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携帯電話の存在意義を無視する親子 郡上おどりに行ってきた8月13日

岐阜県のお盆といえば郡上おどり。
郡上おどり自体は7月中旬から9月上旬、郡上八幡の各所で行われている。
お盆は盂蘭盆会ということで4日間徹夜おどりが開催される。

お囃子のやぐらを中心に、十字にできる長いおどりの列。
揃う下駄の音、手拍子、若者たちのかけ声、血がわきあがる感覚。
ぜひ一度体験にいらしてください。


さて、うちの母と弟、息子を連れて21時に家を出発。
渋滞も覚悟していたが、高速はスムーズに走ることができ、駐車場も2か所目で入ることができた。
吉田川のせせらぎを聞きながら歩き橋を渡ると屋台が並んでいる。その奥が踊り会場だ。
母と弟に確認をした。

「スマホ持ってるよね。もし離れたら連絡するで」

すると二人とも「持ってきていない」と驚きの返答!
なぜ?
はぐれたらどうするのだ?
携帯電話は携帯していないと意味がない。
なんのための携帯電話やねん!!!

とりあえず離れないよう三人の位置を確認しながら一緒に踊りの輪に入った。
片側二車線のように二列の長い列があるのだが、どうしても内側の列の方が少し動きが速いのだ。
あっという間に母が前に行ってしまう。弟と息子に声をかけ少し踊りの輪から出て前に進む。
母に遅れをとらぬよう見ながら進んでいく。
弟と息子は楽しそうに踊っているが、わたしは三人を見失わないように必死だった。
楽しく踊ってる場合ではない。
少しイラつきながら進んでいると、息子の様子がおかしいことに気付いた。
夕食を食べすぎたことと人酔いだ。
もともと人混みが苦手なのに連れてきてしまった。

「橋のあたりまで戻って休もう」

息子に声をかけ、母と弟に「橋で待っている。あまり遅くならないで」と伝えた。
人混みを抜け橋にもどり風をあびる。
0時を過ぎ30分くらい待ったが母たちはまだ来ない。
息子をおいて踊り会場に戻り、踊っている人たちを確認していく。
一通り見たが母と弟は見つけられず橋まで戻った。
それから30分、そろそろ母たちも疲れて戻ってくるだろうと思ったが来ない。
息子はまだ辛そうだったので一人で先に駐車場まで戻るよう場所を確認して別れた。
一人になったので踊り会場に戻り探す。全く見つけられない。
橋に戻ったり会場に戻ったりを繰り返すうちに疲れてきた。
1時を過ぎたあたりで橋の上で座り込んだ。
怒りしか湧いてこない。
こっちは帰りも1時間運転するんだぞ!
もう一度だけ会場で探して、いなかったら車に戻ってしまえと思いながら歩いていると後ろから名前を呼ばれた。
楽しそうな顔で「ごめん、なかなか見つけられなかった」と言う母。
橋に来いって言っただろうが!

疲れ切って無言で駐車場まで歩いた。
二度と連れてくるか!と思いながらも、スマホの確認を家を出る前にしなかったわたしも悪い。

ただただ疲れに来た郡上八幡だったが、踊る息子を少し見られたし、お囃子をいっぱい聞けたし、夏の思い出はできた。

親孝行したと思うことにする。

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