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お花見ウィーク

2024/04/09

アラームをかけず6時半に自然に目が覚めた。
丁度良い気温で、枕のすぐ横の窓からはざーざーと雨の音が聞こえる。寝ている間に布団は剥いでしまったようで、ベッドの端にくしゃくしゃになっている。1枚だけ身体に乗っかっているシルクの掛物が、体温を吸って少し温かい。
思ったより雨は強そうだった。頭の隅で、桜が散ってしまいませんようにとお願いしながら二度寝をした。凄く凄く幸せな朝だった。

思い出で人は生きていける。と言うけれど、そういう時に思い出す幸せな記憶は、好きな人と過ごした時間とか、綺麗な景色とか、何かをやり遂げた時の情景なんだろう。
こうゆう雨の日の幸せも、同じように覚えていたいなと思う。

二度寝から目が覚めて8時半。ベッドから出るのが勿体ない気がして、そのまま本を読んだ。

今読んでいるのは、先日の三鷹の対談イベントで買った「雨は5分後に止んで」という短編集だ。
1本が大体数ページしか無いので、隙間時間に読むのがちょうどいい。タイトルも今日にぴったりだ。
そのうち3本程読んで朝ご飯を食べた。

最近はお気に入りの作家さんの本を読む事が多かったので、様々な分野の毛色の違う文章が読めて楽しい。

今日読んだ中では、特によなかくんの「季節違いにナイフ」という作品が好きだった。
主人公が誰かを「好きだ」と思う時の表現や、その他の感情の描写一つ一つがすっと心に入ってきて、脈を打つような温度感。共感や、感動でこちらの感情も揺さぶられるけど、文章の綺麗さと登場人物の素敵さからかずっと揺さぶられていたい気持ちになった。早速Xとnoteで検索し、フォローしてしまった。

夕方から新宿へ脱毛に行かなければ行けない為、洗濯や夕飯の支度を済ませる。

冷蔵庫にサーモンと大量のほうれん草、死にそうな人参がいた。雨で少し肌寒い日だったので、シチューにした。

久しぶりに新宿へ降りる。
1年前はよく酒を飲みに行っていたが、今の恋人と自宅近くで飲むことが多くなってからぱったりと行かなくなってしまった。
天気が悪いせいか、人混みは酷くは無かったけど「新宿ってこんな感じだったっけ…」と喧騒に負けてしまう。脱毛クリニックに辿り着く前に既に疲れていた。

脱毛のついでに、母と友人の誕生日プレゼントを買うというミッションがあった。
母が欲しいと言っていたいい感じのサラダボウルがなかなか見つからず、ハシゴする。
用事がすべて済んだら19時を過ぎていた。

帰りの電車に乗ろうと駅に向かう私を思い出横丁の提灯が呼んでいた。疲労感から、1杯飲んで帰りたい気持ちになる。普段より少し空いてるし、一人だ。人気のあのお店もするっと入れるだろう。
魔が差したが、ぐっとこらえて駅に向かった。
連日、寿司、焼き肉、ラーメン、カレーと不摂生の限りを尽くしているので、今日くらいは調整Dayにしないといけないのだ。
自宅近くの駅でいつもの呑み屋に寄りたい!という第二の誘惑にも打ち勝ち、コンビニでパスタサラダを買って帰った。

Doonaというかっこいいバンドを見つけてしまい、サブスクで配信されてる3曲をひたすら聴いていた1日だった。

2024/04/10

12時に実家の近くで同級生とその恋人と3人で桜を見る予定だ。
朝一でリハビリに行く。
外に出ると、思ったより桜が残ってそうで一安心した。風邪は少し冷たい。

おじいちゃんおばあちゃんは早起きだから、朝一は混むだろうと余裕を持ってスケジュールを立てていたら1時間前に実家の最寄り駅についてしまった。
お寿司のテイクアウトの予約時間まで時間があるのでカフェでだらだらしながらnoteを書いた。

予約時間になって出来上がったお寿司を持って、自宅近くの川沿いの桜へ向かう。
友人達はワインとシャンパンを持ってきてくれた。

「お花見じゃん!」
「お花見っすね〜!!!!」
「桜待ってるじゃん!!!」
「最高だ〜!!!!」

1杯目は私が持ち寄ったビールで乾杯だ。
わいわいと寿司をつまんで酒を飲んだ。
友人の恋人は「2人の邪魔じゃなかったら30分だけお邪魔しようかな」と言って参加してくれたのだが、すっかり楽しくなって結局5時間以上あれこれ話して、とっても楽しかった。

