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婚活歴20年……心の折れない婚活

【20代編】私が婚活を始めたのは20代後半だったと思う。もはや独身歴から考えると20年近く婚活をしていて、決して成功しているわけではない。それでも、失敗談がどなたかの同志を励まし、慰めることもあろうと、自分自身の自戒も込めてここに書き始めたものである。

最初に始めたのは婚活パーティや特定の職業に特化した婚活サイトを通じてだ。

婚活パーティで初めてマッチングした人は、大手企業のエリートサラリーマンだったが、帰り道にデートした公園でヤラれそうになり、逃げた。いわゆる「ヤリモク」という方々であろうか。

男性の浅ましさに絶望した私は、次に「僧侶専門の婚活サイト」に登録する。高齢化社会が加速するなか、葬儀社や寺、神社は手堅い高収入のうえに、僧侶であれば、心もキレイに違いないと思った。浅知恵に駆られて2人の僧侶と出会う。

一人目は、真○宗の方で、自分は不動明王の生まれ変わりであると言っていた。

この身は神に捧げるため、結婚はできないが、交際なら可能だと言う。

は?あんた、何言ってんだ?
単に責任取りたくないだけじゃん。それ。

と、思った。不動明王の生まれ変わりにしては、浮遊霊に憑依されて別人になってしまうのを目の当たりにし、この方との交際自体も 身の危険を感じ、スタコラサッサと逃げた。

2人めは臨○宗の僧侶で、見るからにお金持ち。食事は奢るので好きなだけ食べなさいと、勝手にバンバン注文され、テーブルの上はパーティ状態。

私は食べないから。

相手は、そう言った。

は?あんた食べないなら、注文は君がしていいよ?じゃない?この食べきれぬ食事、ほとんど残飯行きだぞ?

私はとにかく、店の人に悪いと思ってフードファイター並みに食べた。

その食べっぷりを見て、僧侶は私を気に入ったらしく、2件目は四ッ谷にある坊主バーに連れて行った。常連らしく、まわりの僧侶たちが親しげに彼に話しかけてくる。

そこで彼は仏教のうんちくを垂れまくった。内容は全く覚えていない。そんなにお腹に物を入れずにこれだけ酒飲んで大丈夫なのか?この人。と思っていたら、案の定酔いが回ってキスを迫り出した。

帰ります。と、私は言った。彼は名残惜しそうに私の手を撫で回したが、もう一刻も早く家に帰りたかった。

20代最後の婚活は、「元カノが死んで10年、一途に彼女を愛する」方とである。もはや、婚活に疲れきっていた私にとって、心の綺麗な男性という「絶滅危惧種」を拝みたかったのである。

彼はいわゆるベンチャー企業の社長であり、亡くなった元カノを一途に想うブログで、ファンも多かった。

渋谷の背の高いタワーの最上階のレストランで、夜景を見ながらコース料理、シャンパンで乾杯した。

いま考えると、この時点でおかしいことに気づけなかった。完全に女を落とすコースに最初からセッティングしている。

美しい夜景
美味しい料理
小粋なスーツに身を包んだベンチャー社長
たった一人愛した女性

彼は苦しい胸の内を明かした。すっかり彼を信用した私の瞳は恋に燃えていたと思う。彼は言った。

女性の皆さんが僕に交際を迫って、何度もお断りしているのですが、貴女は違いますよね?と。蛇の生殺しである。

もし彼が本当に彼女を一途に愛し続けていたら、渋谷の最上階のレストランを予約するとは思えないし、彼は結局、不特定多数の女性にモテたかったのと、私が彼のタイプではなかったのだろうと思う。さっさとフラれた。

一生元カノの思い出と一緒にしんでほしい

と、願った。

ここで、私の「純粋な男性と恋に落ちて結婚したい」20代編は終わりである。

ここから暗黒の婚活30代編に突入していくわけだが、それはまた次回にしたいと思う。