印象的だった作品

永井愛、作・演出の舞台「書く女」をテレビで見る

樋口一葉の半生を描いている
中でも、最初は家族の大黒柱として自分の稼ぎのために
小説を選び、日がな一日図書館に通う
しかし図書館には女が一人もいないのでみんなからじろじろ見られる
小説を書いても思うように稼げずに、色町へ引っ越し
そこの女性と交流しながら必死に小説を書く
当時のまっとうに生きている女性が眉をひそめるような女性ばかりを描く一葉
女性が世の中で一番言いたいことをストレートに言うことの難しさを知る
幸田露伴や森鴎外に絶賛されるも、唯一、一葉を批判しようと皮肉しか言わない批評家と何度かやりとりをする

あなたは一番言いたいことをはっきり言わずににごす
どうとでもその人の想いたいようにとれるようなあいまいな表現で
逃げていながら実は鋭い刃をつきつけている
それを知らずに読んでいるものも多い
あなたはそれを馬鹿な男だと笑っているのだろう

生きるために必死で小説を書き続けながら身体を壊していく一葉
多くの小説が評判になってからはたくさんの男性から言い寄られるが
だれにもなびかず、一番最初の小説家の師匠に恋心を抱き続ける
しかし、その恋心すらも必死に小説に昇華させたことで
あるとき、消えてしまっていることに気づく

すごくおもしろかった・・・・
さすが永井愛なのだなあ・・・・

来年、永井愛の作品を演出することになり
3年前に書いた感想を覚書で出しておく

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