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2024/05/21

アメリカにおける臨床心理士の法制度に関する概略

アメリカにおける臨床心理士の法制度は、1930年代から現代に至るまで多くの変遷を遂げてきました。1940年代から1950年代には、臨床心理学の専門性が確立され、心理士の資格認定が始まりました。この時期、臨床心理士の役割は主に軍事心理学の分野で重要視され、戦後には精神衛生の分野でもその需要が高まりました。

1960年代から1970年代には、臨床心理士の教育と訓練の標準化が進み、州ごとのライセンス制度が確立されました。この時期には、心理士が医療保険の適用を受けるための法的枠組みも整備されました。

1980年代から1990年代にかけては、心理士の業務範囲が拡大し、法的・倫理的問題に対処するための規制が強化されました。また、1990年代には、臨床心理士が法廷で証言することが一般的になり、法心理学の分野が発展しました。

2000年代から2010年代にかけては、臨床心理士の役割がさらに拡大し、精神保健と刑事司法の統合が進められました。特に、治療的法学(Therapeutic Jurisprudence)という枠組みが導入され、心理学的研究を基にした法律実務の改善が図られました。

Credentialing: Licensure and Board Certification (2022)


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