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長期安定的な発電事業の実施に向けた計画と取組について

【発電開始から現在、そして今後】

 弊社は、いち早く太陽光発電に関心をもち2000年に約7kW相当のパネルを本社屋上に設置し、自己消費を行なうための発電を開始しました。その後、2012年にFIT制度(再生可能エネルギーの固定価格買取制度)にて経済産業省から認定を受け、新たに太陽光発電事業を開始しました。同年11月に49.6kW、2013年6月に1,000kW、2015年3月に1,500kW、2016年3月に1,000kW、そして2018年2月に1,500kWの発電設備をそれぞれ建設し、合計5,000kWを超えるパネルを設置、稼働させています(電力会社での全量買取)。一番早く運転を開始した発電所は10年目を迎えていますが、全ての発電所において問題は生じておらず、順調に運転しています。
 太陽光モジュールおよびパワーコンディショナーともに日本メーカーのものを採用し、メンテナンスは迅速かつ安全に実施しています。特に、太陽光モジュールはシャープ製であり、長年の実績や企業規模からも今後持続可能な太陽光発電事業をできるものと確信し、再生可能エネルギーを供給していく予定です。また、より効率的に総合的に管理ならびに運用を行なうため、内部積立を計画いたします。
 
 今後の再生可能エネルギーによる発電事業は、定められている各基準に適合させ、①調達期間の終了後も発電事業を継続するために必要な措置を講じ、当該措置を公表すること(改正再エネ特措法施行規則第5条第8号の2イ)、②発電事業と地域社会との共生に向けた取組を講じ、当該取組の状況を公表すること(改正再エネ特措法施行規則第5条第8号の2ロ)、③太陽光発電設備は電気事業法第38条第2項に規定する事業用電気工作物に該当すること(改正再エネ特措法施行規則 第5条第8号の2ハ)の認識、④認定申請者が電気事業法第2条第1項第15号の発電事業者に該当することの認識、また、同発電設備が電気事業法施行規則第3条の4第1項に規定する特定発電用電気工作物であって、その旨が電気事業法第27条の27第1項の規定による届出に係る事項として記載されていること(改正再エネ特措法施行規則第5条第8号の2ニ)、これらを徹底します。同時に、特措法第 9 条第 4 項第 7 号にいう「経済産業省令で定める基準」を満たす措置を取ることも徹底します。
 また、弊社は経済産業省が公表している太陽光発電設備の廃棄費用積立制度に従い、各規定やガイドラインの要件を満たす事業計画を策定し、内部積立での資金管理を行ないます。

発電所の運用・管理

 これからも継続して発電事業を行なうことを前提としている弊社は、厳格かつ適切に発電設備を保守点検ならびに維持管理します。安定的に再生可能エネルギーの発電事業を行なうためには、設備の性能低下、故障、部品の破損等を起因とした運転停止、設備敷地内などへの容易な第三者の侵入による感電事故や天災等で太陽光モジュールの飛散による第三者への被害を未然に防ぐため、定期的に(短い周期で)発電設備の巡回や点検を実施しており、これからも継続します。全ての稼働発電所が弊社所在地と同市内(車で10分圏内)にあるため、これらが可能です。
 これに関連し、弊社は事業計画を立てるにあたり保守点検と維持管理について適切な実施計画の策定とその実施体制を構築しています。

1.保守点検と維持管理に関する計画の策定および体制の構築

① 法令、条例、ガイドライン等に則り、保守点検と維持管理に関する計画を策定し実施しています。これには電気事業法に基づき作成し届け出た保安規程や各項目、実施するスケジュールなどを踏まえたものが含まれます(以下、総称して「保守管理計画」といいます)。

② 保守管理計画に基づき、適切に実施する体制を構築しており、これには電気事業法の定めにより選任した電気主任技術者による対応に関する項目も含まれます。

③ 発電事業での事故発生、同設備の運転停止や発電電力量の低下などの事態が生じた際の対応方針やその方法を事前に定め、スムーズに実施し復旧できる体制を構築しています。

