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№1 株式会社REXEV 藤井崇史さん

ハラコンプレゼンターインタビュー記念すべき初回は、ハラコン第2回で登壇頂いた藤井さんへインタビュー。EVによるカーシェアリングを全国で初めて小田原で展開。パーソナルな部分やこれからの展望も伺いました

株式会社REXEV 取締役 藤井さん


藤井崇史さんについて

奈良県出身です。大学時代は体育会系のボート部に所属していました。大企業や官公庁に就職する同期が多い中で、一人くらい違うフィールドにいたほうが面白いのではないかと考え、人材系のベンチャー企業に就職しました。就職後の2008年、リーマンショックの影響で人材領域のマーケットが縮小し、業績悪化により最初のキャリアチェンジをしました。市況変化の恐ろしさを経験し、簡単に需要がなくならないビジネスに携わりたいと考え、①天気予報②移動に関するサービスを候補として考えました。①には有資格条件があり②に進むことにしました(株式会社ナビタイムジャパン)。カーナビゲーションサービスの、企画や物流整備、販路開拓やプロモーションなど事業開発全般に関わりました。製品がリリースされ、プロジェクトが落ち着いたタイミングで2回目のキャリアチェンジをしました(株式会社エナリス、以下エナリス)。新しく始まった国内電力市場において、小売電力事業をはじめ電力需要家向けサービスに関わる事業に携わりました。その一つには、小田原市内に本社を置く湘南電力の立ち上げもありました。
そして3回目のキャリアチェンジとして、株式会社REXEV(レクシヴ)を2019年に立ち上げました。そのきっかけには、2017年に湘南電力に関わるメンバーとドイツのフライブルクとオスナブルクを視察した際に受けた衝撃があります。再生可能エネルギーをエネルギーの軸として街づくりが行われており、日本では夢物語として語られている内容が実際に実現されていることを目の当たりにしました。ドイツでできるなら日本でもできる、いつかそれに関わりたい、という想いをずっと持っており、キャリアを考え直すタイミングで当時エナリスにいたメンバーとともに「再エネとEVを普及させる」「それにより移動をもっと自由にする」ことを目的としてREXEVを設立しました。その第一弾の事業として、EVカーシェアリングサービス「eemo」を小田原で2022年に開始しています。

株式会社REXEVのメンバー

小田原発・“EVを活用したカーシェア”のはじまり

電気自動車(以下、EV)を動く蓄電池として活用し、再生可能エネルギーの普及をすることがeemoのコンセプトです。環境省の補助金の活用とともに長い期間並走できる自治体と企業が必要で、同じ時期に再エネ先進国のドイツを視察したメンバーが地域で活動している小田原市が事業立ち上げにとって最適な環境でした。事業立ち上げの準備開始から1年数ヵ月、2020年6月に一般サービスとして「eemo」を開始いたしました。サービス開始後は、思ってもいないことだらけでした・・。

2020年より小田原市内でサービス開始
eemoサービスロゴ

「eemo」はじまってからのこと

手探りな2年間でした。サービス開始時期と世の中的なタイミングが重なって、観光でなく日常使いのPRをする必要が出てきたり、私含めてメンバーがBtoBの領域を主戦場にしていたことから、初めてBtoCサービスとしてのマーケティングに挑戦したり。その一環で、地元の旧三福不動産様やFMおだわら様によるマーケティングサポートを受けました。eemoを地域に広げていくためにチラシ配りや自分の顔を出した広告の掲出や地域イベントへの参加を通じてPRを続けてきました。また、22年1月より開始したeemoアンバサダー制度により、実際にユーザー目線でeemoを発信され、ユーザー同士が関わってサービスを中心としたコミュニティができたことも今後に向けた貴重な財産となりました。また、利用状況を分析すると、小田原に移住されてきた方に多く使われている傾向も分かりました。Tipy records inn様と協業して小田原のお試し移住を便利にする取組をしたり、小田原ドライビングスクール様とともに免許を取得した方にEVを身近に使われるようなPRをしたりと、小田原市内の企業・事業者の皆様との協業にも力を入れてきました。先日(22年6月11日)にはeemoサービス開始2周年イベントを開催することができました。この2年間で地域との距離が近いサービスになってきた感覚はあります。


これから取り組んでいきたいこと

おかげさまでサービス登録者数・ステーション数ともに増加傾向にあります。(ステーション数:29、EV台数:51 2022年6月時点)3年目を迎える中で大きくふたつあります。

ひとつめは法人ユーザの拡大です。夕方以降や休日に多く使われる傾向があり、PRを継続してきた一定の成果を感じています。そこで次のステップとして平日日中のeemo稼働を増やしたいです。ひとつのアイデアとして、小田原でこれから起業しようと考えている方や事業を介しようと考えている企業様に固定設備を持たない手段としてカーシェアリングを提案できるのではないかと考えています。さらに地域の再エネを活用したEVの利用のPRを企画しています。

ふたつめはeemoのヘビーユーザーを増やすことです。1度ご利用頂い方に2回以降もご利用いただけるよう、サービスの改善を行いながら生活の一部としてご利用いただけるように進化させていきたいと考えています。そのためには今年実施したアンバサダー制度のように、ユーザーとのコミュニケーションを密にすること、eemoを通じたコミュニティを作っていくこともあると考えています。

また、ロードバイクなどとの掛け算により地域レジャーにおける交通手段として小田原の関係人口増にも貢献していきたいです。ほかにも軽自動車サイズのEVを導入等いろいろなアイデアが出てきます。

『eemoアンバサダー』第一期が22年7月に開始


編集後記

実際にeemoを使用すると分かりますが、スマホで予約~乗車~返却が完了できて、スマートで本当に便利なサービスです。ステーション自体が充電所なので返却時に給油を…ということもなくスムーズ。電気自動車も乗り心地よく静かでガソリン車には戻れないかもです。若い世代にとって「持つ」より「シェアする」ライフスタイルがeemoをきっかけにして広がっていきそうですね!(編集:ハラコン 土井)


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