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小池知事「今回はオンライン選挙で」、都知事選の立候補予定者5氏が共同会見

 7月5日に投開票される東京都知事選の立候補予定者による共同記者会見が17日、日本記者クラブで開かれた。登壇したのは現職を含めた5氏。コロナ下で初のズームを使ったリモート会見となったが、意外にも?画面の中に等価で並ぶと、それぞれの個性が際立って見えるような気が、筆者にはした。最後には小池知事が、選挙戦は「オンライン選挙で戦う」と宣言した。今回の知事選はネット上で論戦が繰り広げられるのだろうか、期待したい。

都知事選候補者会見2

(写真は、左上から時計回りに、日本記者クラブの司会者、小野氏、立花氏、山本氏、小池氏、宇都宮氏)



 登壇したのは、あいうえお順に以下の5人。弁護士で過去にも都知事選に立候補したことのある宇都宮健児氏、熊本県の副知事から転身を図る元議員秘書の小野泰輔氏、現職の小池百合子氏、NHKから国民を守る党党首の立花孝志氏、れいわ新選組代表で元俳優の山本太郎氏。17日午前10時から、それぞれの事務所などをつないでの会見だったが、のっけから山本氏が遅刻で不在。本来は5氏が顔をそろえるはずのズームの画面に、現職を含めた4氏しかそろわない形で始まった。渋滞に巻き込まれたという山本氏はその後、10分ほど遅れて合流した。(写真下は山本氏不在で始まった会見)

都知事選会見1

 ズームゆえの面白さは、本人が発言していない待機時間に、発言者以外の表情や態度も見せてしまうところだ。入念に用意したらしいペーパー(文字通りの紙)をめくって予習?しているらしい宇都宮氏の姿や、出番ではない間もじっと行儀よく待っている小野氏、知事室なのか背後で電話が鳴った瞬間、いらっとした様子を見せた小池氏、画面からはずれて飲み物(コーヒー?)を飲む立花氏、途中でスタッフらと打ち合わせているらしい山本氏など、それぞれに「素」が透けて見えた。自分の順番で語る内容以上に、その人らしさが表れていた。

 ざっといえば、正しくて勉強家だけど好々爺っぽい宇都宮氏、まじめだけど「参謀」っぽさ・地方の行政マンぽさが消えない小野氏、最近出た本のタイトル『女帝』のごとく、どんと構えて、いかにも政治家然とした小池氏、都知事選でもNHKについて熱く語る立花氏、クラスの人気者のガキ大将のごとく、人懐っこい笑顔と熱い語り口で人心をさらいそうな山本氏、といった風情だ。ことに各氏からの質問に回答するくだりでは、1400万人都市・首都東京を1期4年預かってきた小池氏の自負と自信があふれ、横綱相撲のごとき安定感を見せた。

 今回も台風の目となるのは山本氏だろうか。氏は、副知事候補についての質問に、とっさに、対立候補である宇都宮氏、小野氏の名前を挙げるなど、丁々発止の瞬発力を発揮した。ただ、山本氏が提案したコロナ対策での現金給付(「ばらまき」とも評されそうだが、この単語は今回は出なかった)の財源については、都債の発行がそれほど簡単ではないことを、あたかも現実を諭し教えるように小池氏が指摘した。2人だけでの討論を、もっと見てみたいと思わせられた。

 主に議題に上った争点については以下の表にまとめる。

都知事選候補予定者の表

(2020/6/17、長友佐波子執筆)

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