パイオニアとエクスプローラーの間~反省編~

前回までのあらすじ


パイオニア

1.デッキ選択・構築

5/26(土)深夜に行われたマナトレスイス予選では5色ニヴを使用。

前稿で述べたとおり仮想メタは吸血鬼、イゼフェニ、無駄省き、アマリア、ニヴ、グルールアグロ(赤単)というもの。上記ツイートの画像3枚目にあるマトリクス上ではニヴがこれらメタに良い勝率を上げている様子であったことからニヴの使用を決定。先の仮想メタにおいても、ゲームレンジが短いのはグルールアグロのみで、アマリアも短いと言えるが、除去の多いニヴではある程度対処可能と考えた。ゲームレンジが長くなればニヴの強さが発揮されるため、苦手と考えられるグルールアグロやコンボを決められる恐れがあるアマリアにガードを上げたいと考え、デッキを調整。
具体的にはニヴに採用されている白日から捲るシルバーバレット的なメインカードを極力最低限にし、逆に白日以前の序盤の攻防に重きを置いた。例えば、クリーチャーではトルシミールやロクサーヌがメインに入ったり、スペルでも轟音のクラリオンが入ったりするリストもある。これらは私にとって相手を選ぶカードに見えたことから、先述のとおりグルールアグロ、アマリアを警戒し、序盤の除去である稲妻のらせん、消失の詩句を4枚ずつ採用することにした。
また、マナトレスイスは公開制でゲームを行うため、ゆるくキープすることが咎められるグルールアグロやアマリアコンボを事前に把握できることは非公開制であるよりも有利な点であり、逆に言うとその点でアグロやコンボを握る気にはあまりなれなかった。

そのような思考のもとで作ったデッキがこちら。

2.結果

1R 吸血鬼×〇〇
2R グルールアグロ〇××
3R イゼフェニ〇--(時間切れ負け)
4R 赤単××
5R 吸血鬼××
以降ドロップ  1-4

3.反省点

①デッキを改悪した
2Rのグルールアグロでは構築の意図が功を奏したのか、ヤギの角とのシナジーも発揮し、ゲーム1はライフ20以上を残しての完封勝利。しかしその後のゲームは納得いく初手がこず、2ゲームともダブマリをしてしまう。
運が悪かったと捉えるのか、否。「納得のいく初手がこず」というのはズバリ、初手のマナベースと2マナ除去が噛み合わないという状況だ。アグロを相手にするには2マナ除去を1枚はうてる状態で始めたいと考えていたが、そもそもこのデッキの2マナ除去の稲妻のらせんは赤白、消失の詩句は黒白であり、加えて2ターン目に緑である豆の木も狙っているため、5色らしく色拘束はキツイ。先述した初手のマナベースと2マナ除去の色が噛み合わないことは有り得る。
ここまで偉そうに書いていて、実はそもそも自分のデッキのマナベースを確認していない。時間が無かったと言い訳するしかないが、根底には既存デッキのコピーをした際に、採用カード自体は変わってないためマナベースもそのままで良いと過信してしまった。
では、これを機にマナベースをチェックすることとしよう。
白14、黒12、青12、赤12、緑14。これに寓話の小道4、合流点1となっている。やはり内容としては緑に偏ってるため、先の2ターン目までの展開を重視するのであれば、豆の木の緑よりもう少し黒か赤に色を寄せるべきであったと考えられる。
自身の怠慢が招いた当然の帰結ということが露呈してしまっている。
その後あたった赤単は本体火力も多く、クリーチャーを除去しただけでは勝てない相手であり、挙句デッキに嫌われたのか、最速ソリンリッパ―を決めてきた好相性の吸血鬼にも勝てずドロップしてしまう。

②下手だった
3戦目のイゼフェニの敗因。相手の山札が1枚となる長期戦でこちらがライフを削って勝ち1-0となるも、私の残り時間は4分。対する相手は11分。4分で勝てるデッキでは無いと判断しサイドボード中に投了。
5色ニヴというデッキはMOで色マナを選択するのに時間がかかる上に、次アクションに向けてどの土地から何の色を捻るか、土地の置き方はどのようにすべきか等マナを考えるだけでも相当な思考時間が必要で、白日が5色でうてるが何を唱えるべきか、再誕ニヴから同色カードが複数捲れたが何を拾うか、2マナのゴルガリサーチスペルから何を拾うか等、考えることもそれなりに時間がかかる。もちろんシンプルに相手のクリーチャーや置物に今干渉すべきかといった思考もある。
私自身ニヴというデッキの大枠は理解しているつもりであったが、大枠のみ理解では練度不足が露呈し、先のような時間切れとなって負けてしまうのは当然のことのように思える。

4.パイオニア総括

構築・プレイと共に粗があった。デッキ選択自体は大きく間違えていなかったと思えるので、勝つべくしては詳細を詰めていく必要がある。この反省を上手く抽象化し、エクスプローラーでも活かしていけるようにしたい。
    ~~ここまで5/28記述~~

上記執筆後に日本人プロプレイヤーである瀬畑さんこと市川プロがニヴを使ってパイオニアチャレンジで優勝。詩句、らせんが4枚ずつ入っていることは構築思想が近いが、マナベースは白14、黒13、青13、赤13、緑14、寓話の小道4に合流点2とそもそも私のデッキより土地が2枚多いこともありマナベースが手厚い。その分森の女人像を解雇し、ヤギの角を増量。たしかに考えてもみれば現在のアグロデッキと対峙する際に女人像のブロッカー性能は頼りなく、構えるような2マナを除去で手厚くするのであれば女人像は使いにくいということは考えればわかることなのにとまたも反省。チューンを施した際の他カードへの影響というものをもっとよく考えておくべきであった。思考が浅すぎた!