④ 保守管理計画の策定や構築にあたっては、資源エネルギー庁が平成29年制定した事業計画策定ガイドラインを参照し、当該ガイドラインで示す内容と同等またはそれ以上の内容によって、安全そして安定的な発電を長期的に行なうことができる事業実施体制を構築できるよう努めています。

⑤ 保守管理計画を事業実施期間しっかりと保管します。保守点検および維持管理のスケジュール、人員配置、体制計画、範囲、方法、安全対策、記録方法、等。

⑥ 保守管理計画の策定や実施体制については、外部の専門家に相談をしながら構築しています。発電設備は、電気事業法第 42 条に基づき保安規程を作成し届出を行なった電気主任技術者とも相談し、安全確保に関する事項、発電性能維持に関する事項、これらを整理し保守管理計画の策定や体制の構築を行なうことが必要です。また、程度にもよりますが、問題発生時は目安として部材や部品の納入までの期間を含めず最大3ヶ月での復旧を可能な体制としており、これに備えた保険への加入もしています。なお、保険は第三者への賠償責任もカバーしています。

⑦ 上記⑥で、交換が必要となり外した太陽光パネル等を処分する場合は、適切な廃棄やリサイクル方法で対処します。

2.正常運転時の取組

ⅰ)安全かつ安定した運転をするために、次のことを掲げ実施しています。

① 法令、条例、ガイドライン等に則って、発電設備を運転する。

② 保守管理計画に則って、保守点検と維持管理を実施する。

③ 発電設備が技術仕様や基準に適合しながら運転を継続できるよう適切に保守点検および維持管理を実施する。特に、弊社の稼働1,000kW以上の太陽光発電設備の運用にあたっては、電気事業法に基づき届け出た保安規程を遵守する。

④ 外部機関や団体その他組織が作成した技術仕様やガイドラインを参考にし、これと同等またはそれ以上のレベルで保守点検および維持管理を実施することの努力をする。

⑤   保守点検および維持管理の実施内容を記録し、保管する。

ⅱ)発電の性能を低下させないための取組(次の保安点検を徹底しています。)

① 保守管理計画に則り、保守点検および維持管理を実施する。

② 発電電力量の低下や運転停止を誘発するような要素が確認された場合、発生を未然に防げるよう対策を講じるなど積極的に努める。

③ 外部機関や団体その他組織が作成した技術仕様やガイドラインを参考にし、これと同等またはそれ以上のレベルで保守点検および維持管理を実施する。

④ 保守点検および維持管理の実施内容を記録し、保管する。

⑤ 発電電力量を計測し、記録する。

⑥ 夏季の草刈りや冬季の除雪は、発電性能維持のために重要な作業のひとつであり、エンジン音や安全配慮など地域住民や周辺環境に影響がおよぶことがないように努める。

⑦ 発電所には遠隔監視システムや防犯カメラ等を設置し、発電設備の運転状況をリアルタイムで確認し、また、発電設備に物理的な被害の有無や周辺への影響の有無を常に把握する。

ⅲ) 電力会社からの出力抑制通知

全量買取の契約締結を行なっている電力会社(一般送配電事業者または特定送配電事業者)から、国が定める出力抑制の指針「再生可能エネルギー電源の出力抑制の公平性の確保に係る指針に基づいた出力抑制」の要請を受けたときは、通知に従い適切な方法で受け入れ、実施する。

3.問題発生時や非常時に行うべきこと

安全かつ安定した運転をするために、次のことを掲げ実施しています。

① 天災(洪水・落雷・暴風雨・大雪・地震等)による発電設備の破損や故障、第三者への人的被害や物的被害が生じるおそれがある事象が確認された場合は、迅速に遠隔または現地で状況を確認し、設備の破損、部品などの緩み、感電や漏電のおそれがないことを確認する。

