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仕込みNo.006 辛口 について

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裏ラベルに書ききれていないこと。

シバタグラウンドミュージックさんのお米で仕込んだNo.001、002、そして005の経験を踏まえると、シバタさんのお米は相当硬く、酒造りの原料としては手強いということです。ただ、味わいは美しい。雑味が少ない。このお米をうまく使ってあげたら、大地の美しさは表現できるはずだ。そんな思いも巡っています。
No.005の仕込み方であまりにあまりに最高ボーメが出なかったと書きました。つまりは、あまり溶けず、糖分が少ない。ということは、柴田さんのお米の場合、麹歩合40%と多少改善したとはいえ通常の日本酒に準じた仕込みの範疇の場合は、実は辛口に持って行ったほうが、自然なのかもしれない。そう思えました。
*通常の日本酒に準じた仕込みの範疇とは、麹と蒸米を使い添・仲・留とだんだん大きくしていき、それに合わせて品温を低くしていく仕込み方のこと。
ということで、その検証です。相変わらず最高ボーメは出ません。ですがそれは005でわかっていること。全く慌てません。そして実は005で学んだ「麹による酸度調整」の応用として、3段仕込みの留の時に焼酎用のクエン酸麹をもう少し多めに投入することにしました。するとどうでしょう。005の時留後10日目で酸度3.0でしたが、酸度3.9。よりキリッとした味わいになりそうです。
予定の1週間後、2週間後の甘酒投入も、辛口に持っていくべく量を調整。そして品温経過も甘口よりも少し高め(と言っても9℃)。低温発酵にもかかわらず、最終的に酸度が4.5まで出てくれて、嬉しい限り。最後切れ過ぎを心配して品温を急降下させて最後の2〜3日、思った以上に切れなかったですが、これはアルコールも15℃超えていたし、当然かもしれません。その辺の着地はまだまだですし、あともう一歩辛口にしても良かったように思いますが、酸がしっかり感じられて、食中でもいけるどぶろくに仕上がりました。加水前ボーメは2.0を切る感じ。加水してもうちょっと下が
りますが。いつか勇気を出して1.0(日本酒度-10)を切っても良いのかもしれませんね。
日本酒風の仕込みの範疇では辛口に持って行ったほうが良い。それをシバタグラウンドミュージックさんの硬いお米を活かすことになる。それを確信した仕込みNo.005でした。さあ、甘口はどうやって仕込むのが良いか、思いついたことがあるので、次に試したいと思います。


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