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技術士試験(化学部門‐化学プロセス)④_令和3年_選択II-2-1復元解答例

判定結果は“A(参考)”です。
しかしながら、判定は選択II-1との複合評価ですので、当該問題単独の評価ではありません。故に、参考の位置づけです。

お題:生産プラントの20%増強プロジェクト

設問の詳細は以下アドレスを参照ください。
https://www.engineer.or.jp/c_topics/007/attached/attach_7917_5.pdf

設問(1):
計画段階において、調査、検討すべき事項とその内容を説明せよ。

復元解答:
(1)計画段階での調査、検討事項
まず、現状設備での裕度確認(設計余裕および実働データの評価)、つまりボトルネックの特定を行う。触媒反応を伴うプロセスの場合は、ロードアップの触媒ライフへの影響、製品得率、下流プロセスに与える影響、製品品質への影響について確認し、(反応条件等)運転管理値の変更要否ついても確認しておく。ついで、改造工事費について概算し、その実現性を評価する。具体的には、費用対効果が得られるか、安全・環境上の懸念はあるか、改造工事に伴い設備を一時停止する影響評価と対策(例えばストックによる製品出荷で対応できるか、等)、改造せずに最大出力とする場合との比較、につき検討、評価する。

設問(2):
実施段階において、あなたの行う業務を説明し、留意すべき点、工夫を要する点について述べよ。

復元解答:
(2)実施段階における業務内容、留意、工夫点
デボトルネッキングの改造を要する場合を想定して以下記述する。(実際には業務行程がラップする。)
①改造箇所の基本設計を行い、各種仕様書を作成する。
②工務部もしくは外部コントラクターに工事見積(スケジュールを含む)を依頼する。
③②結果を基に、改造実施につき社内上申し、承認を得る。この時実現性評価の内容も合わせて報告する。
④工事発注。この時、長納期品は工事スケジュールへの影響を最小限とすべく、先行発注する。
⑤各種アセスメントを実施し、必要に応じて官庁に変更申請を行う。
⑥能力増強に伴う、手順書、運転管理値の変更につき各種マニュアルに反映する。合わせて運転リスクアセスメントを実施する。
⑦工事検査(工場検査および現場検査)。
⑧試運転→性能確認→検収→通常運転。特に非定常運転である試運転はトラブルが生じやすい。タイムチャートを含む運転手順書を用いた運転員教育は元より、各種トラブルを想定した対応策を予め検討し、十分な人員体制で臨むことが重要である。

設問(3):
関係者との調整を含め、業務を効率的かつ効果的に進めるために責任者としてのあなたが実施すべき事項を3項目挙げよ。

復元解答:
(3)業務を効率的かつ効果的に進めるたの実施事項
①コミュニケーションツールの利用情報共有インフラの整備による図書類、工程の管理
各種コミュニケーションツールが開発、リリースされているので活用する。これにより、設計図書や情報をタイムリーに関係者に共有し、承認プロセスも見える化する。打ち合わせは、意思決定の場とする。
②基礎的データマネジメント
特に検討初期段階において、ラーセンサーもしくは自社研究部門と実験的検証を含め十分な検討を行い、信頼性のあるデータをもとに設計をスタートさせることで、設計変更を最小化する。
③プロジェクトマネジメント
コスト、スケジュール、品質を念頭にプロジェクトを遂行する。さらには、生産性の向上を意識して業務にあたることで、プロジェクトの利益を最大化する。また、類似検討のLLやトラブル事例等の情報を遂行開始時に収集し、トラブルの発生を最小化する。

以上

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