② 発電設備に何らかの異常が生じたことが確認された場合、速やかに状況を把握し異常原因の特定に努め、電気事業法等の規定に則った適切な措置を講ずる。さらには、発電設備外への影響がおよばないよう対応することに努める。電気主任技術者、メーカー専門担当者、メーカーおよび行政等が認定した施工事業者等により太陽光発電設備および周辺電気設備を適切に把握し対応できる者が点検を行ない、また、これら業者がその対応中に事故を起こさず被害等も受けないよう安全配慮には十分配慮するものとする。このとき、撤去作業も含め、外部機関や団体その他組織が作成した安全基準やガイドラインを参考にする。

③ 天気予報などで落雷・洪水・暴風雨・大雪等が予想される場合には、電気主任技術者と事前に協議し、問題発生時に備えるよう努める。

④ 万一、発電設備の不具合により周辺地域へ何らかの被害が発生するおそれがあるまたは発生した場合は、地域行政や自治体、地域住民へ速やかにその旨を連絡し被害の拡大防止のための措置を講じるよう努める。なお、当該設備が起因する損害賠償責任を負う場合には、誠実に対応を行なうよう努める。

⑤ 事故発生時は、電気関係報告規則、消費生活用製品安全法(以下「消安法」という)の定めに従い、事故報告を行なう。

4.周辺地域へ配慮すべきこと

安全かつ安定した運転をするために、次のことを掲げ実施します。

① 発電設備の管理において、防災、安全、環境保全、景観保全などに関する対策が、適切に実施されていることを常に確認するように努める。

② 発電設備周辺の地域住民エリアに、強風等で部材や部品が飛散しないよう、緩みなどを定期的に確認する。

③ 機器や重機を使用した草刈りや除雪では、9時~17時に作業時間を限定し、作業音も抑え、周辺住民の生活へ支障が生じないようにする。

④ 全ての太陽光発電所に柵を設置し、第三者の容易な侵入を防ぐための措置を講じる。

⑤ 遠隔監視システムや監視カメラ等を設置していることで 二次被害の阻止や第三者の侵入があった場合など、これを確認できるような措置を講じる。

5.FIT調達期間終了後の設備更新

調達期間終了後も、設備を適切に更新することで、ノンFITでの太陽光発電事業を継続するように努める

撤去および部材や部品の処分

事業終了後に再生可能エネルギーの発電設備が適切に撤去や処分されることは、環境保全はもちろんのこと、再生可能エネルギーの長期安定的な発電・自立化を促すためにはたいへん重要であり、計画的かつ適切な費用の確保をします。

1.計画的な撤去費用と処分費用の確保

事業終了後、全ての発電所における適正な撤去および処分の費用については、経済産業省ならびにガイドラインで掲げている必要積立金額よりも多い額(満額)をすでに積み立てており、税務申告を行なっている決算書に記載済みです。なお、この積立金は容易に引き出すことがないよう対象金融機関ならびに顧問税理士とも調整しているものであります。

2. 事業終了後の撤去・処分の実施

① 太陽光発電設備が事業を終了した時は、速やかに作業に取り掛かれるよう事前に関係者と調整します。なお、やむを得ず撤去作業開始まで日数が必要となる場合は、建築基準法の規定に適合するように適切に維持管理します。また、発電設備の撤去および処分は、廃棄物処理法等の関係法令を遵守します。

② 太陽光発電設備が事業を終了した時は、第三者が容易に発電設備に近づかないよう、また、侵入できないよう適切な措置を講じるように努める。

③ 太陽光発電設備の解体、撤去、廃棄を外注する場合、廃棄物処理法における産業廃棄物処理に係る規定を全ての関係者に遵守させます。また、関係する業者等が適切に産業廃棄物の処理体制が構築されているかどうか、必要な免許や認可を公官庁から得ているか、これらをあらかじめ確認するよう努めます。さらに、廃棄物の発生を極力抑制し、再生利用を考慮した設計に努め、廃棄物処理の条件を明示します。

④ 太陽光発電設備を撤去及び処分する場合は、環境省「太陽光発電設備のリサイクル等の推進に向けたガイドライン」を参照いたします。


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