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スポーツツーリズムって何だろう?

はじめに
 これまでの日本では、スポーツと観光(ツーリズム)は極めて異質な概念として扱われてきました。学校体育や社会体育において、スポーツの重要性は認められていたものの、スポーツイベントやスポーツ施設が「観光資源」として扱われることはありませんでしたし、スポーツ観光という概念も育っていませんでした。日本でも、スキー、登山、海水浴、ハイキングなどの<人の移動と宿泊をともなう余暇活動>は昔からありましたが、それは国内の愛好家が参加する小さな余暇市場という認識であり、「スポーツツーリズム」というポジションを確立するには至りませんでした。
 しかしながら欧米では、ツーリズムの中で、スポーツツーリズムが極めて成長性が高い領域として注目を浴び、都市や地域のマーケティングに戦略的に活用されてきました。日本においても、スポーツへの参加やスポーツの観戦、そしてボランティアとしてのスポーツイベントの支援やスポーツ施設・ミュージアムの訪問等、スポーツにまつわる人の移動を、ツーリズムという視点から捉えなおしてみると、そこには都市や地域を活性化するスポーツツーリズムという巨大なマーケットが存在することがわかります。

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