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[調査] eBayで販売されているグラフェンスーパーキャパシタの謎に迫る

YouTubeのチャンネル「GreatScott!」で、eBayで見つけた€160のグラフェンスーパーキャパシタについての動画が公開されました。このグラフェンスーパーキャパシタは、リチウムイオン電池を代替できるほどの性能を持っているとされています。動画内でグラフェンスーパーキャパシタの実際の性能をテストしています。

動画内でのテスト方法

テストでは、通常のスーパーキャパシタとリチウムイオン電池の放電曲線を比較しました。スーパーキャパシタの放電曲線は直線的であるのに対し、リチウムイオン電池の放電曲線は特定の電圧で急激に下降します。グラフェンスーパーキャパシタの放電曲線を測定したところ、リチウムイオン電池と同様の曲線を描いていたため、スーパーキャパシタではないことが判明しました。

さらに、スーパーキャパシタとリチウムイオン電池で釘を刺し通して反応を比較するテストも行いました。スーパーキャパシタは安全に反応するのに対し、リチウムイオン電池は発火する危険性があります。グラフェンスーパーキャパシタは釘を刺し通してもなにも反応しなかった

まとめ

以上のテストから、グラフェンスーパーキャパシタはリチウムイオン電池をスーパーキャパシタに偽装している可能性が高いと結論付けられました。

動画内でも指摘されているように、バッテリーの専門家による見解ではないためは断定できない部分もあります。グラフェンを使った新しい電池技術の可能性も考えられます。今後の研究次第でグラフェンスーパーキャパシタが実現すれば、エネルギー貯蔵ソリューションの分野で大きなブレークスルーとなるでしょう。

コメント欄では

主に以下のような議論がされていました。

  • このグラフェンスーパーキャパシタが本当にスーパーキャパシタなら、曲げられるプラスチックパウチではなく硬い外装を使うはずだという指摘があった。スーパーキャパシタの静電容量は内部構造に強く依存するため、曲げると容量が大きく低下する。

  • 内部を見ると銅のシートがあり、リチウムイオン電池の構造に似ているとの意見があった。

  • 充電後に放置して自己放電の様子を見るテストを提案するコメントがあった。コンデンサは自己放電が速いはず。

  • 充電状態で釘を刺してもあまり反応しない安全なリチウムイオン電池の新しい種類だとする意見があった。

  • メーカーにコメントを求めるべきだという指摘もあった。

  • 興味深い新技術だが、消費者向け製品にはまだ高価過ぎるといった意見もあった。

全体として、偽装されたリチウムイオン電池だろうというのが多くのコメントの見解でした。


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