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生きる事に限界ですか?自己暗示という力…アンダーソン君からネオなる方法

エイジは体中アザだらけだった。
気功を習いに数か月前から、
週に一度通ってるのだが、今日は下宿に戻ると、
やたらエイジは興奮していた。

今「どうしたの?なんか、体中アザだらけだけど?」

エイジ「週に一回気功をならってるんだ、呼吸法も含めてね」

今「呼吸法なのに、どうしてアザだらけになるの?」

エイジ「その先生凄いんだよ、
    人をひょいひょいと気の力で投げ飛ばすんだよ…
    僕の番になってさ、ちょこっと触れただけで、
    すごい気合で、飛ばされちゃって…
    いやぁホント凄いよ、あの先生は」

今「 ふーん」

エイジの話を聞いても、何となく、そっけなさそうな今。

エイジ「なんかあんまり感動してないね… 気の力を信じてないの?」

今「そんなことないけどさ…」

エイジ「けど何?皆を大して触れてもないのに、
    10人くらい飛ばしちゃうんだよ…
    まるでネオや鉄雄みたいだったよ」

足や腕のキズあとに薬を塗りながら、興奮さめやらぬエイジ。

エビアンを飲みながら、今は冷静に尋ねてみた。

今「…でもさ、その先生ってどうして、人ばっかり相手するんだろね?」

エイジ「え?」

今「本当に気の力で投げ飛ばせるなら、
  人ではなく石でもいいわけでしょ?」

エイジ「…」

今「70㎏の人を投げ飛ばせるんなら、
 70㎏の石でも飛ばせるはずでしょ?不思議じゃない?
 人は飛ばせても石は飛ばないんだから」

エイジ「…」

返答に困るエイジ。

エイジ「石も飛ばせるんじゃない…」

返答に困るエイジは苦し紛れに答える

今「見たことある?」

エイジ「ないけど…」

今「じゃぁ説得力ないなぁ…(笑)」
意味深な笑い

今「秘密おしえたげようか?」

エイジ「え!?…秘密?あるの?」

今「うん、秘密(笑)……あるよ(笑)」

エイジ「…」

今「それはね、エイジ君、
  君が自己暗示にかかってるから投げ飛ばされちゃうんだよ…
  君は暗示の力で飛んでるんだよ」

エイジ「暗示?」

今「そう。人間ってとても心理的な生き物だからね、
  気功ってただの物理的な力ではなく、
  心と体に深いつながりがあるんだよ、君の心が
  君に強さを与えてるんだ、君が気の力を信じて、
  自己暗示にかかっているから飛ぶんだよ。
  でも、石には心がないから、暗示にかかることはない」

エイジ「それって、つまり、僕たちが飛ばされるのは、
    自分の心がそう信じているからって事?」

今「…だね。心が強く信じれば、体はそれに応じる。
  でも、石は心を持たないから、暗示に影響されない…
  だから飛ばないんだよ」

エイジ「僕が飛ばされたのは、先生の気の力じゃなく、
    自分がそう信じたから?」
今「知ってる?自己暗示ってのは、
  心理学で言うところのプラシーボ効果に似ているんだ」

エイジ「プラシーボ効果?」

今「うん。治療効果がないはずの物質を与えても、
 それが効くと信じてると、本当に体に良い影響を与えることがあるの。
 つまり、信じる力が体感に影響を与えるってこと」

エイジ「だから、気功で感じる力も...」

今「そう。あなたが感じてる力は、本当に外部から来るものなのか、
 それともあなたの信念が作り出したものなのか、
 それを考えてみて…」

エイジは深く考え込み、今日、自分に起こった事を振り返ってみた。

今「自己暗示はとても強力なものだから、
  人間の体感に凄く大きな影響を与えるんだよ…
  それは今日の出来事だけじゃなく、いつもね…。
  君の人生の全ての体感に言える事なんだけどね…」

エイジ「全ての体感に言える事?
   それじゃあ、僕の今までの体感全てが…
   暗示の力だったっての!?」

今「力というより罠かもしれないけど…(^^♪」

エイジ「罠?」

今はいたずらっ子のような笑顔をみせた。

今「自分で自分に勝手に自己暗示の罠をかけていた…とか(笑)」

エイジは、しばらく考え込んでしまった。

自分の人生が、自分から勝手に自分で罠にかかっていた!?…

それは、まるでマトリックスのアンダーソン君そのものじゃないか!?

今「でも自分の心の力を理解することは、とても大切な事だよ。
  それが自己暗示の力だとしても、その力は本モノだから」

エイジはその言葉を聞き終えると顔を上げ今を見た。

エイジ「そしたら、もし自己暗示がこんなに強い力とするなら、
    それを使えば、もっと強列な事が起こる?」

今「もちろん!“心頭滅却、火もまた涼し”って聞いたことあるでしょ…」

心頭滅却……

エイジは今との言葉を反芻しながら、古いことわざを思い出していた。

今「この言葉は、心がすべての感覚を制御するという事なんだけど…」

エイジ「心が全てを制御する…? 」

今「そうだね。どんな状況でも意識をクリアに保てば、
 外界の影響に左右されず、心の力を最大限に発揮できるって事だね」

エイジ「僕の作り出した世界… これは自己暗示だった…」

今「心が強く信じれば、現実が変わる事もあるんだよ。
  心と物質の境界は、君が思っているよりも曖昧だからね、
  それが本当のスピリチュアルな力だよ。暗示を超えた、
  心の眼が開く体験、それは君の心が開く鍵だよ。
  信じる力が、新しい世界を開いてゆくからね」

エイジ「…」

今「心が作り出す世界は、時に現実を歪める。
 でも、君は今日その事に気付いた。
 それをいつも認識することで、君はこれからパワフルなれるよ…
 つまりアンダーソンからネオにね(笑)

エイジ「本当?…」

今「うん…別に赤いピルを飲まなくてもいいんだよ」(^_-)-☆

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