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生きるあなたに寄り添う人、物、歌がある 11月3日

3連休が始まった。11月とは思えない日差しで、まだ洗濯物が外に干せるのは嬉しい。
早朝バイトの娘を送り出し二度寝をしたが、資源ごみの日なので8時前に起き、金曜日だったので朝ドラを見た。

次の番組が始まった。大好きな番組、サンドウィッチマンのお二人が病院に出張ラジオ局を開く『病院ラジオ』だ。

全国の病院へ出張し病院内で聴けるラジオ番組を放送、患者さん本人や家族に出演してもらい話を聴いたり、リクエスト曲を流すもの。
自身の病気のこと、家族への想い、医療従事者への感謝など、毎回とてもいいお話を聴ける。

今日出演されたなかに、最期のときは「ありがとう」ではなく「大好き」と言ってほしいと思っている女性から宇多田ヒカルの『Flavor Of Life』のリクエスト。

ありがとう、と君に言われると なんだかせつない
さようならの後も解けぬ魔法 淡くほろ苦い
The flavor of life

信じたいと願えば願うほど なんだかせつない
「愛してるよ」よりも「大好き」の方が
君らしいんじゃない?
The flavor of life

宇多田ヒカル 『Flavor Of Life』 作詞 Utada Hikaru

ご主人と一緒にラジオから流れてくる曲を聴きながら、人前で泣くのを我慢していた女性が「今日だけ」と涙を流していた。
歌詞を改めて見ながら聴いていたら、わたしも一緒に号泣していた。

サンドウィッチマンのお二人がとても自然に質問して、ときに笑いを交えて緊張を解きながら、話を聴きだすのがとても上手くて嫌味がない。
年に数回しか放送されない番組だけど、もし機会があったらぜひ観てほしい。


今日のメインイベントに向けて家を出た。
初めて行く街、立川。中央線に乗り換えていくので小一時間かかる。
立川は駅前にデパートや大きなIKEAもあり、街路樹が続く道を抜けると昭和記念公園がある。住みやすそうな街だ。

地元で好きだった雑貨店があった。そこで働いていた女性がオリジナルブランドを立ち上げて活動している。同じ名前、ゆきさん。彼女が作る商品はとても素敵だ。少し前に病を公表していて、かわいい娘さんもいるので心配していた。


昭和記念公園で開催される「東京蚤の市」にて3日間出店するということで、久しぶりに会いたくて出かけた。
今日にしたのは、屋外ステージで奇妙礼太郎さんのライブがあるから。

今日だけで2万チケットが売れているらしい。出店数もお客さんの数も桁違いだ。
入場ゲートからわりと近い場所に彼女の店はあった。


久しぶりで話が弾む。東京にいることを知らなかった彼女はとても驚いてくれた。
今のところ体調も良さそうで安心、お店も大盛況だ。


かわいいインドのプリント生地の雑貨たち


アンティークの店をまわった。昔のものをみて美しいと思えるようになった自分がいる。どこの国でどんな人が使っていたものなのか、そこには物語がある。想像すると楽しい。


くまさん、どこから来たの?


並んで瀬戸内レモネードを購入し、ライブ会場に早めに行って場所をとった。


奇妙礼太郎さんのライブが始まる。座って歌っていた彼は「さみしいから前に出てもいい?」と立って歌いだした。
後の方で座っていたわたしたちにもよく見える。

わたしの隣のお姉さんは奇妙さんのファンのようで、ノリノリだった。


「知っている曲をやろう」とサザエさんの歌を歌いだし、みんなにも一緒に歌おうと誘う。
笑いながら歌う人たち。屋外の風を感じて楽しさ倍増。
また次の曲を歌いだして1番が終わると「どんぐりころころ」を歌いだす。
子どもたちもニコニコして歌っている。なんて穏やかな時間が流れているんだ。

「悲しい歌うたってもいいですか?」と静かにギターを鳴らし始めるとヘリコプターが上空で音を轟かせた。
笑いながら中断し、気を取り直して弾き始めると今度は「迷子のお知らせ」が流れてきた。
どうやらアンパンマンの服を着たゆうたくんが迷子のようだ。
奇妙さんも小さい頃よく迷子になったという話をした後、即興でゆうたくんの歌を歌い始めた。
「ゆうたは待ってる アンパンマンのものを身に着けているはずだ 迎えに行ってあげて」
わたしも迷子になったことがある。おそろしい経験だ。ゆうたくん、怖いだろうね。でも君、ラッキーゆうただよ!

三度目の正直で歌う始めたのは『悲しくてやりきれない』だ。

深い森の みどりにだかれ
今日も風の唄に しみじみ嘆く
悲しくて 悲しくて
とても やりきれない
このもえたぎる 苦しさは
明日もつづくのか

ザ・フォーク・クルセダーズ『悲しくてやりきれない』 作詞 サトウハチロー


奇妙さんの声と節で歌われる悲しみが青空のもとで響く。
心にずさりと刺さり涙があふれてきた。
悲しみのなかで苦しんでいる友を、生きづらさの中踏ん張っている娘を想った。
悲しいのだけれど癒される、不思議な時間だった。
この曲を聴けただけでも来てよかったと思えた。


帰り際、もう一度TWO CHAPATIに寄ると、岐阜から応援の「のんちゃん」が来ていた。彼が昔店長をしていたお店は一人でも夜にふらっと行ける場所で、ライブも見たり、わたしにとってオアシスだった。
のんちゃんと談笑して、かわいいお人形と鈴のキーホルダーを購入し、わたしの「東京蚤の市」は終了。


命名、ミッシェルさん 穏やかな人


みんながんばって生きていて、そこには寄り添ってくれる人や、物や、歌がある。
今日はそんな「生きる力」をインプットできた一日になった。

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