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二葉乳児院

大変ご無沙汰しています。はらメディカルクリニック院長の宮﨑です。

当院の所在地は渋谷区千駄ヶ谷ですが、隣の信濃町には、二葉乳児院があります。いろいろな事情から家庭で暮らすことのできない0歳から就学前の子どもたちが生活しています。

二葉乳児院は、子どもたちの生活以外にも、色々な役割を担っています。地域の子育ての支援として、子育て情報発信や一時保育の事業があります。また、里親支援事業も行っています。東京都児童相談所4か所(児童相談センター・北・足立・江東)の他、江戸川区・荒川区・港区の児童相談所管内の里親家庭および養子縁組成立後家庭への相談支援などをされています。

里親制度と、特別養子縁組制度は、似ているようでその目的は全く違います。里親制度は、実親の養育が困難な【一時期だけ】実親に代わって養育するのが目的です。だから、子どもの苗字も実親のものを名乗ります。

2020年4月に法改正があり、特別養子縁組の対象が拡大されました。それまでは、特別養子縁組をする場合、子どもの年齢は6歳未満まででしたが、15歳未満まで引き上げられました。手続きも簡素化されました。実親の元で暮らせない子どもが、新しい安定した環境の中で、法的な親子関係を作れる機会が増えたことはとても喜ばしいです。

私達、生殖専門医は、不妊治療をする夫婦が妊娠できるように最善を尽くすことが仕事です。不妊治療の目的は夫婦の妊娠ですが、一方で、不妊治療の真のゴールは、夫婦が出産し子育てをしたもっと先にあります。ゴールまでの道のりは長いです。子育てをはじめてみたら、思った通りにはいかない夫婦もいるでしょう。

不妊治療は、4月から公的医療保険が適用されます。治療をする夫婦の経済的負担が軽減されます。でも、その先で、もし夫婦が子どもを育てられなかった時、その夫婦の苦悩や子どもの苦悩を今以上に社会が受け止められないと、不妊治療の保険適用は結局生きてきません。育てることが難しいという夫婦の声を聞いてくれる場所、支援してくれる場所が今以上に広がってほしいと思います。ニュースサイトで定期的に表示される「虐待」という文字。これをその親だけの問題として捉えていては、虐待は一向に減らないのだろうと思います。

この国に産まれた全ての子どもたちが、親や環境に関係なく、幸せな人生をおくれますように。チャンスをつかめますように。

この度は、当院から二葉乳児院の子供たちに、あきたこまちを寄贈しました。美味しいお米を食べて元気に育って欲しいと思います。私の父は毎年のようにパンパースを寄贈しており、私もそれに倣った次第です。これからも何か少しでも役に立つことを実行したいと思っています。

お米寄付の写真


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