牛角の女性半額と差別について

牛角の女性半額についてと法政通信の意義

心理学を学ぶ意義を理解できる

牛角女性半額を区別だとかマーケティングだという人がいます。しかし法政通信で心理学を学んでいれば「なにアホなこといっているんだ」と理解できるはずです。
心理学の提出レポートはここ数年「なぜ差別がおこるのか」についての記述です。このレポートを真面目に取り組んだのならば、まず心理学における差別の定義が"ある集団に対するステレオタイプや偏見を根拠にした行動"と理解しているはずです。これを一般的な日本語に訳すのならば「ある集団に対し期待や思い込みを持ち、それを根拠に行動するありさま」です。更に簡略化すると「ラベリングに基づいた判断や行動」が差別です。
この考えを元にすると牛角の判断は明らかな差別であると理解できます

他の文脈における差別との比較と、合理的な差別

法律的な文脈、LGBTな文脈ですと「生来の属性」だとか「合理的な判断か」(*1)を判断基準に含めたりしますが、心理学的な文脈では含めません。そして重要なのが”統計的な事実”であろうとも、その事実をもとに期待して行動したら差別なのです。つまり統計による合理的な判断であろうと差別です。
具体的な例として挙げられるのは男女雇用機会均等法やアメリカでの黒人の犯罪率、日本での外国人の犯罪率です(*2)。これらは統計として被差別者が差別される統計的な理由があります。黒人の犯罪件数が人口比に比べ高く、明らかに黒人は危険である可能性が高いと統計は示します。しかし、この統計を理由に黒人だからと職質をかけるのは違法ですし、差別です。
大事なのは「なぜそうしたのか?」を問いかけた場合の答えです。「黒人は犯罪率高いから職質相手として効率的だ」は、統計的事実であり職務遂行として合理的な判断ですが、差別なのです。「合理的な差別」は存在します

牛角の判断根拠はなにか、また差別であるのか

さて、なぜそうしたか?の根拠だ大事だと伝えました。では牛角はどういう意図で女性半額を行ったのでしょうか?牛角のプレスリリースより抜粋です

食べ放題での注文量が、女性は男性に比べて肉4皿分少ないといった背景からスタートした本企画。

https://www.gyukaku.ne.jp/pdf/release_20240830.pdf

このように「女性は男性に比べて小食である」という統計データから判断しています。そして、女性客を増やしたいという意図と、女性にのみ割引を行いたいという経営者にとっての合理的な理由があります。しかし、これは”女性は小食である”という偏見 (*3) をもとに行った行動であり、差別の定義に該当します。
統計データが事実でも、事実に基づく合理的な判断であっても、ラベリングによる行動で差をつけるのは差別なのです。
よって牛角の女性半額キャンペーンは差別であるといえます。

文体をいじって出典や引用をきちんとすれば、これで教養心理学のレポートに仕上がるのでは?と書いてから思いました。ので追記
*1)レポートなら、最高裁の差別に関するものを引用し「合理的な差別」は許容されている点、憲法の差別の解釈を記載する
*2)レポートなら、ここで具体他的な表や資料を引用して事実を確認する
*3) 事実であろうとも偏見です。

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