エクスプローラー

1.デッキ選択・構築

「エクスプローラーでも活かしていけるようにしたい」と締めくくったものの、なかなか上手く取り組むことができなかった。道中、イゼット異形化を試すなどしたが、上手く形にならず使用を見送り。結局、これだという自信のある根拠を持ってデッキを選択することはできなかった。
一応、デッキ選択理由を振り返る。パイオニアと違ってエクスプローラーは5cニヴがおらず、ラクドス吸血鬼のポジションが良いように思えた。ラクドス吸血鬼のポジションが良くなれば、青白コンを使いたいと考える人が減ると考え、青白コン以外には大体やれるアマリアのポジションも良くなると思えた。また、パイオニアでは追加ターンを得られるイゼットフェニックスもデッキ強度が1段階下がると考え使う気にはなれない。フェニックスが1段階下がれば無駄省きを使う理由も薄まる(個人的な理由としてハンデスが腐りやすい無駄省きはプレイ感的に好きになれないという理由もある)。新興勢力として緑単も考えられるがサイドの不器用さが性にあわず、先にあげたアマリアのポジションも上がっていることを踏まえこちらも見送り。
以上から環境の2トップは吸血鬼とアマリアであると考え、それらに強いデッキも見当たらないことから、どちらかの使用を検討。仮定した2トップの相性は、若干アマリアが有利に思えた(もちろん議論の余地はある)ことからアマリアデッキの使用を決めた。
デッキの立ち位置は良いという判断としても、懸念点としてパイオニアでも良い成績を残せていることから、メタられてしまっているということ。コンボデッキである以上、メタられてしまうとデッキ相性が悪い相手であったとしてもサイドから相性を改善させるカードを過剰に入れられてしまっては十分に負けうる。

デッキ選択は以上のように考えられたものの、デッキ構築面ではあまりよく考えられておらず、直近のパイオニアチャレンジで優勝したデッキをそのまま使用。なお、無駄なサイドが入ってないか(ロータスメタの減衰球等)は一応チェックした。自身のようなメタ考察に至るとミラーが多くなると仮定し、先の仮想メタを考慮した際に有効と考えにくかった《名もなき都市の歩哨》1枚をサイドに追いやり、サイドに入っているライフゲインを阻止するクリーチャー《暮影の騎士》をメインに1枚投入。《召喚の調べ》からサーチできることを考えたら、デッキを1枚変えただけで得られるミラーへの差別化という効果は大きく、上手く取り組めてないながら、少しは考えた格好だ。

2.結果

1R 緑単×〇〇
2R 吸血鬼〇×〇
3R 青白クロパ〇××
4R エニグマ〇〇
5R 吸血鬼××
6R ボロスヒロイック 引き分け⇒〇〇
7R 赤単××
4-3

結果は並といったところか。ミラーが増える見込みで若干構築を歪めたものの、ミラーにはあたらず騎士をほぼほぼサイドアウトするハメに。懸念点であったメタはやはりといったところか、赤単からはフェロキドンを落とした後にトップでフェロキドンを出されてしまった。吸血鬼はソリンリッパ―の動きが早く負け、青白クロパは独自チューンで自作された良いオリジナルデッキだと感じた(日本人プレイヤーが使用しているようなので、近く彼による解説記事が出るかも、出ないかも)。

3.反省点

アマリアデッキの天敵たる青白コンにあたらなかったことはよく、勝てるマッチはしっかり勝てたなというところ。初見の青白クロパは相手のデッキが見えないところもあっていくらかのプレイミスはあったように思えるが、しかしそれもオリジナルデッキで挑んだ相手側が得られる利点でもあると考えるとやむを得ない側面はある。赤単についてはコンボさえ決めれば勝てる相手であるものの、逆に言えば相手も「コンボは絶対許さない」という気力できてる以上、負けうることはあるのだろう。

4.エクスプローラー総括

エクスプローラーのデッキ選択、構築では冒険しなかったこともあり、反省自体は少ない。それ自体が反省とも言えるかもしれない。トライすればエラーをするような下手くそな自分の何処が悪いのか、その膿出しを積極的にやっていくべきであったとも言える。瞬間的にでもなかなか勝てる土台が無い自分はもっと積極的に試みてスキルアップを目指す長期的な目線があっても良い。

両競技を終えて

パイオニアは試みることで得られた学びがあった。これを今後に活かしていく必要がある。また、私は自分でも引くくらい下手なので、「前にこんなミスをした」というのを形を変えて次回もやってしまうことがある。そうならないように気をつける必要がある。
逆に、エクスプローラー側の総括でまとめているとおり、自分の成長のためにも何かを試していくということも続けるようにしたいところだ。

反省することは多いが、両競技を通してメタ読みとデッキ選択自体を間違えるようなことは無かったように思える。言い換えれば競技に向けた準備まではできるようになったと考えられるため、そこから頭一つ抜けられるにはどのようにすべきか、今後の競技を通してその糸口をつかめるように取り組んでいきたい。

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