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環境計量士(濃度)試験振り返りメモ~これからチャレンジする方にむけて~

今年の計量士試験、再来週の12月10日(日)ですね。試験直前にこのような記事を投稿をするなど、何ら役には立ちそうにありませんが、参考までご紹介します。小生の経験から、このタイミングでコメントするならば、、、

試験の申込はしたけど全く準備が出来てない、勉強時間が確保できそうにない、そこのあなた!それでも折角なので受験はしたほうがいいですよ!

小職の場合、ほぼノー勉で受験した経験が、翌年の合格に大きく寄与しました。以下のレポートは数年前に後輩に向けて作成したメモですが、何かのお役に立てれば幸甚です。

1.はじめに

  • 学生時代には実験でガスクロ/液クロやXRD、ICP、IR、TG-DTA、TPD/TPR等の分析機器を扱った事があります。

  • エンジ会社へ入社し十数年、分析、計量の実務はしていません。主に石油精製、石油化学、ガス分野で、設備計画エンジニア、プロセスエンジニアとして仕事していました。

  • 2017年度は不合格、2018年度に合格しました。

  • 2018年度の試験勉強で主に使用した参考書は“基礎からの環境計量士 濃度関係 合格テキスト(弘文社)”です。

2.勉強方法

  • まず、2017年度はほぼ何も勉強していない状態で、実力を試しました。(計画犯行ではなく、勉強する時間を確保できなかっただけです。)正答率は40%程度でしたが、意外と常識、実力だけで解ける問題があること、苦手分野、が分かり、後の勉強に役立ちました。勿論、問題の量やイメージが掴めたことも好材料となりました。

  • 2018年度の勉強開始後は、先ず参考書を一通り勉強しながら、あわせて2017年度試験での間違えた部分を中心におさらいをしました。

  • その後、過去問を環化・環濃は3年分、法規・管理は1年分解き、間違えた箇所は参考書及びインターネット検索でおさらいし、試験にのぞみました。過去問は経産省のHPから入手できます。

  • 印象として、環化・環濃の方が法規・管理に比べて難易度が高く、参考書だけで勉強していては不十分と感じました。過去問の数をこなして復習を重ねることが必要と考えました。

  • 上述の参考書は出題頻度の高い分野を浅く分かりやすく編集したものと思われ、深い理解には至らない、特に環化・環濃は内容不十分と感じました。過去問を解くことで合格ラインはある程度見えて来ていたため、一応自信をもって試験にはのぞめました。

  • 試験勉強は会社帰りに喫茶店、休みの日には地元の図書館や国会図書館にも足を延ばしました。国会図書館には半ば観光で出かけてみましたが、資格試験の参考書や過去問解説書も所蔵しており、無料で閲覧可能、環境も静かなのでアクセス可能な方にはお勧めです。有料ですが、図書の複写サービスも利用できます。

  • 総勉強時間は100時間程度でした。特に環化・環濃は直前までなかなか過去問で合格ラインに届かず、試験前に集中して勉強しました。

3.試験当日

  • 早めに会場入りし、トイレなどを済ませて参考書を眺めていました。受験は都内でしたが、結構な人数が受けており、女子率が高い印象を受けました。

  • 午前の環化・環濃は試験時間をめいいっぱい使いましたが、午後の法規・管理は時間が余りました。法規の時間は解答完了後早々に退室し、次の管理に向けて廊下で参考書を眺めていました(解答用紙を提出すれば途中で退出できるのです)。

  • 2017年度試験の際は昼食を外に出てとりましたが、2018年度は弁当を持参しました。普段足を延ばすことのない街での受験だったので、おいしいものでも食べに外に出ようかと考えてしまいがちですが、会場で落ち着いて昼食をとる方がやはりベターです。

4.結果と振り返り

  • 2018年は合格しました、正当率は環化・環濃、法規・管理共に64%(自己採点)。

  • 過去問は経産省HPから入手しハードコピーしたものを用いましたが、解説がないため正解内容の理解に至らない問題がありました。あまりお金をけちらずに過去問集を買って解説を読めばスムーズに勉強できたものと思います。

  • 過去問集の解説を本屋の立ち読みや、国会図書館での閲覧で一部確認したこともありました。オーム社のものは記載問題数が多く分野毎に整理されていますが解説がかなり簡素、コロナ社のものは3年分の記載で解説が非常に深い(深すぎる?)が環化環濃と法規管理が別冊のため両方買うと割高、という印象がありました。

  • また、他に"よくわかる!環境計量士試験 濃度関係(弘文社)"という参考書を同僚に借りましたが、そちらはより細かく広範囲な内容が記載されているようです。小職の場合、書き方が簡素で、確認問題や実践問題が項目毎に登場する上述の“基礎からの環境計量士 濃度関係 合格テキスト(弘文社)”の方が勉強しやすかったです(借りた参考書はほとんど使いませんでした)。

  • 暗記が必要な内容も多くありますので、試験前3ヶ月間の勉強が勝負を決めると思います。

5.その他

  • 業務上もとてもいい勉強になりました。業務では、エネルギー関連設備での分析室設備計画・運用計画や原料・製品の品質管理計画等がちょうど関係してました。分析機器の内容やその取扱いに関する知見は研究所や設計ディシプリン等の社内にもあり教えを乞いましたが、今回のような製造所での運用や品質管理といった面では物足りない部分も感じていました。(顧客が特殊だったこともあり)こちらで考えながら仕様や運用方法を決めていかなければならない部分が多く、結果的に今回の自己研鑽が業務上も大いに役立つことになりました。(エンジ会社の研究所は研究や分析のプロではあるが計量所ではないし、設計ディシプリンも顧客やライセンサーが指定した仕様の設備を納める事が仕事ですので。)

  • 使用した参考書は、アマゾンで中古品を600円程度で購入しましたが、誤記の修正、過去問をおさらいしながらのマーキング、補足情報追記等で手を加えたことで付加価値がつき、メルカリにて1300円で売れました。実際に受験、合格した人間の使用した参考書という点も好印象を与えたかもしれません。

  • 最近の若者はワークライフバランスの名のもとに、業務の他、育児や家事、自治会等の地域活動でも多忙を極め、自分の時間など殆ど無いのでは?と思います。その点、資格取得という大義名分で、家族や周囲の理解を得、業務を離れて半ば趣味の領域で専門、或いは専門外技術の勉強をすることがリフレッシュになることもあります。

  • 今回合格したことに気分を良くし、次は何の資格にチャレンジしようかな、などと考えてしまいます。こういった成功体験がプラスのスパイラルに繋がればいいなと思います。

  • キャリア形成などと硬いことを考えるのも大切ですが、勉強が楽しめそうな資格、自分の人生を豊かにしてくれそうな資格にチャレンジする事が私はよいと考えます。2017年度試験の際は全く勉強が出来なかったので、申し込みをしたものの受験は見送ろうとも考えましたが、試験会場近くで旨そうなカツカレーが食べられるお店を事前調査で発見、昼食目当てに受験したことが結果的にプラスの効果を生みました。

以上、参考になれば幸いです。ご健闘をお祈りいたします!

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