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トマト日誌 2024年6月4日

晴れのち嵐

 ここ数日、招待した覚えのない者たちが畑に千客万来で訪ねてきており大変迷惑しております。
特にヘビ君。

 僕はヘビというのが苦手でして、目が悪いのもあって土気色のボディがシュルシュル動いているのに、すぐそばに近づくまで気がつかないものですから、至近距離で遭遇して「うわあっ」と跳び上がるほど驚くわけです。

 ここら辺に生息しているのはヤマカガシという小柄なヘビで背中に赤い模様があるのが特徴です。
 よく見るとつぶらな瞳で舌をチロチロしていて可愛い顔をしているのですが、非常に強い毒を持っていて、噛まれて死亡した事例もある危険な奴なのです。
 しかしとても臆病なヘビなため噛まれた事例自体は少なく、僕が「ぎゃあ!」と跳び上がっていると、ヘビの方もビックリした顔で一目散にシュルシュルと逃げていってしまいます。

 そんな双方にとって得のない出会いなのですが、畑の中に巣があるのか、餌が豊富なのか知りませんがここのところ毎日顔を合わせているのでした。それにうちの畑を根城にしている奴はどうやら一匹ではなくて、15cmくらいの子供ヘビや赤と黄色の斑点の違う模様の奴などたぶん3、4匹がウロウロしているのです。

 トマトには悪さをする訳では無いし、むしろネズミやモグラなんかを食べてくれるそうなので役立つ存在ではあるみたいなのですが、どうにもヘビってのは怖いんですよね。

 そんな事を思いながら仕事です。トマトハウスの中にはどうか入ってきませんよう。


 畑仕事をしていると3時頃から北の山の方でゴロゴロと音が鳴り始め空がみるみると暗くなっていきました。

突然の荒れ模様

 遠目にも雨が柱のようにドパーと降っているのが見えましたが、僕のいるところではまだ日がさしていて明るいままでした。
 そのまま黒雲は僕の畑をスルーして東の山沿いをなめていき、甲府の町の方へ行ってしまったため、僕の所では全然雨を降らせることなく雨の滝を見せつけるだけ見せつけて行ってしまったのでした。

 そしていつしか黒雲の真ん中に穴があいていました。

雲にあいた穴

 なにか神々しいものか、禍々しいものが降臨してきそうな穴ですが、僕が見ている限りは何も降りてはきませんでした。
 真下から見ると中に空飛ぶ島が浮いていたかもしれませんね。

 僕の親父は昔、羽田からロサンゼルスに行く時に、シャンパンとワインをしこたま飲んでぐでんぐでんに酔っ払って乗ったJAL機の窓から、たしかにラピュタを見たと言っていました。
本当です!


つづく

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