ひらひら桜が舞う中で大好きな友達とその好きな人が笑っている光景が本当に素敵で、凄く幸せな気持ちを貰ってしまった。

幸せな気持ちでいっぱいのまま帰れば良かったはずが、すっかり良い気分になり帰り道にわざわざ遠回りをしてコンビニへ行きソフトクリームを買ってしまった。実家でアイスをなめ、それだけでは飽き足らずチョコレートバーを食べ血糖値爆上げ気絶をした。夜中に起きたら砂糖の過剰摂取からか、胸焼けがした。

2024/04/11

高校時代からの友人と赤羽へ桜を見に行った。
お花見ウィークである。

大学時代から赤羽でよく酒を呑んでいたものの、荒川の桜はちゃんと見たことがなかったのだ。
湘南新宿ラインの車窓から見える芝桜の「KITAKU」も近くで見てみたかった。

昼過ぎに赤羽駅で集合する。
駅から河川敷までは少し歩く。その途中に、大好きな和菓子屋がある。

ここの和菓子屋はどれも大きくて、しっかりめの餅と甘すぎない餡子が美味しいのだ。
寄り道をして私は柏餅、友人はおはぎを買った。

長く付き合って別れた元カレと、呑んで大喧嘩をした際に「死ねーーーーー!!!」と号泣しながらここの塩大福を食べた思い出を話しながら荒川へと歩いた。

桜 柏餅 おはぎ

いつも橋の上から見る桜並木は綺麗なアートになっていた。桜の木の根本に座り、二人でカバンからおおきな和菓子を取り出して齧りついた。
河川敷に降りると、芝桜の鮮やかなピンクのせいで桜が白く見えた。
お散歩か遠足か。50人くらいの園児の行進が芝桜の間を歩く光景があまりに可愛くて二人で笑った。
こっちも可愛いよ、と友人が視線をやった先には、老人ホームの団体と思われるおじいちゃんおじいちゃんの団体が仲良く写真を撮っていた。
かわいすぎるコントラストだ。

友人が一眼レフで、私はフィルムカメラで写真を撮った。
河川敷の間にある小さな橋は綺麗な水色をしていて、桜のピンクと一緒に可愛い風景を作っていた。
川沿いを歩きながら、二人で「可愛いね、可愛いね
」と言いながら写真を撮りあった。

一通り桜を堪能したら15時をまわっていた。
さて、酒を呑みますか。
今日お目当ての立ち飲み屋はまだ空いていなかった為、1軒目はまるます屋に行くことにした。
早い時間だったので並び無しで入ることができた。
お勧めのボードに「茹でアスパラガス」があり、迷わず頼んだ。友人はまるます屋がはじめてだと言うので、白焼きや鯉の煮付け等の名物もしっかり食べた。鯉の土感はあまり気に入らなかったようだ。

2軒目はずっと気になっていた立ち飲み屋「ソルト」へ行った。隣りにいた母と同い年位の女性2人と仲良くなり、わいわいと酒を呑んだ。

カウンターに並ぶつまみはどれも手が込んでいて美味しかった。
お酒も回ってきたところで、友人が。

「炭水化物。パスタだ。パスタが食べたい。それも悪いヤツ。」

と言った。
なんて悪いことを言うんだ………。

そんなん食べるしかないじゃないか。
赤羽にも好きなパスタを出す店があったが、どうせなら本当に「悪い」パスタを食べよう。
と私の最寄り駅へ向かう。

普段行く立ち飲み屋のおまかせパスタが、それはそれは旨いのだ。旨味、塩味、脂質の揃ったそれはそれは悪いやつである。

いつもの店員さんに、悪い〆パスタを食べに来たと伝えた所、「悪いやつね、了解!」とそれはまた悪い笑顔でコンロへ向かっていった。すぐにニンニクとオリーブオイルのいい香りが漂ってくる。

出来上がったパスタはニンニクがたっぷり効いたオイル系で、麺の上にたっぷりの豚バラキャベツ、その上にニンニクソースが乗ったものだった。

「二郎系を意識したの〜!」

流石です、一生ついていきます…!
食べる前から、そのビジュアルにひれ伏してしまう。口に運ぶともう、二人で悶絶するしか無い旨さだった。

「男いなくてよかった〜〜!」
「明日顔パンッパンだわ」

そう言いながら食べる二郎系パスタが最高だった。

途中から常連の女の子2人とスナックのママが合流し、皆で楽しく呑んだ。
友人は明日仕事があった為、終電で帰ったが常連組と私は楽しくなってしまい結局閉店の3時まで呑んだ。
そのうち1人を自宅へお持ち帰りし、チューハイを飲みながら語り合っていたらいつの間にか朝日が昇ってきたので慌てて二人でベッドに入った。

綺麗な桜を見て、可愛い女の子たちに囲まれ旨い酒を呑む。なんとも幸せな1日だった。



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