度の分裂の一回目を「第⼀減数分裂」、2回目を「第⼆減数分裂」といいます。
そして、この第一減数分裂の時に事件が起こりやすく、46本の染⾊体が23本ずつに分裂しない場合があります︕

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精⼦も⽼化はしますが、それでも74⽇前後で新しくできる若い細胞なので減数分裂の失敗は起こりにくいと考えられています。⼀⽅、卵⼦は⼀⽣分の卵⼦を持って⽣まれますので年齢分だけ⽼化が起こります。

そうすると

本来であれば、このように46本の染色体は仲良く23本ずつに減数分裂をしてほしいのですが、

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35歳以上になり卵子の細胞質が老化すると、仲良く半分ずつ分けることが難しくなります。

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このような卵子に精子が受精すると、46本ではない受精卵が誕生します。

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以上が、「減数分裂」と「染色体異常」の説明でした。


女性の年齢の上昇に伴い染色体異常が発生しやすくなることを以前から知っていた方もいると思いますが、初めて知った方は驚きのことと思います。

でも、これから先は、このことを理解した上で妊活や不妊治療を進めることができます。知らなければ決められなかった決断ができます。

人生の時間とお金、そして体験を何に繋げていくのか、その正解はご夫婦毎に違います。

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それでは、今日はこのへんで。おやすみなさい。

*記事内のイラストは、浅田レディースクリニック院長浅田義正先生の著書「卵の話」から引用させていただきました。とてもわかりやすい大人の絵本です。

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