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2014年 日本縦断キャンプツーリング 14日目

2014年5月6日(高知)

出発

目が覚めると、波の音が聞こえてきた。波の音に誘われてテントから出ると、自転車の旅人からお味噌汁を頂いた。お味噌汁なんてだいぶ食べていなかったので、懐かしさが身にしみる。しばらくして、彼が自転車に乗って出発していくのを見送っていた。本当にお世話になりっぱなしだった。

少し白浜海岸を眺めてから、室戸岬へ向かうことにした。途中、自転車の旅人に会うと手を振ってくれたので、ありがとうございましたと伝え、先を急ぐ。

室戸岬

室戸岬までの海岸線はすごく気持ちがいい。朝早くて交通量が少なかったのもあり颯爽と走れる。行き交うライダーに手を振って挨拶を交わしながらバイクを走らせた。ライダー同士の挨拶は一人旅でも仲間がいる気がしてほっとする。

室戸岬へ到着して、最果て感ただよう海岸を散歩してみる。タービダイトと呼ばれる海底から隆起した岩が強烈で、理解不能な景色を呆気にとられて眺めていた。

展望台に行ってみると、哀愁漂うような、どこか切ないような、不思議な景色が広がっている。恋人の聖地と書かれていた看板があったので、今度は彼女を連れてこないといけないな。そう思いながら、備え付けのカメラスタンドで一人さみしく写真を撮った。

最御崎寺に寄って室戸岬灯台にも行ってきました。高さ15.4mのなんともかわいらしい灯台だ。ここも恋人の聖地で、灯台が寄り添ってくれているように撮れるので、一人でもさみしくないかもしれません。ですが、灯台と恋人になるわけにもいかないので、灯台だけ写真に撮ってきた。

国道55号
鹿岡の夫婦岩
室戸岬
灌頂ヶ浜
タービダイト
室戸岬展望台から
室戸岬展望台
最御崎寺
室戸岬灯台

黒瀬キャンプ場

室戸スカイラインを走って市街地へ向かい、スーパーで朝食をすませる。100円ショップとホームセンターにも寄り、日用品を買っておいた。キャンプ道具を積んでいるせいか、行く先々で買い物に来た方が応援してくれる。なんてやさしい街なんだろうと素直に思う。

海岸沿いを高知市まで走る。道の駅でうどんを食べて昼食にし、種崎千松公園に到着した。ここでキャンプをするつもりで来たのだけど、出来る事なら市街地より、自然豊かなところでキャンプをしたくなり、地図で探してみることに。すると、越智町にある黒瀬キャンプ場を見つけたので向かうことにした。市街地を抜けスーパーで買い出しをすませ、仁淀川沿いを走っていくとキャンプ場入口の看板を見つける。そこから少し川沿いに行くと、雰囲気のいいキャンプ場があった。

河川敷の砂地がテントサイトなのだけど、砂地にテントを張るとキャンプ道具を片付けるときに砂を落とす作業が面倒になってしまう。他のキャンプ場を探すか迷っていると、管理人さんが犬の散歩で訪れてきた。ゴールデンウィークも終わって他に宿泊客がいないから、好きなところにテントを張っていいとのこと。バンガローの脇にある芝の上にテントを張れそうな場所があったけど、椅子とテーブルがあった方が使い勝手がいい気がして、東屋の横にテントを張ることにした。

キャンプ場にある温水シャワーで汗を流してから食事をしていると、一台のオンロードバイクが入ってきて砂地へ向かっていく。キャンプ道具を積んでいるとオフロードバイクでも砂が深くて苦労していたので、追いかけるように砂地へ向かう。追いついた時にはバイクの前輪が砂にうまり立ち往生していた。後ろからバイクを押してあげて、無事に砂地から脱出。ことの次第を伝えると、彼もバンガローのそばにテントを張っていた。

バイクに乗っていたのは関西のライダーで、今から買い出しに行かなければならないらしく忙しそう。その割には私の話につき合ってくれるお人好しな人だった。買い出しから帰ってきたときに、近くに自販機がなかったかを尋ねてみると、買ってきたばかりのお茶を分けてくれた。

彼はIT関係に勤めているとのことで、久しぶりにIT関係の話をしていた。私も昔はIT関係に勤めていてプログラムやサーバ構築の仕事をして、いまはフリーランスでシステム開発をしている。ということで、また長話をしてしまう。買出しから帰ってきたときに「疲れているので早めに寝ます」と言っていた気がしたのだけど、最後まで話を聞いてくれていたお人好しさんだった。

黒瀬キャンプ場

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