クラウドファンディングで一番大切な事の話

今回は、自分が疑問に思った事を書いていきたいと思います。

そもそもクラウドファンディングというのは、支援者の賛同とそれを元にした協力で成り立つものです。
そして、支援者が何を見て賛同するかを判断するかというと、そのクラウドファンディングが

「何のために行われているか」

つまりクラウドファンディングの“目的”です。

目的に賛同し、その目的の達成を求めるからこそ支援者は汗水流して稼いだお金を出すのです。

 絶対にあってはならないことですが、沢山あるクラウファンディングをしっかり見てみると、本来の目的と表向きの目的が異なるものがいくつかあるように感じます。
あえてはっきり言いますが、意識的にせよ、無意識にせよ、それらのクラウドファンディングは支援者を騙してお金を取っています。

このコロナ禍でも非常に多くのクラウドファンディングが日々立ち上がっています。

これまでのノートで書いてきた、僕が出入り禁止になってしまったお笑いの劇場もクラウドファンディングをやっています。
これまでのノートで書きましたが、その劇場は、緊急事態宣言が出て、ライブができる状況ではなくなった後も、芸人やライブ主催者からキャンセル料を徴収(徴収すると通告)していました。
しかし、あまりにも心苦しいと、“芸人を助けるため”クラウドファンディングを行い、そこで集まったお金を、キャンセル料を払った芸人やライブ主催者に返金をするとしていました。

しかし、このクラウドファンディング含め批判が巻き起こります。

そもそもライブができないのに「いかなる事があってもキャンセル料を全額徴収する」としていたためです。

お笑いライブをお笑い芸人自らが主催する事があります。

特に地下ライブと言われるような小さな規模のお笑いライブでは、
お笑い芸人自らが主催者となってお笑いライブを開催するケースが非常に多く見られます。

本当に“芸人のため”“芸人のことを思う心”があれば、目先のお金がなくて(芸人主催者含め)みんなが困っているこのコロナの状況下でいったんキャンセル料徴収など絶対するはずありません。
しかし、その会場は人気の劇場のため、(芸人主催者含め)多くのライブ主催者や芸人はそこに出れなくなってしまうことを恐れ、キャンセル料を支払っていました。
(実際に声を上げた僕は出入り禁止になりました。)

ところが、Twitterなどでその劇場のやり方に対して批判が巻き起こります。その批判を受け、劇場はクラウドファンディングの方向を変えます。
既に徴収したキャンセル料は返還(徴収する予定だったキャンセル料は徴収しないことに)し、クラウドファンディングの目的をキャンセル料の返還ではなく、直接劇場の維持費に充てる形にしました。
僕が言っていた通りの形になったということです。(なぜか僕の出禁は解除になっていませんが…)

ひとまず、他のライブ主催者の方にとっては良かったなと思っていました。
ですが、方向転換を行ったクラウドファンディングを改めてよく見ていると恐ろしいことに気が付いてしまったのです。

その劇場は、クラウドファンディングを“芸人のため”と言っていたのです。
誰もが分かる通り、このクラウドファンディングは「その劇場のためのもの」です。
その劇場が好きな人が支援をし、お金が集まる分には何もおかしくはありませんし、良い劇場ですからきっと支援者もたくさんいるだろうと思います。

しかし、サイトを見てみると

“芸人のため”

のクラウドファンディングだと明記しているのです。

断じて“芸人のため”のクラウドファンディングではありません。
極端な話、その劇場を運営している会社がつぶれても、別の会社が買い取って運営すれば劇場はなくなりません。

完全に“劇場の運営会社存続のため”のクラウドファンディングなのです。


このノートの冒頭でも言いましたが、クラウドファンディングの支援者は目的に賛同するからこそ協力をします。
「私たちの劇場助けてください」と書くよりも、「芸人を助けたい」と書いた方が、間違いなくお金は集まるかもしれません。
しかし、それは巧妙な目的のすり替えであると僕は思います。
支援者の素直な“芸人を助けたい”という純粋な気持ち利用し、だましてお金を集めているという風に僕には見えて仕方ありません。

クラウドファンディングの目的を理解した上で、勿論劇場を助けたいという思いで支援している方もたくさんいるとは思いますし、それは素晴らしいことだと思います。
クラウドファンディングの裏に見え隠れする本当の意図に気付かないまま支援している方もいるのではないかと思います。

「何のためのクラウドファンディングなのか」の目的は非常に大切です

お笑い好き、お笑い芸人好きの純粋な気持ちを冒涜することがないよう、劇場は(意識的か無意識化はわかりませんが、)誤解を与えてしまわないよう目的を明記するべきだと思います。
また、支援をする側も、今支援をしようとしているクラウドファンディングの本当の目的、誰が得をするのかをしっかりと考え、見極めてから支援を決めてほしいと思います。

「お金は大切にしてください」

ノートは匿名ですが、恐らく劇場の方がこの文章を見たら、だれが書いているのか、わかると思います。(既に“出禁”にされていますが、更にどんな仕打ちをされるか…)正直何をされるのか、本当に怖いです。
しかし、事実を皆さんに知って欲しいという思いで勇気を出してこの文章を書きました。

「人の善意で支えられているクラウドファンディングこそ純粋なものであって欲しい」

最後に、いろいろと書きましたが、
コロナがいち早く終息し、お笑いという素敵で最高の文化が当たり前のように楽しめる“普通の”日常に一日でも早く戻ってくれることを心から祈っています。


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