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はじめまして東北。はじめまして釜石。 3月10日

人生初の東北へ。
ずっと訪れたいと思っていた東北に、東日本大震災から13年経ち、遅すぎるけれど、今年は行く決心がついた。

岐阜市の長良川で毎年冬至の日に行っている「こよみのよぶね」。東日本大震災から岐阜の仲間たちで「とうほくのこよみのよぶね」をスタートさせた。2011年の制作リーダーだった庭師の古川さん(通称親方)が、全国の庭師のネットワーク「庭JAPAN」として復興支援にあたっていた石巻で、2011年の10月に「3.11」の行灯を浮かべた。
2012年からは釜石市で活動、2013年から鵜住居町の根浜海岸で行灯を浮かべている。

今年はお手伝いと記録係を兼ねて、東京から参加することにした。
上野駅から新幹線「やまびこ」に乗り新花巻駅に向かう。
上野を過ぎて数分後、西の空に大きな雪をかぶった山が見えた。
「ママ、ふじさん!」
小さな男の子の声が車内に響いた。

幸先いい旅のスタートだ。
仙台駅では雪が舞っていた。寒いとは予想していたが新花巻駅のホームで準備の甘さを痛感した。

飛行機で来る仲間がレンタカーで迎えに来てくれるまで駅の周辺を探索した。
待合所には大谷翔平選手! そうか、花巻東高校だった。
ここで大谷選手のものが見られるなんて、ラッキーだ。やはりいい旅になる。

1時間あとの新幹線で到着した「こよみのよぶね」総合プロデューサーの日比野克彦さんも一緒にレンタカーに乗り込み、いざ釜石へ!
東北の山は岐阜の山と表情が違う。同じ国の山なのにね。

1時間ほどで釜石に到着。今日は地元のみなさんも参加して行灯制作ワークショップが行われていた。
到着後すぐにわたしたちも制作のお手伝い。竹で組んだ数字に色付けした美濃和紙を貼っていく。撥水剤を塗って完成! 今日の宿「民宿前川」さんに向かった。

漁師の前川さんが漁船で行灯を引っ張って海の上に浮かべてくれる。波の高さや風など、海を知り尽くした前川さんが行灯を浮かべるか否かを判断する。「とうほくのこよみのよぶね」に欠かせない存在なのだ。
新鮮なお魚を使った食べきれないほどのお料理。

お刺身も肉厚のホタテもカワハギのから揚げもおいしくて最高。
なまこは久しぶりに食べたけど、ずっと食べていたい。

けれど今日の特別、絶品メニューはわかめのしゃぶしゃぶ!

沸騰した昆布だしにわかめを入れると、あっという間に鮮やかな緑色になる。
わかめのシャキシャキした食感、箸が止まらない。海のない岐阜では食べられないごちそうだ。

前川さんの笑顔と本場のイントネーションの東北弁、すぐにファンになってしまう。
お腹がはちきれそうになるまで食べて大満足な東北一日目だった。



明日必要なものを買いにホームセンターに寄ったとき、レジの横にはお線香とろうそくの棚が。
この旅は祈りの旅でもある。

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